公開:1992年
監督:フィル・ジョアノー
キャスト:リチャード・ギア、キム・ベイシンガー、ユマ・サーマン
震えるほどにミステリアス、灼けつくほどにエロティック
人間の本性を暴く官能のパッショネイト・サスペンス。リチャード・ギアとキム・ベイシンガーの熱く激しいラブシーンが話題を集め、女性層から圧倒的な支持を得た衝撃作だ。共演はユマ・サーマンとエリック・ロバーツ。
魅力的な、しかし謎めいた過去に縛られる女性ダイアナの精神分析医アイザックは、ある夜彼女の姉ヘザーと出会う。ダイアナの不幸な過去を聞き、衝撃を受けながらも、アイザックは人妻ヘザーに魅かれていく・・・。そして数日後、もはや感情をコントロールできない2人は激しく求め合い、貪り合うが・・・。
観ている途中に、あれっと感じるところが、ひとつ出てきます。その不自然さに気がつけば、疑惑のネタがばれてしまいます。気がつかなければ、大丈夫。最後まで、サスペンスを味わえるでしょう。しかし、いつも思うのですが、人の精神異常さ加減が本当に理解できる医者などいるのでしょうか?カウンセラーにかかる人など、所詮金持ち連中で、別にほっといても大した害はない。犯罪に走る人のほとんどは、金がないからであって、カウンセリングを受けられるのは、犯罪を犯した後、罪から逃れる為に、精神病院でである。しかも、演技さえ上手ければ、見破ることが出来ないときている。その判断に自信がない為、長引いている事件も多々ある。とまあ以上のことを踏まえて観ると、なかなか奥が深い作品と思えるのだが、どうだろうか?
キム・ベイシンガーとリチャード・ギアと聞くと、デロデロのメロドラマを想像していたが、実はサスペンスだった。
キム・ベイシンガーが大好きで見たのだけれど、ユマ・サーマンとの姉妹役は、とても、はまっていたと思う。
金髪バンザイ。
やはり男なら、ユマよりキムを選ぶでしょう。うん。
ストーリー自体は、ヒッチコックの「めまい」へのオマージュだろうか。
途中でラストまで読めてしまうのが難点。
配役はド派手だし、舞台もギャング宅・精神科医宅・法廷・刑務所・ヨットハーバー・灯台と派手なのだが、なぜか全体的に地味な印象。
やはり脚本にひとひねり足りないのが敗因か。
個人的には、美しい映像に満足。
公開:1995年
監督:ピーター・ホール
キャスト:レベッカ・デモーネイ、アントニオ・バンデラス
ストーリー
犯罪心理学者サラは、多重人格の疑いがある連続レイプ殺人犯の精神鑑定を行っていた。
ある日、サラはトニーというハンサムな男から声をかけられ、初めは用心したが結局彼に電話番号を教えてしまう。
二人の関係はいい形で発展していくように見えたが、時を同じくしてサラの身辺に不審な事件が起こり始める。
ただならぬ恐怖を感じたサラは私立探偵を雇う・・・。
結末のどんでん返しが秀逸なサスペンスなので、ストーリーをあまり紹介するのはやめましょう。多重人格を主張する猟奇殺人犯の心理鑑定を行っている心理学者レベッカ・デモーネイと、彼女に近づく、ちょっとあやしげなバンデラス。この二人の関係のほかに、ヒロインを脅かすさまざまなヒチコック的恐怖の連続。原題はNever Talk to the Stranger。この「ストレンジャー」が誰なのかは、見てのお楽しみ。
1996年製作のとってもハードなエロティック・サスペンス。デモーネイが初の製作総指揮。そして主役も務めている。
犯罪心理学者のサラ(レベッカ・デモーネイ)がトニー(アントニオ・バンデラス)という見知らぬ男と出会うところから始まる。そしてサラは一方的に恋に落ちる。
レベッカ・デモーネイは35歳とまさに女ざかり。勿論今よりもずっとセクシー。相手役がセクシー男優、アントニオ・バンデラス36歳。こうなれば当然想像に難くないが、「相当にハードなエロティックなシーン」が思い切り出てくる。サスペンスそっちのけで、こちらを主目的に観ても充分満足してしまう方々も多いのではないか。
サスペンスとしての出来も勿論上々。彼女の周りで事件が起こりだすあたりで、不審者とおぼしき人間の足元が何回か映され、これが重要な伏線となる。しかしありがたいことに、それに気付いても気付かなくても最後まで楽しめる。よくある「多重人格」がキーポイント。あくまでもこの作品のスタンスは「サスペンス」。観る者を決して落胆させないあっと言わせる結末が待っている。
レベッカ・デモーネイはシャロン・ストーンになりたかったのではないだろうか?
