独ロンメル将軍打倒に燃えた「砂漠の鼠」たち。その不屈の精神と熱き戦い!
ストーリー:1941年、スエズ運河を目指すドイツ軍ロンメルの戦車部隊は、北アフリカで唯一まだ占領していない町トブルクの攻略に全力を挙げる。同地のオーストラリア軍を指揮するために派遣されてきた英国人マクロバーツ(リチャード・バートン)は、昔の恩師バートレット(ロバート・ニュートン)と再会する一方、部下の兵士たちに厳しい態度を取り続けて、彼らとの間に溝ができてしまう。やがて戦闘中、仲間を守ろうと持ち場を離れた兵士を、マクロバーツは軍法会議に付そうとするが・・・。
出演:リチャード・バートン、ジェームズ・メイソン、ロバート・ニュートン、チップス・ラファティ、ロバート・ダグラス、トリン・サッチャー、チャールズ・ティングウェル、レオ・G・キャロル
★★★★☆ コンパクトにまとまった砂漠の戦争譚
技巧を尽くして、そのジャンルならではの効果を狙ったロバート・ワイズ監督作品。ワイズ監督と戦争映画とはあまり結びつきませんが、後に快作『砲艦サンパブロ』を撮りあげていますね。『砂漠の鼠』とは妙なタイトルですが、砂漠という過酷な場所でドイツ軍の精鋭部隊を相手にしたたかに戦った男たちが「砂漠の鼠」というわけです。この作品では、彼らの迅速でタフな活躍ぶりが見ものです。命を惜しまず迅速に奇襲攻撃をかけるなど、オーストラリア人兵士たちが戦場にて抜群の働きをします。率いるのはリチャード・バートン扮する厳格なイギリス人将校。このイギリス人将校のキャラクターがあまり深く掘り下げられていなく、曖昧なのか難点。厳格で厳しいいっぽうで、情に流される人物なのでよくわかりません。せっかく物語の中枢にいるのですから、もっと細やかな描き方がされていてもよかったのではないでしょうか。対するドイツ軍司令官のロンメル元帥は登場時間は少ないのですが自信に満ち溢れた知将という雰囲気をジェームズ・メイソンが巧みに表現しています。ヘンリー・ハサウェイ監督の『砂漠の鬼将軍』に引き続きロンメル元帥を演じているのですが、それに比べれるとさらに軍人らしくなっている印象を受けます。臆病な兵士に扮したロバート・ニュートンが好演。全体としては、編集も小気味よく、ワイズ監督得意のリアリズムに富んだ描写も迫力があり、コンパクトにまとまった、それなりに見応えのある戦争映画になっています。
作品の詳細
作品名:砂漠の鼠 |
原作名:The Desert Rats |
監督:ロバート・ワイズ |
脚本:リチャード・マーフィ |
公開:1953年5月20日 |
上映時間:88分 |
制作国:アメリカ |
興行収入: |
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