なぜ大財閥の御曹司は、オリンピックの金メダリストを殺したのか? アカデミー賞5部門ノミネート&カンヌ映画祭監督賞受賞の骨太サスペンス!
ストーリー:この世にも奇妙な実話は、1984年のロサンゼルス・オリンピックで金メダルに輝いたレスリング選手、マーク・シュルツ(チャニング・テイタム)に届いた突然のオファーから始まる。有名な大財閥デュポン家の御曹司ジョン・デュポン(スティーヴ・カレル)が、自ら率いるレスリング・チーム“フォックスキャッチャー”にマークを誘い、ソウル・オリンピックでの世界制覇をめざそうと持ちかけてきたのだ。その夢のような話に飛びついたマークは破格の年俸で契約を結び、デュポンがペンシルベニア州の広大な所有地に建造した最先端の施設でトレーニングを開始する。しかしデュポンの度重なる突飛な言動、マークの精神的な混乱がエスカレートするにつれ、ふたりの主従関係はじわじわと崩壊。ついにはマークの兄で、同じく金メダリストのデイヴを巻き込み、取り返しのつかない悲劇へと突き進んでいくのだった・・・。
出演:スティーヴ・カレル、チャニング・テイタム、マーク・ラファロ、ヴァネッサ・レッドグレイヴ、シエナ・ミラー、アンソニー・マイケル・ホール、ガイ・ボイド、ブレット・ライス、 サマラ・リー、ジャクソン・フレイザー
★★★★★ 地味な傑作
宇多丸が絶賛していたので気になって見たのですが、良かったです。この作品は、実話ベースの話としては理想的というか、ある種、模範のような作品と言えると思います。模範といっても、エンタメではなく純文学(最近の純文学はあれですが)としての完成度がとても高い。ではどういう所がいいかというと、はっきりとある人物のイメージが浮かんでくることだと思います。この作品だとジョン・デュポンの姿。この人物が金はあるが空虚な人物だというのが作品からにじみ出てくる。文学でも良い作品はキャラクターに存在感がある。それが一つの生きた人格として作品内を通行しているからです。一方で、エンタメ作品のデフォルメされたキャラクターは心地よいキャラクターですが、存在感はない。アイドルも同じです。結局、視聴者が幻想を委ねることができるのは実在感を欠いたハリボテでしかないのだと思います。一種の容器である必要がありますから。本当の人間はどこか濁っている部分を持っている。この監督は変わった人物をはっきりと作品内で表すのがうまいですね。うまいというより、それがこの監督の資質なのだと思います。ハリウッドでこんな生真面目で地味で良い作品があるとは驚きました。星5つです。
★★★★☆ カレルの眼
3人の心理戦というより、シュルツ兄弟が変わりもののジョン・デュポンに振りまわされていた。デュポンはただのパトロンではなく、余計なことに介入し、コーチまで引き受ける、精神的にもあやういオヤヂだ。カタストロフィーがいつ訪れるかジリジリ待ったけど、ずいぶん引っ張りましたね。でも、カレルの眼はだんだんそうなるんじゃなくて、最初からヤバかった。
作品の詳細
作品名:フォックスキャッチャー |
原作名:Foxcatcher |
監督:ベネット・ミラー |
脚本:E・マックス・フライ |
公開:アメリカ 2014年11月14日、日本 2015年2月14日 |
上映時間:135分 |
制作国:アメリカ |
製作費:2400万ドル |
興行収入:1900万ドル |
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