キャリアは相当あるのに、今ひとつブレイクしなかった理由がなんとなく感じられる作品だ。ハードなエロティックシーンと言っても、今みると普通なので、過剰な期待は避けた方が無難。といっても、映画として悪い作品ではないので見ておいて損はない。
今のサスペンスと違ってスピード感に欠けるので、90分未満の作品なのに、やや長く感じてしまうのも残念なところ。
公開:1992年
監督:ポール・バーホーベン
キャスト:マイケル・ダグラス、シャロン・ストーン
ストーリー
元ロックスターのナイトクラブ経営者がベッド上でアイスピックで刺されて殺害された事件を捜査していたサンフランシスコ市警察の刑事ニックと相棒のガスは、被害者の恋人で美人女性作家のキャサリンを尋問する。ニックはキャサリンの妖艶な魅力に次第に翻弄されるようになり、捜査を続行するうちに不可解な事件が頻発する。ついには同僚のガスが何者かによってアイスピックで殺害され、ニックはキャサリンに疑惑を抱きながらも深みにはまっていくのだった・・・。
色々な解釈が出来る映画で、それがこの映画の一つの魅力であると思う。初めてこの映画を観たときには、スピーディーな展開とショッキングな内容に圧倒され何がなんだか分からないという感想を持った。見た人それぞれが、これってああいうこと?!という疑問を持つに違いない。但し、例えそう思ったとしてもシャロン・ストーン、マイケル・ダグラスの二人の演技により消化不良には陥らない。その良く分からない感も計算されたものに違いない。
だから、オリジナルタイトル、BASIC INSTINCTの意味するところが何であるのか、今回久しぶりに観て漸く合点が行った。
愛するものを殺害してしまう女、また、すぐに発砲してしまう刑事、そうしたどうしようもない本能を持つ二人。ニックは自分がいつかキャサリンに殺されることを、またキャサリンもいつかニックを殺すであろうことを、それぞれ予感して映画は終わる。今後の展開を観客に委ねる、素晴らしい幕切れだ。
最後に、キャサリン役にストーンが決まる前、ジュリア・ロバーツ、メグ・ライアン他数人にオファーされたと言うが、ストーンでなかったら、このような魅力はだせなかったと思う。
白いドレスを着て事情聴取を受けるシーンは短いセリフでキャサリンというキャラクターのすべてを表現し尽した素晴らしいシーンだ。
小説に似た殺人事件が連続して発生し容疑者として美人作家、その美人作家のレズビアンの女、曰く付きの精神科医どの女にも殺人の動機がありそうで複雑な要因が絡み容疑者を決定づけられない。
それと疑いながらも容疑者の妖しい罠に魅せられていく刑事との駆け引きは非常に見もの。
最大の見せ場はやはりセックスシーンだろう。始めは男が激しく責め立てる。しかし立場が逆転し女が上になる。つかさず男は女の胸を貪ろうとするが女に手首を掴まれ押さえ付けられる。その瞬間男の表情が一変。すると女はスカーフを取り出す。男は「殺される…」と恐怖の表情に一変。またたく間に女は男の手首を縛り付けにかかる。男は激しく抵抗する。しかし男は女の力に屈し縛り付けられる。男は殺されるのを覚悟した表情のように見えた。見ている自分も殺されると思った。犯人は誰かということより激しく常軌を逸したセックスシーンが一番の見せ場の映画という印象を受けた。
公開:1993年
監督:フィリップ・ノイス
キャスト:シャロン・ストーン、ウィリアム・ボールドウィン
ストーリー
ニューヨークの出版界で活躍する35歳の魅力的な女性カーリーが、マンハッタンのゴージャスなマンションに越してくる。だが、この都会的なガラス張りの超高層マンションでは、若い女性が不審な死を遂げていた。さらに、知り合ったばかりの大学教授が、バスルームで死んでしまった。カーリーは引っ越しパーティーで知った2人の男性に不信を抱くが・・・。
真っ直ぐに愛を表現出来ずに、レンズやモニター越しに見つめる。犯罪行為的だけど、ウィリアム・ボールドウィンだから許せてしまう…。
ストーリーはサスペンスが織り込まれていますが、二回目以降に見るときは、ストーリーやシャロン・ストーンよりも、ウィリアム・ボールドウィンの適度に鍛えられたバランスのいい体と、物憂い感じがしながらもセクシーな彼の表情を追ってしまいます。
この作品で、彼の妖しくもセクシーなあの目にやられちゃった女性ファンは多いのではないでしょうか。
