ジェイムズ・ジョイスの初期短編を、ジョン・ヒューストン監督が映画化
ストーリー:1904年のクリスマスを迎えたダブリン。叔母姉妹が開いた毎年恒例の舞踏会に中年夫妻ガブリエル(ドナルド・マッキャン )とグレタ(アンジェリカ・ヒューストン)が現われる。なごやかなムードの中続けられた宴は、やがて終わりの時を迎え帰り際にグレタが聞いた“オーリムの乙女”。宿泊先のホテルでガブリエルはその歌にまつわる妻グレタの若き日の恋人との悲しい思い出を知ることになる・・・。
出演:アンジェリカ・ヒューストン、ドナルド・マッキャン 、レイチェル・ダウリング、キャスリーン・ディレーニー、ダン・オハーリー、ヘレナ・キャロル、マリー・キーン、ドナル・ドネリー
★★★★★ あまりに地味な作品だが私の中ではベスト1、2を争う。
年配の三人姉妹の館に年の暮れに知人が集い恒例のパーティを開くというただそれだけのお話で、特に大きな出来事もなくパーティーは終わり皆それぞれ帰途に着くのであるが・・・題名が、死である。その真理をこのささやかなお話で詳らかに、そして、深い余韻を残す。確かジョンヒューストン監督の遺作である。立派の一言である!
★★★★☆ 必見の遺作
かの名匠J・ヒューストン監督の遺作とのことだが、その題材といい内容といい、異色の小品ではあるが、重厚な作品である。舞台劇のように限定された空間の中、様々な人物たちが集い、そして会話を交わす。それは決してことさらドラマティックな展開ではないが、映画の進行とともにそれぞれの人々の喜びや悲しみ、苦悩といった人生そのものが明らかになっていく。そしてその背景となるのが夜の闇と降りしきる雪である。数々の骨太なドラマで私たちを魅了してきた監督のこれは辞世の句であり、映画好きの人々への遺言ともいえよう。必見である。
作品の詳細
作品名:ザ・デッド ダブリン市民より |
原作名:The Dead |
監督:ジョン・ヒューストン |
脚本:トニー・ヒューストン |
公開:イギリス 1987年12月11日、日本 1988年9月3日 |
上映時間:83分 |
制作国:アメリカ、イギリス、西ドイツ |
製作費:350万ドル |
興行収入:430万ドル |
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