もう一度、家族に帰ろう
世界が絶賛した、切なくも温かい家族の物語
ストーリー:暴力的な父親から虐待を受けて育った兄妹、ジョン(フィリップ・シーモア・ホフマン)とウェンディ(ローラ・リニー)。現在はニューヨークでそれぞれ自立した生活を送る二人だったが、ある日、父親が認知症と診断されたことにより、その環境は大きく変わる。否応無しに他人同然の父を引取ることになってしまう二人。独身貴族を気取りながらも誰よりも家族愛に飢えるジョン、不倫から抜け出せずだた歳を重ねることを嘆くウェンディ。図らずも再び集った家族が浮き彫りにするそれぞれの葛藤・・・。やがて父が最期を迎えるとき、二人が下した決断とは?
出演:ローラ・リニー、フィリップ・シーモア・ホフマン、フィリップ・ボスコ、ピーター・フリードマン、デヴィッド・ザヤス、ベンガ・アキナベ、ガイ・ボイド、デブラ・モンク、マーゴ・マーティンデイル、ローズマリー・マーフィ、カーラ・シーモア、ゾーイ・カザン
★★★★★ 自分と向き合う
突然、父の介護をすることになる兄妹の物語。そして、そのことにより、目を背け続けてきた問題に向き合わざるを得なくなる。妹ウェンディは戯曲を書いた。暴力的な父に捨てられ、うつ病の母に蒸発される兄妹という内容。それは自分自身の家族を描いた作品。兄妹に少なからず影響を与えたであろう父。その父が弱り、しかし、その言動にはかつての面影があるように思う。そのギャップを兄妹はどう感じているのだろう。兄妹の心の葛藤がいら立ちとなって表れる。自分と向き合うことは心に強い痛みを伴うが、そのことで人は成長するのだと感じた。
★★★☆☆ 日本的親子関係?
アメリカは日本と違って、親子であってもそれぞれが自立して一生を過ごすものだと思っていたが、それほど日本と変わらないのかもしれない。 暴力的な父親から離れ、それぞれ自立して生きていた兄妹が、認知症を患った高齢の父親の面倒を見なければならないことになる。兄妹は後ろめたさを感じながらも父親を老人ホームに入居させるのだが、意外なのが毎日のように兄妹が父親に会いに行くこと。日本ならば施設任せで、会いに行くのも年に1回か2回、ということも珍しくないはず(これは私だけの感覚?)。一方の父親も、それほど扱いにくいという感じではなく、自分の置かれている状況に文句を言うわけでもない。なるほど、作品のテーマは老人介護ではなく、父親という存在を再認識したときに改めて感じさせられる家族の絆や、兄妹それぞれの人生ということなのだろう。 中年の悲哀を感じさせる演技を見せたのは兄役のフィリップ・シーモア・ホフマンと、彼よりも年上なのに妹役のローラ・リニー。歳をとるのは寂しいことでもあるが、まんざら捨てたものではないのかも・・・という気持ちにさせられた。結局、親孝行な兄妹と子供思いの父親の物語だったような気がする。
作品の詳細
作品名:マイ・ライフ、マイ・ファミリー |
原作名:The Savages |
監督:タマラ・ジェンキンス |
脚本:タマラ・ジェンキンス |
公開:アメリカ 2007年11月28日、日本 劇場未公開 |
上映時間:113分 |
制作国:アメリカ |
製作費:900万ドル |
興行収入:1000万ドル |
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