衝撃作となった「氷の微笑」のあとのシャロンの作品のため、映画上映前から下馬評で「前作より見る価値がなさそう」という評価があったのもやむをえずで、映画上映時からインパクトが残らない、物語がよくわからない、しかもオチもわかりにくいといった評価で終わってしまった作品。
ただ、「氷の微笑」とは違うシャロンの美しさを堪能できる映画でもあり、それだけにもう少し脚本がしっかりしていたならば、もうひとつのシャロンの代表作として、高く評価されたような気がします。よくみていけば、映画の内容としては決して悪くはないのですが、問題なのは、分かりにくいオチになっているラストのために、見ている側には消化不良のようなものが残り、作品として中途半端なものになっていて「良い」とは言えないのが残念なところです。
なんと言っても『氷の微笑』のシャロン・ストーンが最高ですが、この映画では普通の良識を持った平凡なキャリアウーマンを演じているところに新鮮な魅力を感じます。1人の女性として感情的に共感できる部分が多く好きな作品です。
ミステリーとしても良く出来ていると思います。
ラブシーンもかなり官能的ですが下品な作品にはなっていません。なので一般的に言って、女性好みのミステリーだと思います。
ラストで偶然にも犯人の顔がビデオに大きく映る瞬間までハラハラさせられました。犯人が誰であったらよかったか?は視聴者それぞれの見方によると思いますが、個人的には嫌味のないスカッとした終わり方だったと思います。最後は同じセリフを相手の男性に投げたくなる程、主人公の女性に感情移入して楽しんで視聴できました。テーマ曲も映画の雰囲気にピッタリで大好きです!
公開:1995年
監督:ウィリアム・フリードキン
キャスト:デヴィッド・カルーソ、リンダ・フィオレンティーノ
ストーリー
自らは望まぬ方向へ、まるで導かれるかのように事件にどっぷりはまってしまう主人公のコレリ。チャズ・パルミンテリは、弁護士でコレリの長年の友人マットを演じ、リンダ・フィオレンティーノがマットの妻トリーナを演じる。彼女はどんなことでもやってのける心理学者。たとえ、殺人でさえも。
ウィリアム・フリードキン一連の作品に共通する悪魔的な絵作り。カーチェイスがハンパない。
また観たいと思う。僕の中で5回以上観たら名作になるかな。
「男性は女性に振り回される」というメッセージ性を発している一品ではありますが
私は、冒頭から凄まじい勢いで繰り出される東洋趣味的表現と
シリアス・ギャグの2面性を持つカーチェイスが印象的でした。
細かいことは気にせず、雰囲気を楽しむ映画といえるでしょう。
デイビット・カルーソさんが好きになり、購入。
いや~若い・・・と思いつつ、ラストの大どんでん返し★
びっくりしました!!
『クロエ』
公開:2009年
監督:アトム・エゴヤン
キャスト:アマンダ・サイフリッド、リーアム・ニーソン、ジュリアン・ムーア
ストーリー
ある日、彼女は夫と教え子との浮気を疑わせる携帯メールを見つけてしまう。
不安な気持ちを抑えられなくなった彼女は、偶然知り合った、若く美しい娼婦クロエ(アマンダ・セイフライド)を雇って夫を誘惑させ、夫がどんな行動を取ったか報告を受ける。
しかし、魔性の女クロエは、キャサリンの心の隙につけ込み、恐ろしい罠を仕掛けていた。
やがて、キャサリンとその家族はクロエに翻弄され、平和な日常はもろくも崩れていく・・・。
この作品、「映像の美しさ」、とくに色彩の美しさが印象に残ります。
生活感や猥雑さとは全く無縁なアトム・エゴヤンの世界。作風の好き嫌いはあっても、多くの方の目に美しく映ることと思います。
カナダ、トロントが舞台。清潔で、整然とした美しい街です。季節は冬。北の街の、しんと冷えた空気までも映り込んでいるような映像…。
街、建物、路をゆくタクシーに至るまで、ブルーとオレンジ(アンバー)に統一され、余計な色彩がほとんど見当たらないのには驚きます。
箱庭のように…全てを一度自分の手中に収め、その中でチェスの駒のように人を動かし、人の心を縦横に絡ませ物語を織りなしてゆく、華麗で技巧的な演出です。娼婦クロエと、母親ほども年の離れた産婦人科医キャサリン。
クロエの持つ「髪かざり」を介した、謎を秘めた出会いに始まり、「夫を誘い、夫の(性的な)行動を報告して欲しい。」というキャサリンからの奇妙な依頼。
