これは世界にあてた私の手紙です
生前わずか10篇の詩を発表し、無名のまま生涯を終えた、エミリ・ディキンスンだが没後に発見された1800篇近い作品により“アメリカ文学史上の奇跡”と讃えられる孤独な生活を送り亡くなった彼女の人生とは?そして、彼女の詩に込められた信念とは?
ストーリー:19世紀半ばのマサチューセッツ州。家族と離れ、女子専門学校に通っていたエミリ・ディキンスン(シンシア・ニクソン)は、学校での福音主義的な教育に疑問を持ち、周りからも孤立していた。そんなある日、家族がエミリを迎えにやってくる。弁護士の父は、彼女を家に連れ帰り、兄オースティン、妹ラヴィニア(ジェニファー・イーリー)と過ごさせる事にしたのだ。生家で過ごす静寂の時間の中で、ひたすらに詩を綴るエミリ。そしてその詩は、父の口添えもあり、地元新聞に初めて掲載される。だが喜ぶエミリに対し、編集長は「有名な文学は男の作品で、女には不朽の名作は書けない。」と皮肉を返すのだった。やがて時は過ぎ、花嫁を連れて帰ってきた兄夫婦に息子が生まれ、ディキンスン家は幸せに包まれていた。しかしそんな中、南北戦争勃発により、世界が変わり出した事で、エミリの心境にも変化が現れ始め・・・。
出演:シンシア・ニクソン、エマ・ベル、ジェニファー・イーリー、ローズ・ウィリアムズ、ダンカン・ダフ、ジョアンナ・ベーコン、キース・キャラダイン、ジョディ・メイ、ヴェローナ・ヴェルバケル、アネット・バッドランド
★★★★☆ 詩人の魂
美しい風景や衣装で優雅な気分に浸れるものと期待して観ましたが丁々発止の会話に緊張の2時間でした。エミリーディキンスンは内気な詩人というイメージだったので意外でした。会話はまだなんとかついていけましたがキリスト教の教義や彼女の詩の部分では抽象的でわかりにくいところがかなりありました。字数に制限のある映画字幕での日本語訳ではしょうがないかもしれませんが。でも一番インパクトがあったのは宗教の厳しさです。人々を救うというより戒め裁き縛りつけるもののようで息が詰まりそうでした。加えて男尊女卑。もしかして裕福で厳格な階級でなければ彼女ももっと自由に詩作ができたのかも、と思いました。
作品の詳細
作品名:静かなる情熱 エミリ・ディキンスン |
原作名:A Quiet Passion |
監督:テレンス・デイヴィス |
脚本:テレンス・デイヴィス |
公開:イギリス 2017年4月7日 |
上映時間:125分 |
制作国:イギリス |
製作費:730万ドル |
興行収入:410万ドル |
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