死刑制度の不当性を訴える小説家を描き、観る者の興味をそそるフィルム・ノワール
ストーリー:作家のトム(ダナ・アンドリュース)と新聞社の社長スペンサー(シドニー・ブラックマー)は、死刑廃止キャンペーンを通じて知り合り意気投合する。スペンサーはダンサーのパティ・グレイ絞殺事件を利用し、トムに偽者の殺人犯を演じさせ、彼が死刑宣告を受けたときに真相を明かすという危険な計画を立てる。これで死刑制度の危険性を摘発しようというのだ。その時トムはスペンサーの実娘スーザン(ジョーン・フォンテイン)と婚約していたが、死刑制度に対する対抗心からこれを承諾し、様々な偽装工作を経てトムは逮捕される。裁判で死刑確実と思われた矢先になんとスペンサーが交通事故で死んでしまう。トムの無罪を証明する書類も紛失してしまう。窮地に立たされたトムは、父の後を継ぎ、新聞社のオーナーとなったスーザンの助けを借りて、彼を救うキャンペーンを打ってもらい、やがてスペンサーが万一のために用意していた無罪を証明する書類も見つかり、ようやくトムは恩赦を受け命拾いした。だが、事件は意外な真相が隠されていた・・・。
出演:ダナ・アンドリュース、ジョーン・フォンテイン、シドニー・ブラックマー、アーサー・フランツ、フィリップ・ボーヌフ、エド・ビンズ、シェパード・ストラドウィック、ロビン・レイモンド、バーバラ・ニコルズ
★★★★☆ 元祖『ライフ・オブ・デビッド・ゲイル』
死刑制度のを問う映画作品はいくつかあります。本作は真正面から死刑制度の恐怖を描いています。つまり、実際には罪を犯していないのに、様々な犯罪を犯したと思わせる証拠を準備するだけで、現在の裁判制度では死刑を宣告されることがあり得るという恐怖です。このフリッツ・ラング作品は多少ご都合主義的にまとまるという点で『ライフ・オブ・デビッド・ゲイル』とは異なりますが、それでも死刑制度を啓発した点では見るべき1本のうちに入ると思います。
作品の詳細
作品名:条理ある疑いの彼方に |
原作名:Beyond a Reasonable Doubt |
監督:フリッツ・ラング |
脚本:ダグラス・モロー |
公開:アメリカ 1956年9月13日 |
上映時間:80分 |
制作国:アメリカ |
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