ドラマ

ロスト・イン・トランスレーション

異国の地・東京で出会ったハリウッド男優とアメリカ人の人妻が、心を通わせていく中で次第に互いの孤独や疎外感を癒していく・・・

ストーリー:CM撮影のために東京にやってきたハリウッドの中年男優のボブ(ビル・マーレイ)。カメラマンの夫に同行して東京にやってきてホテルの部屋で過ごす若い妻シャーロット(スカーレット・ヨハンソン)。見知らぬ異国の街で出会った、年齢も性別も違う2人が夜の都市をさまよう・・・。

出演:ビル・マーレイ、スカーレット・ヨハンソン、ジョバンニ・リビシ、アンナ・ファリス、林文浩

視聴者の声【Amazonレビューより】

★★★★★ 大好きな映画

極めて近い存在であるはずの家族や恋人でも、自分と他者との間にはとても遠い距離がある。そんな孤独の中、異国の地で偶然出会ったボブとシャーロットが少しずつ互いの距離を埋めていく様子を、ソフィアコッポラは劇中で描きながら同時に、自分と観客との遠い遠い距離をも埋めていく才能のある人だと改めて思う。それは誰かを愛することと、とてもよく似ている。たぶん現在、確認できる限りVODにほとんど無かったので、これを機に購入。初めて観た時からもう10年以上経っているけど、ずっと心に残り続けている一本。気がつけば、この映画の東京の面影を、現実の東京の中で探している自分がいる。

★★★★★ 言葉が通じることと、思いが通じることは、別なこと

含蓄の深い作品です。「トランスレーション=意思疎通の喪失」というタイトルは、日米間の言葉が通じないことによるドタバタのことをテーマにしてはいません。むしろ二人の主人公とアメリカ人たちとの間の、言語が通じているのに、気持ちや想いがまるで伝わっていない・共有できていない「意思疎通の喪失」から来る孤独感・疎外感こそが作品のテーマとなっています。それを際立たせるために、全編に渡る主人公と様々な日本人との邂逅が、緻密な計算の元に配置されているわけですね。タイトルに込められた深浅2つのメッセージをきちんと読み取れるかどうかで、作品から受け止めるものの重さが変わってくる典型的な作品です。後半になるに従い、静ひつの中にこそ意思が通じ合っていく日本の情景(華道とか花嫁とか)をデフォルメしながらも挿入し、カラオケパーティーを筆頭に、言葉が通じなくともノンバーバルで主人公と日本人が意思疎通していく展開が重ねられていきます。むしろ批判的に描かれているのは、日本人のコミュニケーション手法ではなく、言葉ばかりを相手に投げかけるだけのアメリカ人の意思疎通力のほうですから、見間違わないように。孤独感の中で言葉も想いも通じ合っている主人公2人の関係は、男女の肉体関係を超えて、より深く、繊細に描かれています。大切なのは言葉が通じあっていることではなく、想いの共有ができているか、喜怒哀楽の共感ができているかということです。

★★★★☆ シンプル

この映画を何故日本で撮ったかと考えると、曖昧さや、叙情的な部分、主人公2人の微妙で繊細な心の揺れを表現するのが日本という情景がリンクするからではないかと思います。タイトルとか、評判を気にすることなく軽い気持ちで観た方がいいです。個人的な感想ですが、嘲笑とか卑屈な目線で撮ったとは思いませんでした。そういう意味で観る人を選ぶ映画なのかなと思いましたが、傑作とかそういう映画でもないと思います。いい意味で直線的な作品です。

作品の詳細

作品名:ロスト・イン・トランスレーション
原作名:Lost in Translation
監督:ソフィア・コッポラ
脚本:ソフィア・コッポラ
公開:アメリカ 2003年9月12日、日本 2004年4月17日
上映時間:102分
制作国:アメリカ
製作費:400万ドル
興行収入:1億1800万ドル
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