ドラマ

人生は、時々晴れ

決まりきった日常に埋没し疎外感を抱えていた一家が、再び絆を取り戻すさまを丹念に描く

ストーリー:タクシー運転手フィル(ティモシー・スポール)の家庭は、スーパーで働く妻ペニー(レスリー・マンヴィル)と、ふたりの子供たちの4人家族。集合住宅に住み、で平凡でつましい毎日を送っている。フィルと妻のベニーは、結婚生活が長い。その妻とは最近、距離を感じることが多くなった。今では家族4人が心から語り合いを持つ時間や、優しく笑い合うこともなくなってしまった。また、同じ住宅に住むタクシー会社のフィルの同僚ロンには、アルコール中毒の妻がいる。ペニーの同僚モーリンには未婚の娘ドナいる。そして彼女はは妊娠していて、それにモーリンは気づく。それぞれの家族にはそれぞれの事情があり、皆家族と一緒にいても孤独感をぬぐえないでいた・・・。

出演:ティモシー・スポール、レスリー・マンヴィル、アリソン・ガーランド、ジェームズ・コーデン、ルース・シーン、ヘレン・コーカー、ポール・ジェッソン、マリオン・ベイリー、サリー・ホーキンス、ダニエル・メイズ

視聴者の声【Amazonレビューより】

★★★★★ グランジ級のダウナー感

2002年。マイク・リー監督作品。タクシードライバーの男の家族をメインに、その同僚や近所の家族などを含めた群像劇。破綻した家族、もしくは破綻していく家族を描いた作品は、『イカとクジラ』や『キッズ・オールライト』など名作が多くが、この作品はそれらとくらべてかなりダウナー。笑いやスタイリッシュさがまったくないので、ある意味かなり地味な作品なのだが、それがまた深く、深く心に刺さった。貧しくて愚かで、うだつの上がらなさがすごすぎる人々の日常。かなり問題のある人々。人生の虚しさとか、無意味さが濃霧のように漂っている。僕はこういう重いドラマが好きなのだが、それは現実が自分にとってはこのくらいヘヴィーなものだから。ラストまでひたすらダウナーなのだが、ラストの展開にかなりやられてしまった。久しぶりに沢山泣きました。登場人物たちの未来に、少しでも光が射す事を願わずにはいられない。マイク・リー監督の作品はこれが初めてだったので、他の作品も観てみたいです。

★★★★☆ 生活って

これはあちらのお話だから・・・そういう風にこの映画を捉えられる人は幸せだと思う。「生活に疲れる」という事が、どういう事なのかを描いた秀作。「貧困が問題じゃないんじゃないの?」「知性があれば」「愛があれば」・・・そんな風に思える人も又幸せだろう。決して、見て「心地の良い」映画ではない。でも、1年に1本位は、こういう映画を人は見るべきだ。生活に疲れるという事は、「言葉を失う」という事。言葉を失った肉体は、動物のように存在するという事。「自尊心」は「生活」の中で、どう消費されていくのか。それを見る為だけにでも、見てください。一見ハッピーエンドのように見えて、実は全く救いのない未来(長女の表情に注目)、半開きの主人公の口元にも、注目。

作品の詳細

作品名:人生は、時々晴れ
原作名:All or Nothing
監督:マイク・リー
脚本:マイク・リー
公開:イギリス 2002年10月18日、日本 2003年6月21日
上映時間:128分
制作国:イギリス
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