ドラマ

カジュアリティーズ

ベトナム戦争時、アメリカ軍において実際に起きた事件を映画化した作品

ストーリー:1966年、ベトナムの戦場で闘う米軍の兵士、ミザーブ軍曹(ショーン・ペン)の一小隊。ある晩楽しみにしていた外出許可を不意に取り消され、欲求不満を募らせたミザーブは、翌日の行軍中、農村でベトナム人少女を“お楽しみ用”に徴発しようと言い出し、新兵のエリクソン(マイケル・J・フォックス)は思わず耳を疑う。しかし実際に軍曹はひとりの少女を勝手に拉致して連れ回し、エリクソンの懸命の抗弁も空しく、彼女を部隊の仲間たちとともに集団暴行してしまい・・・。

出演:マイケル・J・フォックス、ショーン・ペン、ドン・ハーヴェイ、ジョン・C・ライリー、ジョン・レグイザモ、テュイ・テュー・リー、エリック・キング、ヴィング・レイムス

視聴者の声【Amazonレビューより】

★★★★★ とても胸糞が悪い話でした

小隊の隊員が起こした拉致強姦殺害と最低最悪の所業に対して目撃者である主人公を証拠隠滅の為に殺害しようとする様はまさに鬼畜。告発をしても復讐に怯えながら生活をしなければならないというのは、どの世界にも共通する恐怖であり非常に考えさせられる映画でした。

★★★★★ 戦争によって失うもの

この映画は戦争、軍隊、巨大な組織の影の部分をを強烈に映し出している。戦場において軍紀が乱れると軍隊がいかに邪悪なものになるか、私たちも想像しなくてはいけないだろう(現代日本にもその邪悪さが垣間見える事件がいくつもある)なぜ一つの戦争が何世代にもわたって因縁を残し、憎しみを増幅させていくのかをこの小隊の残虐な仕打ちは容易に説明してくれる。エリクソンが戦争で失ったものはベトナム人少女だけではなかったと思う。私たち平和な世界で生きる人々は本当の意味での「戦争の犠牲」を知らなければいけない。

★★★★★ 戦争映画だが、すべての組織に当てはまる傑作

この作品は確かに戦争ものではあるのですが、社会の縮図を描いた映画としても実に優れた作品です。お互いがいなければ仕事が達成できない環境において、仲間が非道の悪事を行ったとして、その行為を告発できるのか。極悪非道を行ったとしても証拠は全くなく、仲間は自分自身にはとても優しく、悪事をしたとはいえ、日常では悪人ではなく今後も間違いなく頼りになる。それどころか、その仲間には何度も命を救われた恩義すらある。もし正義を貫いて告発すれば、仲間からみれば裏切り。信頼を裏切ったと憎まれ、友情は壊れ、助かるシーンで助けてもらえず死ぬかも・・・直接的に殺される可能性もある。実のところ、軍隊だけではなく日本の企業においても、チームなしには一人では何一つ日常が回らない関係でこういったシーンが起きたとき、あなたはどうしますか?という問いかけでもある。コンプライアンスを守ると多くの企業はキレイな事を言っていますが、現実にコンプライアンスを守るということはこういうことなのだと、現実を鋭く描く。さすが、デ・パルマ監督はスゴイ。主人公エリクソン(マイケル・J・フォックス)は良心に耐えられなくなって仲間の悪事を上官に報告しますが、なんと上官は不祥事でわが身の立場が危うくなるのを恐れて事件をもみ消し、仲間にエリクソンが告発した事すらバラしてしまう。むしろ、エリクソンの方が、なんでこんな厄介ごとをさらすんだ、悪いのはお前だ、ぐらいに上官に言われてしまう。組織全体から仲間を売りやがってこの裏切り者!責め立てられる。正しいことを言うだけで、心、仲間、立場・・・とてつもなく大きなものを失う。日本では特に有名な内部告発事件、「ミートホープ」や「オリンパス」の事件でも、この作品と同じように悪事を暴こうとした内部告発者が、面倒な事から責任逃れをしようとした保健所の悪徳役人に相手にされなかったり、不正を隠蔽しようとした会社そのものに報復的人事を受けたという事実があり、この作品の描き方は非常に現実感があります。この映画では主人公はラスト、素晴らしい方に出会えることで救われます。組織には確かに腐りきった人間もいるが、ちゃんとした人間もいたために救われるのです。平和な日本でさえこんなことが行われているのだから、ベトナムの戦地において米軍のソンミ村事件や韓国軍による大量虐殺など十分ありえた話と思う。そして、実際には多くが非公開になっているのも現実です。そのせいで本当は国民の命を守るという大事な仕事を行うはずの、軍の信用も現在では地に落ちてしまっています。『プラトーン』『ホワイトバッジ』などの派手な反戦映画とは違いますが、むしろ多くの経営者やコンプライアンス担当部署の方々に観てほしい作品だと思います。

★★★★☆ 重い

みなさんの言う通り重い映画です。でも今はわからないにしても昔の戦争ではこんなの日常茶飯事だったんじゃないかと思う。登場人物のディアスの気持ちも凄くわかる。イジメは良くないとわかっていながらも自分に矛先が向くのが怖いからいっしょにイジメてしまう。話変わるがショーン・ペンはかっこいい。めちゃ若いからいやらしい感じだし嫌な役だけどかっこいい。見た後に沈黙になる感じの映画ですが、たまにはいいですね。

★★★★☆ 戦争の現実

多分、歴史の中で起こった数多の戦争の中でこんなことがあったのではないかと思う。処分された4人がすなわち「悪」なのかといえば、そうとも思えない。ベトナム戦争を描いた多くの作品にその「地獄絵図」の模様は描かれているし、その現実の中で、こうした人間の狂気が生まれてくることは否定できないし、その狂気自体を責めるつもりにもなれない。大事なことはその過ちを繰り返さないことで、その狂気を責めることではない。人間の理性は未来に向かうべきであり、過去に向かっても何の意味も持たないはずだ。マイケルJフォックス演じる主人公の悪夢は多分、そう簡単には払拭されないと思う。それこそが、戦争の恐ろしさであり、だからこそ、それをしないことを人類は学ばなければならないはず。

作品の詳細

作品名:カジュアリティーズ
原作名:Casualties of War
監督:ブライアン・デ・パルマ
脚本:デヴィッド・リーブ
公開:アメリカ 1989年8月18日、日本 1990年2月10日
上映時間:113分
制作国:アメリカ
製作費:2200万ドル
興行収入:1800万ドル
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