スリラー

青いドレスの女

『羊たちの沈黙』の監督・製作総指揮:ジョナサン・デミが贈るハードボイルド・ワールド

ハードボイルド小説のファンから絶大な支持を受けている、ベストセラー作家ウォルター・モズリイによる“イージー・ローリンズ・シリーズ”の待望の映画化

ストーリー:仕事をクビになり、次の職がなかなか見つからないイージーは、ある男からダフネという女性を捜し出すよう依頼される。胡散臭い物を感じながらも、目の前に積まれた現金の魅力に勝てず、仕事を引き受けてしまった。イージーの予感は的中し、最初の情報提供者は惨殺され、おまけに嫌疑までかけられてしまう・・・。

キャスト:デンゼル・ワシントン、トム・サイズモア、ジェニファー・ビールス、ドン・チードル、モーリー・チェイキン、テリー・キニー、リサ・ニコル・カールソン

視聴者の声【Amazonレビューより】

★★★★★  ハードボイルドだど

俳優としても活動していたカール・フランクリンがウォルター・モズリイの『ブルー・ドレスの女』を原作に得て、フランクリンがメガホンを取ったハードボイルド作品。脚色はフランクリン監督自身が担当。音楽は「荒野の七人」や「大脱走」などで知られる名匠エルマー・バーンスタイン。主演はデンゼル・ワシントン。共演はジェニファー・ビールス、トム・サイズモア、ドン・チードル。舞台となるのは1948年のロサンゼルス。まだ人種偏見が現代以上に色濃く残っていた時代。ロサンゼルス市長選挙に立候補中の大富豪カーターの愛人で、3万ドルの大金を持ち逃げしたダフネを捜すという仕事を引き受けた黒人労働者のエゼキエル・“イージー”・ロリンズ。彼はダフネの前の愛人である黒人ギャングから情報を得た後、警官に逮捕されてしまうが、かつてカーターと市長選で争った資産家テレルも接触してきた。やがてイージーの元に、ダフネ本人からの連絡が入る。青いドレスに身を包んだダフネの美しさに息を飲むイージー。だが彼女の頼みで同行した場所には死体が転がっていた・・・。ハードボイルドにはファム・ファタールが付き物だが、本作ではジェニファー・ビールスがファム・ファタールを演じている。これがなかなか良い。「悪女物」というジャンルがあるのかどうかわからないが、本作の他にもローレンス・カスダン監督のデビュー作である『白いドレスの女』(パクりじゃないよ?)やエド・ハリス主演の『チャイナ・ムーン』(ソフト版のタイトルは「魔性の女 白い肌に秘められた殺意」)などの作品が作られている。その中でも、デンゼル・ワシントンの名演も相まって、本作はそのジャンルでの代表作と呼べる作品となった。他のレビュアーの方も仰っておられる通り、シリーズ化されなかったのが残念でならない。

★★★★☆ 一気にファン

デンゼル・ワシントン、ドン・チードル・・・この映画で、一気にファンになってしまった。ストーリー上はなんとも滑稽なコンビだが、現実では、今や2人とも押しも押されぬ名優です。ドン・チードルはこの映画で知名度を上げましたが、2005年には、アカデミー主演男優賞ノミネートまで登りつめました。レトロな映画でストーリーはまぁまぁですが、ひきつけられる映画です。この2人、また共演しないのかぁ・・・。

★★★★☆  ハードボイルド好きにはたまらんす

いわゆるハードボイルドですが、主人公はじめ登場人物の多くが黒人で、それがよりアンダーグラウンドな独特な雰囲気をかもしていてとっても浸れます。ヒロインの悲劇性はかの傑作『チャイナタウン』にも通じますが、終わり方も余韻が非常に味わい深いです。主演のデンゼル・ワシントンはいつもどおりの安定した仕事ぶりですが、助演で際立って印象深いのがトム・サイズモアとドン・チードル。サイズモアのやくざ演技はビートたけしもまっつぁおですし、ドン・チードルのキレ気味の演技はかなり笑えます(怖いけど)。オーバーオールで、ハードボイルド好きな人なら絶対気に入るんじゃないかな。すくなくともぼくはかなり気に入ってます。

★★★★☆ 怠惰で格好いい時代の暗部

第二次大戦直後のロサンゼルスがこの映画の舞台。南部から移住してきたアフリカ系アメリカ人が苦境に耐え切れず去っていく、サバイバルな世界観があふれています。デンゼル・ワシントン扮するイージーの斜めにかぶった帽子のつばの折れ具合や、ドン・チードル扮するマウスのぴっちりダブルなど、まさにハードボイルド全盛のスタイル。格好いいですよ。イージーが事件に巻き込まれるある種間抜けさかげんがいっそう、哀愁を漂わせています。ジャズ・ブルースから抜け出たみたいに。音楽を聴いているだけでもブルースファンにはたまらない作品です。個人的には、マウスが原作通りぶっちぎりにガンマンなのが好きです。彼が酔っ払うシーンが最高。

作品の詳細

作品名:青いドレスの女
原作名:Devil in a Blue Dress
監督:カール・フランクリン
脚本:ウォルター・モズリイ『ブルー・ドレスの女
公開:アメリカ 1995年9月29日、日本 1996年2月10日
上映時間:102分
制作国:アメリカ
製作費:2700万ドル
興行収入:1600万ドル
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