あれから4年 彼女は何を記憶していたか・・・
ストーリー:リーガン・マクニール(リンダ・ブレア)は宙を飛んでいる夢に怯えていた。彼女には見たこともない風景などの幻が見える。あの忌まわしい事件の記憶は全くなく、外見的にはごく普通の明るい16歳の娘に成長していたが、母親の計らいで精神分析療法には通っていた。メリン神父(マックス・フォン・シドー)の死の謎を調査するよう命じられたラモント神父(リチャード・バートン)は精神病理学者タスキン博士(ルイーズ・フレッチャー)と、4年前の悪魔祓いで何が起こったのか、そして現在のリーガンの深層心理に何が起きているのかを追求し始めた。そして彼らがいきついたのが古代アフリカの悪霊パズズとその象徴であるイナゴの大群だったとは・・・。
出演:リンダ・ブレア、リチャード・バートン、ルイーズ・フレッチャー、マックス・フォン・シドー、ジェームズ・アール・ジョーンズ、キティ・ウィン、ネッド・ビーティ、ベリンダ・ビーティ
★★★★★ 悪い蝗
いつも観客を異次元の世界に誘うジョン・ブアマン監督。大ヒットした「エクソシスト」の後を受けて続編 をつくるという立場を利用してやりたい放題してる感じ。映画としては前作よりも個性的で面白いと思います。登場人物たちがよく理解しているらしいことが見ているこちらにはよくわからないブアマンワールドでした。
★★★★☆ 正統と異端。
カトリックを背骨として構成された前作から一転、パート2は「THE HERETIC」という副題どおりに「カトリックの変質」というテーマが物語の中に潜んでいる。前作においての最大の謎である「なぜその少女に悪魔が取り憑いたのか?」という問題――『エクソシスト』正編ではそれに対してなんら答えは与えられず、ディレクターズカット版では些か形而上学的な回答しか提供されてはいないし、その回答も「誰でも良かった」という以上のものではない――への解が本作の主題であるのだが、その問いを追い求めて主人公であるラモント神父はアフリカ、エチオピア――モデルはおそらくアブナ・イェマタ教会あたりか――に飛び、そこで変質したカトリックと邂逅する。土俗宗教とカトリック、善と悪、科学と呪術、現実と幻想という二律背反が入り乱れ、事態は混迷を極める。しかし最後には「悪とは善の欠如である」というキリスト教の公式見解に対して、悪の存在を認めた上で「善は悪さえ魅了する」という至ってシンプルな答えへと到達する。確かに後者の答えの方がいわゆる「苦難の神義論」については正解であるような気がする。ところでこの映画は物語の進行とは関わりない至るところで「女性性」、より正確には「母なるもの」が暗示され強調されるのだが、これにはどういう意味が込められているのだろうか?
作品の詳細
作品名:エクソシスト2 |
原作名:Exorcist II: The Heretic |
監督:ジョン・ブアマン |
脚本:ウィリアム・グッドハート |
公開:アメリカ1977年6月17日、日本 1977年7月16日 |
上映時間:102分 |
制作国:アメリカ |
製作費:1400万ドル |
興行収入:3000万ドル |
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