美術館を舞台に、<毒とユーモア>で人間の本質に迫る、傑作社会派エンタテイメント!
ストーリー:クリスティアン(クレス・バング)は現代美術館のキュレーター。洗練されたファッションに身を包み、バツイチだが2人の愛すべき娘を持ち、そのキャリアは順風満帆のように見えた。彼は次の展覧会で「ザ・スクエア」という地面に正方形を描いた作品を展示すると発表する。その中では「すべての人が平等の権利を持ち、公平に扱われる」という「思いやりの聖域」をテーマにした参加型アートで、現代社会に蔓延るエゴイズムや貧富の格差に一石を投じる狙いがあった。ある日、携帯と財布を盗まれてしまったクリスティアンは、GPS機能を使って犯人の住むマンションを突き止めると、全戸に脅迫めいたビラを配って犯人を炙り出そうとする。その甲斐あって、数日経つと無事に盗まれた物は手元に戻ってきた。彼は深く安堵する。一方、やり手のPR会社は、お披露目間近の「ザ・スクエア」について、画期的なプロモーションを持ちかける。それは、作品のコンセプトと真逆のメッセージを流し、わざと炎上させて、情報を拡散させるという手法だった。その目論見は見事に成功するが、世間の怒りはクリスティアンの予想をはるかに超え、皮肉な事に「ザ・スクエア」は彼の社会的地位を脅かす存在となっていく・・・。
出演:クレス・バング、エリザベス・モス、ドミニク・ウェスト、テリー・ノタリー
★★★★★ 自分はまともな人間だと思っている方へ
普通の映画だと思って見ると、かなりの変化球に戸惑うかもしれません。私はあまりに心をかき乱されて、途中停止して休んだほど。頭にガツンと刺激を与えたい方にはおすすめ。平和な作品を見たい方はやめた方が無難。人は誰もが他人に親切にしたいし、他人から親切にされるべき対象だと思っている。でもその親切が相手に受け取られなかったり、自分が親切を受ける対象外だと知ると、気まずくなったり、頭にきて他人を激しく非難したりして、自分の正しさを主張する。私たちはあまりに身勝手で、人の欠点を非難しながらも、人から恩恵を求める。さらにはまだ足りない、自分の権利が侵されている、などと騒ぎ立てる。コントロールできない、理性のない人間を目の前にして私たちはどう行動するのか。思いやりを持って人間らしく振るまう? それとも叩き潰す?私たちは他人にまともな人間だと思ってもらうために親切をしているのだろうか?気になったあなたは見るべき。
★★★★☆ 思いやりの聖域なんてあるのか?
現代アートのスタイリッシュで無機質な映像を背景に、汚いニンゲンの本質が浮かび上がる。油断していると、突然、全力で後から頭をぶん殴られたような衝撃。鼻血。理性的な行動が、前提の世界に生きていると、知らず知らずのうちに、心がフニャーっと緩みきっているんだな。当たり前が通じないニンゲンは、本当に、本当に怖い。理性の通じない世界に、思いやりの聖域なんてあるのか?何を隠そう、自分もニンゲンでという事実に、押しつぶされそうになるけど、目を背けずに対峙しようと思う。来る時に、少しでもうまく立ち回れるように。
作品の詳細
作品名:ザ・スクエア 思いやりの聖域 |
原作名:The Square |
監督:リューベン・オストルンド |
脚本:リューベン・オストルンド |
公開:スウェーデン 2017年8月25日、日本 2018年4月28日 |
上映時間:151分 |
制作国:スウェーデン、ドイツ、フランス、デンマーク |
製作費:550万ドル |
興行収入:860万ドル |
Amazonで探す |
Amazonプライムで視聴する(字幕版) |
Amazonプライムで視聴する(吹替版) |
Amazonプライム30日間無料体験を試す |
楽天市場で探す |