相棒を失った男が背負った、報復という名の使命
ストーリー:1889年、アメリカ西部開拓時代。英雄としてみんなに慕われていたカウボーイのエディー(ピーター・フォンダ)。一方、長年の相棒レフティ(ビル・プルマン)はエディー以外の誰からも相手にされない変わり者だった。エディーはモンタナ州の次期上院議員に指名され、妻ローラ(キャシー・ベイカー)の反対をよそに自分の牧場をレフティに任せようとしていた。しかしある日、牧場でレフティの隣にいたエディーが馬泥棒に撃たれ死んでしまう。相棒を殺されたレフティは復讐のため犯人探しの旅に出るのだった。旧友の保安官トム(トミー・フラナガン)やモンタナ州知事ジミー(ジム・カヴィーゼル)の協力で犯人を追いつめていくレフティだったが、エディーの死には驚愕の真実が隠されていたのだった・・・。
出演:ビル・プルマン、ジム・カヴィーゼル、ピーター・フォンダ、キャシー・ベイカー、トミー・フラナガン、ジョー・アンダーソン、マイケル・スピアーズ、ディエゴ・ジョセフ、ジョセフ・アンダーソン
★★★★★ 今だからこそ読める本当の黒幕と西部の歴史
姿も見せずに法と秩序を武器化して民衆に襲い掛かかり、お互いに殺し合いをさせる狼達がいます。そんな狼達は宗教戦争から逃げ延びてアメリカ大陸へと逃げ延びた後を追い魔の手を伸ばして行くわけです。鉄道、エネルギー産業、鉄鋼、金融を牛耳り、盾突く者たちは皆消してきました。それに抗った”人々”のお話ですねこれは。ただの西部劇ではないです。邦題「ワイルド・ウエスト 復讐のバラード」は深い部分の内容を知ると見当違い。原題はTheThe Ballad of Lefty Brown、「レフティ・ブラウンの物語」。襲い掛かる狼達に一矢報いた人のお話なのです。
★★★★☆ カッコいい西部劇でありアメリカ腐敗の始まりのモデル
最初はドン臭くて活舌も悪く、ダメ男なレフティが最後にはとてつもなくカッコ良く見えるところが面白い。如何にも牧歌的な西部劇であり、ひとつの典型モデルではあるが破綻も嫌味もない佳作。清教徒革命の落ちこぼれ達が新大陸に押し寄せ、静かに平和に暮らしていたネイティヴアメリカンを皆殺しにして勝手に始めた開拓。彼らのルールのもとに国造りが進められた過程で、本作のような汚職、裏切りはいくつも生まれたことだろう。レフティはそれを跳ね返す強さを持っていたが一般の人間なら知事側に寝返っても不思議ではない。そうやって利権が利権を呼び、現在に至るわけだ。
作品の詳細
作品名:ワイルド・ウエスト 復讐のバラード |
原作名:The Ballad of Lefty Brown |
監督:ジャレッド・モシェ |
脚本:ジャレッド・モシェ |
公開:アメリカ 2017年12月15日、日本 劇場未公開 |
上映時間:111分 |
制作国:アメリカ |
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