名門校の真面目教師と問題児。彼らの価値観の違いをほろ苦く見せる学園ドラマ
ストーリー:長年に渡って名門校、聖ベネティクト男子校で歴史学を教えていたウィリアム・ハンダート(ケヴィン・クライン)。彼は引退後の余生を送っていたある日、25年前の卒業生で今では大企業のトップとなったセジウィック・ベル(エミール・ハーシュ)から招待を受ける。それは、ベルが生徒の頃に苦杯をなめた同校の伝統行事“ジュリアス・シーザー・コンテスト”のリマッチを主催することによるものだった。ハンダートの中で、苦い思い出が鮮明に甦る。彼は確固とした信念で教鞭を執り、生徒たちから厚い信頼を受けていた。しかしハンダートに徹底的に反抗したのが、転校生のべルだった・・・。
出演:ケヴィン・クライン、エミール・ハーシュ、ジョエル・グレッチ、エンベス・デイヴィッツ、ロブ・モロー、エドワード・ハーマン、ハリス・ユーリン、ポール・ダノ、ジェシー・アイゼンバーグ、パトリック・デンプシー、ケイトリン・オヒーニー
★★★★★ ただハートフルなだけではない苦さもある作品
こんな先生にめぐり会えていたら人生変わったかもしれないと感じた。冒頭、新学期初日の教室で新入生たちの教科書を机に並べて準備しているシーンの空気感だけでこの主人公の先生の新入生を暖かい気持ちで迎えようとしている人柄が伝わってきます。この先生の指導は一人の生徒に対しては報われなかったかもしれないが多くの生徒にとっては実りのあるものだったとわかるいい終わり方でした。
★★★★☆ 人の生き方とはなにか
地味だがケビン・クラインがとても好きだ。丁寧でストイックそうな彼の演技は見ていてとても安心する。彼は「in and out」という映画でも教師役をやっているが、これはコメディであった。彼のコメディもとてもいいのだが、人間の価値と尊厳と生き方を描いた真面目一辺倒のこの映画でも、子どもたちに熱心な教育を施す一途な教師役がはまっていた。予想を裏切るラストというか、現実を否応なく見せられた感のある映画であったので、なんともすっきりさわやかな学園ドラマというわけじゃないので、そういうものを求めている人には向かないかもしれない。でも、「世間って本当に不条理であり、納得行かないことばかりなのだ」とか「そういう真っ当じゃない世の中で自分はどう生きてどう自分をそこに位置づけるか」ということを問いかけてきている気がする。それは生きるうえでとても大事なことだ。
作品の詳細
作品名:卒業の朝 |
原作名:The Emperor’s Club |
監督:マイケル・ホフマン |
脚本:ニール・トルキン |
公開:アメリカ 2002年11月22日 |
上映時間:109分 |
制作国:アメリカ |
製作費:1200万ドル |
興行収入:1600万ドル |
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