犯罪に絡ませた心理描写が絶妙な刑事ドラマ
ストーリー:自分の信条を絶対に曲げず、犯罪者に対しても異様と思えるほど容赦がないマクラウド刑事(カーク・ダグラス)。彼が勤める21分署には、万引き犯や窃盗犯など、次々に犯罪者が連行されてくる。そんな中、マクラウドと妻の間に生まれた亀裂がやがて破滅的な結末へと向かう・・・。
出演:カーク・ダグラス、エリノア・パーカー、リー・グラント、ウィリアム・ベンディックス、キャシー・オドネル、バート・フリード、ジョージ・マクレディ、ジョセフ・ワイズマン、グラディス・ジョージ、フランク・フェイレン、ルイス・ヴァン・ルーテン、クレイグ・ヒル、ホレイス・マクマホン
★★★★★ ある刑事は、ある事実を知りました・・・
ある医師を摘発しようとする刑事の一日を描く。美しい妻を愛する一人の刑事の、幸福と破滅がたった一日の中で描かれ、その起伏のはげしさに揺さぶられ続けるストーリー。この刑事の葛藤する様にこちらの思いも締め付けられていく。もしも事実をずーっと知らずにいられたら・・・という思いがこの主人公への同情心から沸き起こる。しかし、この主人公の許容できない姿が、もどかしさと悲劇の精度を高め続けるのも事実。もしも自分なら・・・を揺さぶられ、痛みを伴う。この作品は、ストーリーのほとんどがある刑事部屋で描かれ続ける。わたしたちの日常からは特殊なその場所を、初犯で連れ込まれたリー・グラントさんの好奇心いっぱいな姿が愛敬たっぷりで楽しませてくれて同化できるし、その演出が素晴らしい。ワイラー監督の作品の多様さは愛すべきものであり、そこに含まれる厳しさも忘れたくない。この作品はその中でも悲劇度の高さがインパクトありな1本。
★★★★☆ スリリングな人間ドラマ
1951年米製作。原題は、Detective Story 邦題の『探偵物語』は適訳と思えず、「刑事」または「刑事物語」ではないかと思います。 ニューヨーク21分署の刑事たちの一日を描いたS.キングスレーの舞台劇をW.ワイラーが映画化したものです。刑事であるカーク・ダグラスとその妻エレノア・パーカーの夫婦関係が中心ですが、傍論として署内において、万引き女(リー・グラント)と強盗犯(ジョゼフ・ワイズマン)等をユーモアを交えて絡めています。彼らは、見事な演技をみせています。作品のテーマは不寛容で、カーク・ダグラスは、観客の感情移入を妨げるまでに「正義」に駆られた堅物男として描かれています。「不寛容」は第二次世界大戦のテーマでもあります。背景として「戦争体験」が、彼の心に影を落としていると思われます。エレノア・パーカーの美貌も見ものです。
作品の詳細
| 作品名:探偵物語 |
| 原作名:Detective Story |
| 監督:ウィリアム・ワイラー |
| 脚本:フィリップ・ヨーダン、ロバート・ワイラー |
| 公開:1951年11月6日 |
| 上映時間:103分 |
| 制作国:アメリカ |
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