16世紀フランドル絵画の巨匠として、「バベルの塔」「雪中の狩人」や寓話的な版画で人気の高いピーテル・ブリューゲルの名画「十字架を担うキリスト」の世界を旅する体感型アート・ムービー!
ストーリー:16世紀フランドルの夜が明け、農村の一日が始まる。若夫婦は仔牛を売りに出かけ、岩山の風車守りの家族は風車を回し小麦を挽く。のどかな村の様子とはうらはらに、支配者は異端者を無惨に迫害していた。アートコレクターのヨンゲリンク(マイケル・ヨーク)は画家ブリューゲル(ルトガー・ハウアー)にこのあり様を表現できるかと問いかける。それに応えブリューゲルが風車の回転をとめると、すべての光景がぴたりと動きを止めた。すると、フランドルの風景の中にキリストや聖母マリアらが過去から舞い戻り、聖書の「十字架を担うキリスト」の物語が始まった・・・。
出演:ルトガー・ハウアー、マイケル・ヨーク、シャーロット・ランプリング
★★★★☆ 描くのは人間
ブリューゲルの絵が大好きなので、軽い気持ちで観ましたが思ったより良かったです。予想したのは、ブリューゲルの絵を単に模倣しただけの中身のない映画でしたが、実際に観てみるとこの映画が目指すところが寧ろブリューゲルの描きたかったものでもある「人間の営み」であるのに気付きます。当時のフランドル地方の人々の生活が分かります。見た目が美しいけどセリフもほとんどなく中身の無い作品、というわけではありません。かなり計算されたカメラワークやカット割りや照明で美しいです。背景(遠景)のほとんどがブリューゲルの絵、もしくはブリューゲルっぽい絵になっているのですが、撮影はどうやったんでしょう?案外多くをスタジオ撮影にしていたりして。途中いい感じにCGや特撮を使っていて効果的です。ただ、全体的にかなり緊張感のある作りであるにも拘らず、ちょくちょく、人物のクローズアップが描かれる事があって、全部ではありませんがその多くは説明的で不要な気がしたのは少し残念です。その瞬間だけ普通のドラマ映画みたいでした。内容的にも、途中ブリューゲルが時を止めるシーンなどは説明的な感じがしました。
作品の詳細
作品名:ブリューゲルの動く絵 |
原作名:The Mill and the Cross |
監督:レフ・マイェフスキ |
脚本:マイケル・フランシス・ギブソン |
公開:ポーランド 2011年3月18日、日本 2011年12月17日 |
上映時間:96分 |
制作国:ポーランド、スウェーデン |
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