平凡な保安官が単身、警官が支配する町の腐敗した実態に迫ってゆく
ストーリー:警察官が住民の大半を占めるニューヨーク近郊の町“コップランド”。そこでは、悪徳警官レイ(ハーヴェイ・カイテル)が町を牛耳っていた。ある日、レイの甥である警官ハビッチ(マイケル・ラパポート)が殉死するという事件が起こる。しかし、片耳が不自由なためにNY市警になれず、コップランドで雑務的な仕事を任されていた保安官フレディ(シルヴェスター・スタローン)が、ハビッチの姿を目撃。その殉死に疑問を持った彼は、真相を暴くために動き出す・・・。
出演:シルヴェスター・スタローン、レイ・リオッタ、ハーヴェイ・カイテル、ロバート・デ・ニーロ、マイケル・ラパポート、ピーター・バーグ、ロバート・パトリック、ジャニーン・ガラファロー、アナベラ・シオラ、キャシー・モリアーティ、メソッド・マン
★★★★★ 弱いスタローン
なぜかこの映画のタイトルを見るとショットガンを構えたシルベスター・スタローンの立姿が浮かんでくる。地上波の予告編が印象に残っているのだろうか。とにかくよく覚えている。と、いうことでバンバン銃を撃ちまくる映画かというとそういうわけではなく、いまいちウダツのあがらないスタローンが劇中のある事件によって少しずつ純粋な正義感を呼び起こし、やがて・・・という、いわば中年男の成長物語なのだ。序盤からダメ警官全開である。こういった描写が悲哀を感じさせると共に主人公へのとてつもない感情移入を容易にしてくれた。もちろん私もダメ人間だからだ。それでも主人公はかつて英雄的行為をしたことがある。「なぜ警察官になったのか」「『コップランド』と呼ばれるこの街にいる意味とは?」劇中主人公は何度も考えたはずだ。過去の自分の決心、現在の自分、目の前にある事件、主人公がその全てを受け入れている姿こそ、私の脳裏にこびりついている立姿だったのではなかろうか。そう、やはり「スタローン」はかっこよかったのだ!
★★★★☆ 肉体派対演技派
言うまでもないですが、スタローンとデ・ニーロの競演。この映画はこれに尽きます。1976年に、『ロッキー』、『タクシードライバー』という全くタイプの違う映画で大ブレイクした2人。同じイタリア系ながら、肉体派と演技派という水と油のような関係の二人が共演するのだから、まさに異色の映画です。意外にもこの映画でのスタローンは、役作りで体重を増やしたおかげか、優しさがにじみ出る、味のある演技をしています。デ・ニーロもそんなスタローンを立てるように、抑えた演技をしていて好感が持てます。脇役も、ハーベイ・カイテルやレイ・リオッタなど、個性派が顔を並べていて、作品を引き締めています。
作品の詳細
作品名:コップランド |
原作名:Cop Land |
監督:ジェームズ・マンゴールド |
脚本:ジェームズ・マンゴールド |
公開:アメリカ 1997年8月15日、日本 1998年2月14日 |
上映時間:104分 |
制作国:アメリカ |
製作費:1500万ドル |
興行収入:6300万ドル |
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