そして…キャサリンの髪に、クロエから手渡された「髪かざり」が光る、(謎を封じ込めたままの)エンディング…。物語が基本的に(人の心と体を複雑に支配する)「性と愛」を軸に展開しますから、ヌード、ベッドシーンなど性的な表現は少なくありません。しかしそういった肉体的な「愛のかたち」が、たいへん美しい映像で描かれており、(キレイすぎるせいか)良くも悪くも「劣情を刺激される」心配?があまり無いように感じました(笑)。(「エロティック〜」を目指してご覧になると、チョッとがっかりかも。)
この辺りの表現に加えて、クロエの「髪かざり」にまつわる謎が仄めかされたまま終わるためか、「掘り下げ不足」「説明不足」と感じられる場合もあるようです。でも…
オリジナルのフランス映画、『恍惚』(『クロエ』はリメイク)には、「髪かざり」のエピソードは全く含まれていません。
ですからエゴヤンは、謎を秘めた「髪かざり」を通して、ミステリアスな「人の心」というものを描きたかったと、思うのです…。(この二つの映画は、全く別のものとしてそれぞれを自分の好みで楽しむのが良いように思います。個人的には、ストーリーは『恍惚』、映画としては『クロエ』の方が好きです。)
公開:1998年
監督:ジョン・マクノートン
キャスト:ケヴィン・ベーコン、マット・ディロン、デニス・リチャード、ネーヴ・キャンベル
ストーリー
ハイスクールの女子生徒が若き教師をレイプ容疑で告発した。裁判は思わぬ結末を迎え事件は落着したかに思われた。だがそれは周到に計算された企みの、ほんの序章すぎなかったのだ。これは真夏のフロリダを舞台に繰り広げられる、復讐とセックスと殺しのミステリー。次々と新事実が明らかにされ、二転三転する脅威のストーリー展開は予測不可能。ここでは誰もが何かを企み、何かを隠している。観客は誰を信じていいのか全く分からないまま、衝撃のラストを迎えるしかない。すべての真実はエンド・クレジットが流れたその後に明かされる・・・。
「スクリーム」で人気の出たネーヴ・キャンベルと、
ヌードOKのナイス・ボディのデニース・リチャーズの美女二人の競演。
(但し、007のワールド・イズ・ノット・イナフではデニースは脱いでませんが)「エロティック・バージョン」とは言っても、
元々エロティックなシーンが満載で、特にHなシーンが付け加えられたと言うより、
普通のディレクターズカット版みたいにカットされたシーンを加えただけという感じです。内容はスリリングでエロティックなサスペンスが続き、
どんでん返しが連続で起こるという感じ。
終盤の二転三転は面白いと思う人と、呆れる人が分かれるかも知れません。
自分は前者だったので、このブルーレイ版も購入しました。ちなみに、デニース・リチャーズが好みな人は、とても実用性があると思いますw
この作品は全く眼中になかったが
評価を参考に安売りも手伝って買ってみた。評価どおりの二転三転どころか四転五転と
すさまじくラストは突き進む。
エンドロールにも驚きの映像があるので見逃さないように。そこでまた驚くことになる。
とてもいい映画を見させてもらったという気持ちだ。
これは掘り出し物です。デニス・リチャーズの色気は眼が眩みます。又、あんな学校
にいたらディロンでなくても間違いをおこすでしょう。ベーコンファンにはこたえられないシーンも有ります。(それはシャワーの時に)最後のクレジットの時に種明しがありますが、それまでにトリックがわかったらたいしたものです。騙されたと思ってみて下さい。
公開:1999年
監督:スタンリー・キューブリック
キャスト:トム・クルーズ 、ニコール・キッドマン
ストーリー
クルーズの演じる医師は、彼の妻(キッドマン)から性の欲望を告白されたことが引き金となり ― それが恐るべき殺人事件に発展していくとも知らずに ― 自らの結婚生活を脅かすほどエロティックな衝動に埋没していく。
