欲望うずまく演劇界、1人の女優の成功劇をドラマティックに描いた傑作ドラマ!
ストーリー:満場の拍手喝采の中、スターの座を手にしたイヴ(アン・バクスター)。恩人である大女優を欺き、数々の策謀を巡らせてついに演劇界の頂点にのし上がった。しかし、そんな彼女を陰で見つめる少女たちがいた。まるで大女優を夢見ていた頃のイヴのように・・・。
出演:ベティ・デイヴィス、アン・バクスター、ジョージ・サンダース、ゲイリー・メリル、マリリン・モンロー、ヒュー・マーロウ、グレゴリー・ラトフ、ランディ・スチュアート、セレステ・ホルム、セルマ・リッター、バーバラ・ベイツ、クレイグ・ヒル
★★★★★ 斬新な構成、完成度の高さに目を瞠る。”ハリウッドもの”の傑作。
何といっても導入が素晴らしい。新鋭の女優が更なる高みを目指す、晴れの授賞式の場。誰しもが表面的には祝福の拍手を送る中で、苦々しい面持ちを隠さない人物が数名いる。果たして、彼らは列席する立場にありながら、どうして彼女へ好意ではなく、反感を向けるのだろうか。こうして、上映わずか数分で、視聴者は彼女の過去に好奇心がわき、物語に惹き込まれてしまうのだ。見どころは尽きない。イブの身の上話、マーゴのお付きのどこか冷ややかな眼差し、しだいに露わになるイヴの地金、それに気づいた周りの反応…そして、物語は現在に戻り、われわれは冒頭とは全く異なった心証で、授賞式を眺めることになる。最終盤、忍び込んだ”女優志望”が、ティアラを頭にして、合わせ鏡の前でポーズを取る場面は必見だ。冠に嵌められた宝石が、鏡に跳ね返ってきらめく映像は、白黒映画だからこそ、眩くうっとりとする。じつに、映画史に残る、優れた幕引きだと言ってよいだろう。同年公開の『サンセット大通り』と双璧をなす作品で、しばしば比較の対象となる。どちらも名作であり、優劣をつけることなど到底できない。強いて言えば、いかにも大作然として華やかな『サンセット大通り』に対して、本作は質実剛健の感がある。ぜひ、両作を見比べて、その完成度の高さを堪能してほしい。
★★★★★ ベティデイビスの演技が素晴らしい。
面白かったです。ストーリーも良く出来ていたし、会話が面白くて退屈しませんでした。私は映画を、子供のころから日常的に見ているのですが、恥ずかしながら、ベティデイビスの出演映画を見るのは初めてでした。演技が素晴らしいですね。今まで、役者の演技を見るとき、表情が主だった部分で、体の動きは不自然でなければ良いと思っていたのですが、この映画のベティが階段を駆け下りてくる場面でハッとして巻き戻し、何度か繰り返し見ていて気が付きました。良い俳優は、体の動きも印象的なんですね。ベティの動きは不自然でも大げさでも無いのに、何か惹きつけられる魅力があります。動きがとてもチャーミングなんですね。煙草を取り出して吸うだけでも、不思議と惹きつけられる動きをします。実際、映画を見ていても、若いイヴよりマーゴ(ベティ)の方が、歳を取っているのに魅力的に見えます。そして、いくら若くて美人でも、ベティの魅力を超えることは無いと感じさせます。この映画の対抗馬であり、この映画のせいで受賞をいくつか逃したと言われている「サンセット大通り」も見ています。こちらの映画もとても面白くて、お勧めなのですが、サンセット大通りの大女優は枯れた悲壮感を醸し出しているのに比べて、この映画のベティデイビスに悲壮感は無く、まだまだ現役で行けるという魅力を見せてくれています。残酷な場面も無いですし、皆にお勧めしたい映画です。
★★★★☆ マーゴの悩みは現代にも通じているのでは
見ているうちに、いい人っぽかったイヴがだんだん恐くなってくる・・・という映画です。個人的には、四十過ぎになっても第一線で女優やってるマーゴが好きです。「彼の好きな私は十年経ったらいなくなる、そしたら、どうなるの?」という問いかけは、今の女性にも通じる悩みだと思います。といっても、マーゴのような人はいくつになっても変わらない女王様でいられると、私なんかは思うんですけどね。時代を超える名作です。
作品の詳細
作品名:イヴの総て |
原作名:All about Eve |
監督:ジョセフ・L・マンキウィッツ |
脚本:ジョセフ・L・マンキウィッツ |
公開:アメリカ 1950年10月13日、日本 1951年9月21日 |
上映時間:138分 |
制作国:アメリカ |
製作費:140万ドル |
興行収入:840万ドル |
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