ドラマ

堕天使のパスポート

イギリスにおける移民たちの厳しい現実を背景に、苦境から脱出すべく危険な選択に望みをかけるトルコ人女性と彼女を見守るアフリカ人男性の運命を描いたサスペンス・ドラマ

ストーリー:ロンドン。ホテルで働く不法滞在中のトルコ人女性シェナイ(オドレイ・トトゥ)は、いつの日か従姉妹が暮らすニューヨークへ脱出して自由を手に入れることを夢見ていた。彼女の同居人オクウェ(キウェテル・イジョフォー)も不法滞在中のアフリカ人で、夜は同じホテルで働いている。そんなある日、オクウェはホテルの一室で行なわれたらしい違法取引の匂いを嗅ぎつける。さっそく支配人に知らせた彼だったが、支配人はまったく取り合おうとしない。しかし、不法滞在者である彼は自ら警察に通報することもできない。それどころか、彼はシェナイも巻き添えにして移民局から追われる身になってしまう。だが、例の取引が偽造パスポートの売買だと知ったシェナイは、危険を承知でホテルへ戻っていくが・・・。

出演:キウェテル・イジョフォー、オドレイ・トトゥ、セルジ・ロペス、ソフィー・オコネドー、ベネディクト・ウォン、デイモン・ヤンガー、ポール・バッタチャルジー、ダレル・デシルバ

視聴者の声【Amazonレビューより】

★★★★★ DIRTY PRETTY THING

『それでも夜が明ける』のキウェテル・イジョフォーが素晴らしい演技です。『アメリ』のオドレイ・トトゥも体当たりで難しい役を演じています。ロンドンのバルティックホテル、そこで起こる人間模様・・・。2002年作品で脚本はステーヴン・ナイト。監督は『グリフターズ』、『ハイフィデリティ』を撮ったステーヴン・フリアーズ。実際、このような人種差別、移民問題、臓器売買、不法滞在などごまんとあるでしょうが、とても観ていて辛くなりました。正面から捉えた名作です。

★★★★★ 愛していると言えないもどかしさ

良質の映画を観ると体が軽くなったような気がする。ラストシーンのオドレイ・トゥトゥの口の動きが筆舌に尽くしがたく、涙があふれてくる。多分自分の感情に素直に生きることが簡単に見えて、実は一番難しいことだと、そんなことを、感じさせる映画です。

★★★★☆ 他人の不幸でドキドキします

華やかな表社会を支える、理不尽で出口の見えない裏社会『アメリ』でメジャーになったオドレイ・トトゥが裏社会の住人を演じることで、その痛ましさが伝わってきます。といっても彼女『アメリ』以外の作品では、不幸役が多いけれども・・・。どこの国でも不法滞在者は、その国の人たちが目をそむけるような仕事、場所へ吹き溜まっていきます。毎日怯え、貧窮するくらし。映画で見れば、スリリングなサスペンスとなってしまうところが余計に哀しい。ラストには偶然的で一時的な救いが待っています。でもそれは真の救いではないです。

作品の詳細

作品名:堕天使のパスポート
原作名:Dirty Pretty Things
監督:スティーヴン・フリアーズ
脚本:スティーヴン・ナイト
公開:アメリカ 2002年12月13日、日本 2004年8月7日
上映時間:97分
制作国:イギリス
製作費:1000万ドル
興行収入:1300万ドル
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