名匠アンソニー・マン監督が西部劇タッチで描いた戦争アクション映画
ストーリー:1950年の朝鮮戦線。北朝鮮軍に抗し切れず、米軍は釜山へ後退を続けていた。ナコトン河近くにいた、マーク・ベンスン(ロバート・ライアン)中尉指揮下の歩兵小隊も15哩南方の456高地に向って後退を開始したが、輸送車を爆破されて、兵隊達は武器を背負って進まなければならなかった・・・。
出演:ロバート・ライアン、アルド・レイ、ロバート・キース、ヴィク・モロー、ジェームズ・エドワーズ
★★★★☆ 絶望的な状況に置かれた男たち・・・
釜山橋頭堡へ追い詰められていた頃の設定なので、まだ米軍は兵力的に充実してなく日本から急遽派遣した部隊と一部の海兵隊を以って、ウォーカー・ラインを死守していたという状況です。実際にこの作品で描かれているような、小部隊による高地奪回劇があったかまでは知りませんが、全編に渡ってとても緊張感が漂っています。ベンソン中尉の率いる小隊は朝鮮人民軍の攻勢から難を逃れ、高地を目指して再び進軍を始めますが、そこに戦闘神経症に陥った大佐をジープに乗せた歴戦の勇士“モンタナ”軍曹が現れます。本国への帰還を強く要望する彼を何とか説得し、共に目的地を目指し進みますが・・・・。巧妙に草木で偽装した狙撃兵や集中的に狙ってくる砲撃、辺り一面に広がる地雷原、味方に変装した敵兵士など、いくつもの難関が待ち受け、兵員が一人また一人と戦死して行き、体力的にも精神的にも極限の状態に追い詰められます。 さらに、ベンソンとモンタナの確執により自軍も分裂の危機に迫られます。この作品において特に印象深いのは、やはりモンタナが上官のベンソンに反抗するところです。戦闘経験が豊富で多くの知識があるため、たとえ上の命令でも非合理的だと判断した場合は、どうしても不服に思い反発してしまうのでしょう。SPRでも途中でライベンがキレて任務を放棄しようとする描写がありますが、こうした行為はある意味で前線の真理を突いたものだと思います。冷静に全員をまとめる中尉と、反抗的だが頼もしく心強い軍曹の掛け合いが見ものです。
作品の詳細
作品名:最前線 |
原作名:Men in War |
監督:アンソニー・マン |
脚本:フィリップ・ヨーダン |
公開:1957年1月26日 |
上映時間:102分 |
制作国:アメリカ |
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