全部は見ていないが、スタンリー・キュービック監督の作品の中で個人的に上位。この作品は、主人公の精神的な未熟さを描いているのだと思った。最初の夫婦の関係性から、妻の方は自分の欲望や思ったこと夫に全部正直に話しているが、夫の方はごまかして正直に話そうとしていないと思った。何より、妻を信じているというセリフや嫉妬してないというセリフは、妻からすれば自分のことを理解していない、愛されていないと感じるだろう。あの笑いは夫に対して呆れていることから出たのだろうと思った。その後、夫に対する長年一緒にいるにも関わらず自分を理解してない怒りや嫉妬してほしいという気持ちから海兵についての会話を持ち出したのだろう。最終的に、ベッドに仮面が置いてあるシーンで主人公は全部話すよと言うが、自分の本心をちゃんと話すようになったという主人公の成長に恐怖やエロスを盛り込んだ映画になっているのと感じたが、正直、あまり成長したようには感じない。主人公は最後まで妻との関係や妻の気持ちをわかっていなくて、妻の方はわかっている感じに見える。メッセージ性はよく分からない部分があるのでもう一度見たいと思える作品だった。人と人の顔の距離感や妻の笑いかた、屋敷でのシーン、人につけられるシーンなどぞくぞくする場面が多かった。
この映画では彼らが乱交パーティーを開く背景までは語られませんが、その背景には古代から綿々と受け継がれる●●崇拝の信仰があり、彼らは単にオカルトや乱交が好きでやっているわけではありません。
その理由がわかれば、この映画の理解が深まるだけでなく、今世界で起こっている様々な不可解な出来事の原因までわかります。
キューブリックは作品を通してそういう世界のことは知らない方が身のためだと警告しているとも取れますが、本音としては多くの人に知って欲しかったのでしょう。
ぜひこの映画を観てキューブリックが知ってほしかった知られざる世界への扉を開いてください。
鑑賞しましたが、おっぱいがたくさん出てくるので家族で楽しむ映画ではありません。かといってセクシー映画でも無いと思います。サスペンス映画・・・かな。でも、考えさせられるものでした。整理できていませんが、私の感じたことを書きます。
我々は世界を”主観”で観測しているだけ。一部分をある角度で眺め、遭遇した事象に自分で意味を与えているだけ。決して真実を明らかにしているわけではない。自分が知らなければ、それは存在しない。世の中には知られていないことがあり、自分ひとりでは決して確かめられないことがある。それに出会ったときにどうするか?選択を迫られる。仮面の女性は殺されたのか。麻薬のやりすぎで亡くなってしまったのか。どちらを信じるか。私は”どちらにすることも出来る”
「世の中を分かった気になるな。それはお前が自分に都合の良いように解釈しているだけだ」と言われている気がしました。エロは、一つの例ではないでしょうか。・・・衣装屋が金で変わるシーンと冒頭ダンスシーンの「騙し合い」という台詞が引っ掛かりました。また、館のシーンでは皆仮面を付けて目だけが見えている状態で、目で見て認識しているのに口では何も語らない、禁句・禁忌を連想しました。
非常にカチっとした画面が印象的でとても気に入りました。キューブリック監督は本作完成直後に心臓発作でお亡くなりになったそうです。私はインターネットの書き込みでそれを知りました。
オーウェルの1984年の台詞を書いておきたいです。
「ウィンストン、そいつは君が永久に知ることのできない問題だ。もし君を仕上げた後で君が自由の身になれたとしても、また君が九十歳まで生き存えられたとしても、その質問に対する回答が『イエス』か『ノー』かということは分るまい。君が生きている限り、それは君の頭の中に解けない謎として残るだろう」ブルーレイとして画質に不満はありませんでした。吹き替え音声・字幕ともに満足しました。
特に吹き替えの出来は良かったと思います。あの怪しげな赤の男の不気味な演技は素晴らしいと思います。
公開:2002年
監督:チェン・カイコー
キャスト:ヘザー・グラハム、ジョセフ・ファインズ
ストーリー
いつもの出勤途中の交差点で、立ち止まった男の熱い視線が、アリス(ヘザー・グラハム)の体を貫いた。ときめきと高揚感。アリスはそのとき、日常から非日常の異次元とでもいうべき世界の扉を開けた。アダム(ジョセフ・ファインズ)とのめくるめく快楽、そして愛。しかし暴力的な彼に溺れれば溺れるほど彼への謎は深まり、死の影がつきまといはじめるのだった・・・。
全体的に怪しい雰囲気があり、ハラハラドキドキな展開があり、個人的にはすごく気に入りました。
またこの作品はヘザー・グラハムの裸体に目がいきがちですが、相手役のジョセフ・ファインズもすごく良い体で良かったですよ!
