フランシス・フォード・コッポラ監督が、ベトナム戦争の惨事を戦死者の埋葬を司る部隊の視点から描いた異色の戦争ドラマ
ストーリー:ベトナム戦争が激化しつつある1968年、バージニア州のアーリントン国立墓地。ベトナム戦死者埋葬の儀式を司る第3歩兵隊のベテラン曹長ハザード(ジェームズ・カーン)は、かつてベトナムで活躍し勲章を受けた優秀な軍人。だが、その体験から、この戦争の意味について懐疑的な考えを持つようになっていた。一方、隊に配属された血気盛んな新兵ウィロー(D・B・スウィーニー)は、一日も早く最前線で戦うことを望んでいた。戦死したウィローの父がかつてハザードと親しい戦友だったこともあり、戦意満々のウィローをハザードは複雑な思いで見守る・・・。
出演:ジェームズ・カーン、アンジェリカ・ヒューストン、ジェームズ・アール・ジョーンズ、D・B・スウィーニー、メアリー・スチュアート・マスターソン、ディーン・ストックウェル、ディック・アンソニー・ウィリアムス、ロネット・マッキー、イライアス・コティーズ、ローレンス・フィッシュバーン
★★★★★ 石の庭
派手な企画ばかりが目立ち、ひところ大作を多く手がけてきた コッポラにしては、地味な印象の作品ですね。 なぜこのような作品を撮ろうとしたのでしょうか。戦死者を埋葬する歩兵隊をじっくり見るのははじめてで、非常に秩序正しく、行動の細部に至るまで洗練されていて、その儀式のようすがよくわかりました。派手な戦闘シーンはありませんが、違う側面から ベトナム戦争時のアメリカ国民の愛国心のあり方が わかったような気がします。
★★★★☆ カッコいいセレモニーの裏にあるものが作者の訴えたいもの
地味なストーリーだが、ベトナム戦争に対する反戦の思いが、従来のベトナム戦争映画とは異なる視点でうまく表現されている。アーリントン墓地の葬式を行う陸軍部隊の存在はこの作品で知った。単純に言えば、この部隊の本職であるセレモニーの様子はめちゃくちゃカッコいい。(こういうので軍隊に憧れる若者は多いだろう。)他方、戦死者をセレモニーで英雄にもちあげ、美化し、政府の戦争遂行を正当化し、国民を戦争の道具としてうまく活用していくやり方に対する批判が、この映画の訴えたい一番のことであると思った。数多くのベトナム戦争関連映画を観たことがあるが、その中の良作の一つと考える。
作品の詳細
作品名:友よ、風に抱かれて |
原作名:Gardens of Stone |
監督:フランシス・フォード・コッポラ |
脚本:ロナルド・バス |
公開:アメリカ 1987年5月8日、日本 1987年9月23日 |
上映時間:112分 |
制作国:アメリカ |
製作費:1300万ドル |
興行収入:520万ドル |
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