ロンドンを舞台に、もう一人の自分に遭遇したヒロインの数奇な運命を描くサスペンス・ミステリー!
ストーリー:父の家で、家族や恋人とともに父の誕生日を祝っていたロンドンのX線技師ジーナ(リーナ・ヒーディ)。すると、大鏡が突然激しく割れ落ち、その場にいたジーナら5人は「鏡が割れると7年間不幸が続く」という迷信を笑いながら口にする事態となる。翌日、ジーナは自分と同じ車を運転する自分の姿を見かけ、その後をつけるが・・・。
出演:リーナ・ヒーディ、リチャード・ジェンキンス、メルヴィル・プポー、ミシェル・ダンカン、エイシャー・ニューマン、ウルリク・トムセン、ロボ・チャン
★★★★☆ 静けさ…
まず私がこの作品で良いと思った所は「静けさ」です。 大袈裟なBGMなど一切入っておらず、作品全体に静けさが漂っていました。 一家のだんらん(食事中)途中に部屋にある大きな鏡が突然割れるというのが、脅威の始まりなのですが、このシーンでは無駄な音楽演出が入ってない分、割れる前は楽しい感じだったのに割れた瞬間一気にシリアスかつリアルな空気に豹変し、私は思わず「お!すごい」と声を出してしまいました。この点からこの作品は「演出上手」な作品だと思いました。役者の演技も良かったのかもしれませんね、あとストーリー性も、悪くないです。
★★★☆☆ スタイリッシュで不条理
レナ・へディ(サラ・コナー・クロニクルズ)の為に作られたようなホラー・サスペンス。一人暮らしのヒロインの朝のシーン。ベッドから起き上がってブラウスを羽織る姿も、窓から差し込む冷たい逆光に浮かぶシルエットも、きちんと計算されたフレームの中にあり、また、時間の経過を表すかのように時折挿入されるロンドンの空撮も、すべてが美しく、かつグロテスクなものを内包しているかのように感じる。冒頭に引用されているポーの一節。これに答えがあるのかと思ったが、どうなのかな? 原典(ドッペルゲンガーの怪異をテーマにした)を読んだことがないのでなんとも云えないけれど・・・。大鏡が割れることによって何かが起こるということなのかも。でも、監督の頭の中にあるイメージを映像化したものに共鳴出来れば良し、そうでなければ置いてきぼりをくらってしまう類の作品のようだ。現に私は後者の方で、結局何が言いたかったのか判らずじまいで終わってしまった。特典として収録されている「日本滞在記」の中に何らかのヒントでもあるかと思ったが、時折流暢?な日本語を発する監督(雲丹の軍艦巻きが大好き)の不条理さを暗示するようなコメントがあった位。芸術作品で判りやすいものを軽視する傾向ってのは常にあるから、そういうことなのかなと思うが、商業映画としてはイマイチってところでしょうか。
作品の詳細
作品名:ブロークン |
原作名:The Broken |
監督:ショーン・エリス |
脚本:ショーン・エリス |
公開:2008年1月18日 |
上映時間:88分 |
制作国:イギリス、フランス |
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