行き場を失ったホームレスたちと、図書館員の勇気ある行動が希望をたぐり寄せる感動作
ストーリー:米オハイオ州シンシナティの公共図書館で、実直な図書館員スチュアート(エミリオ・エステベス)が常連の利用者であるホームレスから思わぬことを告げられる。「今夜は帰らない。ここを占拠する」。大寒波の影響により路上で凍死者が続出しているのに、市の緊急シェルターが満杯で、行き場がないというのがその理由だった。約70人のホームレスの苦境を察したスチュアートは、3階に立てこもった彼らと行動を共にし、出入り口を封鎖する。それは“代わりの避難場所”を求める平和的なデモだったが、政治的なイメージアップをもくろむ検察官の偏った主張やメディアのセンセーショナルな報道によって、スチュアートは心に問題を抱えた“アブない容疑者”に仕立てられてしまう。やがて警察の機動隊が出動し、追いつめられたスチュアートとホームレスたちが決断した驚愕の行動とは・・・。
出演:エミリオ・エステベス、アレック・ボールドウィン、クリスチャン・スレーター、ジェフリー・ライト、ジェナ・マローン、テイラー・シリング、ジェイコブ・バルガス、ガブリエル・ユニオン、リチャード・T・ジョーンズ、スザンナ・トンプソン
★★★★☆ 人間の命を守る公(原題はPublic)という重いテーマの映画。
はじめは、主人公がもっと好感がもてる人物だったらいいのに・・・とか、図書館にたむろするホームレスを面白おかしく描いたようなところが嫌だな・・・とか、これはハズレの映画かなと思って観ていたが、いつの間にか、この公立図書館の立てこもり劇に引き込まれていた。ホームレスたちが集まってくる図書館の描写など、米国は格差社会で大変だな・・・などと他人事のようにみているところがあったのかもしれない。でも、観ているうちに、人間の命を守る公(原題はPublic)という重いテーマが、じわじわと伝わってきて、他人事じゃないぞ、自分だったらどうする?などと考えてしまった。図書館で働く人たちが内に秘めた仕事への誇り、本への愛みたいなものも、伝わってくる。スタインベックの「怒りの葡萄」を引用したころは、ホロッときた(感動した!)。ラストは、立てこもりもの映画にあるカタルシスみたいなものを感じることができて良かった。そしてユニーク!!面白い!!。監督、主演はエミリオ・エステベス。なんとなく主役としては小粒感があるのと、お父さんマーチン・シーンゆずりなのか(「地獄の逃避行」「地獄の黙示録」のイメージというか、瞳の輝きというか)、ちょっと暗い感じが気になった。でも良かったです。女性陣二人は、好感がもてていいが、アパートの管理人?の彼女がもっと話にからんできても良かったのではと思った。マスコミを巻き込んでというところは、昔観たコスタ・ガブラスの「マッドシティ」という映画が思い出した(雰囲気が・・・)。シンシナティの公立図書館にロケしているのかな?ラスト、図書館を映し出す映像は、この公立図書館への愛情が感じられる。悪役的なクリスチャン・スレイターが、なかなか良かった。刑事役のアレック・ボールドウィンも好演。刑事親子の関係は、よくわからないところがあるが・・・。それにしても冬のシンシナティって極寒なんですね。
作品の詳細
作品名:パブリック 図書館の奇跡 |
原作名:The Public |
監督:エミリオ・エステベス |
脚本:エミリオ・エステベス |
公開:アメリカ 2019年4月5日、日本 2020年7月17日 |
上映時間:119分 |
制作国:アメリカ |
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