特に背中からお尻のラインが本当に綺麗で、引き締まった小さなお尻はヨダレものです(笑)
エロティックサスペンス映画として十分面白いので、一度ご覧になることをオススメします。
この映画、前半の夫が自分を殺そうとしているのではないかと疑い出すところまでは、アルフレッド・ヒッチコック監督の「断崖」風でハラハラ、ドキドキなのですが、如何せん後半の脚本の出来が悪く、こんなの有り?という終わり方です。但し、この映画のヘザー・グラハムの魅力は凄い!中でもあの可愛い顔と細身にあの大きな胸のアンバランス!作品の出来としては悪いのに、妙に印象に残る映画です。
チェン・カイコー監督作品、と構えて鑑賞し始めます。
「おお、男と女のエロスにせまった、究極の愛の物語か・・」
と、思わせぶりな構成、プロット、演技、演出で始まります。
先に何かが起こる予感を、大いに臭わせつつ、お話はどんどんミステリアスな方向へ。「登山家アダムの過去にはいったい
どんな謎が?」と、ヒロイン、アリスと気持ちが一つになり、どんどんはまっていきます。・・・
全体としては、エロティックミステリーで、話もおもしろいし、構成も観客を魅了するに十分な出来映えになっています。
登場人物が極端に少ないにも関わらず、撮影のうまさ、濃厚な空間と時間をうまく演出し、飽きさせません。
さすが、名匠の作品だけのことはあります。
でも、本作品の本質は、やはり、ミステリーではなく、男と女の求め合う愛の形を描いた、そんな秀作だと感じました。
公開:2002年
監督:エイドリアン・ライン
キャスト:ダイアン・レイン、リチャード・ギア
ストーリー
エドワードとコニーは、ニューヨークの郊外で8歳の息子と暮らしていた。ある風の強い日、コニーは若く魅力的な男性ポールと印象的な出会いをする。その時から運命の歯車は狂いはじめた。情事という危険で甘美な道へと徐々にのめり込み、罪悪感を覚えながらもその誘惑に逆らえないコニー。妻の裏切りを知り、嫉妬と愛の狭間で苦しむ夫エドワード。そして、事態は思いがけない方向へと向かっていく・・・。
女性の不倫がテーマの作品なので、この作品は主婦の方に是非見ていただき、自分ならどうするかと考えていただきたい。夫をとるか、偶然出会った若い魅力的な男をとるか。
個人的意見を言えば、裏切られたリチャード・ギアが可愛そうだというのが本音。しかし、女性の何か日々の生活から抜け出したい欲望も理解はできる。だが、まがさしたと言えばそれまでかもしれないが、ばれなければ大丈夫とはいかない。悪いことはいずればれるのだ。
不倫は、する方に問題があるのは当たり前だが、される方にも問題があるのだということを忘れてはいけない。ただ、この作品の場合、妻は夫の何に不満があったのだろうか?ダイアン・レインの美しく官能的な演技と、家族のために働く夫を演じる堅気で珍しい役だが、好演のリチャード・ギア。そして、魅力的な男を演じるオリヴィエ・マルティネス。素晴らしい演技だったと思います。彼が、魅力あるように描けていないと、この作品は駄作になってしまうが、魅力ある男に描けています。ダイアンが、劇中でオリヴィエにはまるのも十分理解できます。
この作品は非常に暗く、さらに楽しめるものではないので、見る時はそういうものだということをお忘れなく。男性の方は、別な意味で楽しめますが…。
うぅ~ん・・・切ない!
夫婦の情愛と刹那の快楽、あなたなら、どちらを取りますか?
誰にでも起こりうる設定だけに胸に詰まされるストーリー展開です。
これまで傲慢な役が多かったリチャード・ギアの抑えた演技が光ります。
ダイアン・レインの色っぽさと演技力にも感嘆しました。
世の奥様方に是非、観て頂きたい映画です!
誰もが、ラストのシーンで”息を呑む刹那さ”を感じると思います。
「己の行動への責任」の重さを何よりも教えてくれる映画です。
夫婦愛、衝動的な遊び、そして裏切りに対する報い。
他人事ではなく、普遍的なテーマだと思いました。
ストーリーが進むに連れて、ダイアンの視点、リチャードの視点と両方の立場に立てるように構成されているので、「誰が悪い」という
安易な議論では終わりません。
人間は、完璧ではない。
だからこそ余計に己の行動を、自分で管理・反省しないといけないと痛感しました。