極めて邪悪、衝撃的に凶悪で卑劣、IQ160の頭脳と美しい容姿を持ち、シリアル・キラーの語源となった男。彼に殺されなかった、たった一人の女だけが知る衝撃の真実が、今明かされる!
ストーリー:1969年、ワシントン州シアトル。テッド・バンディ(ザック・エフロン)とシングルマザーののリズ(リリー・コリンズ)とは、あるバーで恋に落ちる。素晴らしい出逢いの一日から始まり、デッド、リズと彼女の幼い娘モリーの三人は、幸福を絵に描いたような家庭生活を築いていく。しかしその運命は一変。テッドが信号無視で警官に止められた際、車の後部座席に積んでいた道具袋を疑われて逮捕されてしまう。マレーで起きた誘拐未遂事件の容疑だった。またその前年にも女性の誘拐事件が起きており、キング郡警察の発表によると、目撃された犯人らしき男の車はテッドの愛車と同じフォルクスワーゲン。新聞に公表された似顔絵は、テッドの顔によく似ていた。突然の事態に混乱するリズ。テッドはすべてまったくの誤解だと説明するが、次第に、いくつもの事件の真相が明らかになっていき・・・。
出演:ザック・エフロン、リリー・コリンズ、カヤ・スコデラリオ、ジョン・マルコヴィッチ、ジェフリー・ドノヴァン、アンジェラ・サラフィアン、ディラン・ベイカー、ブライアン・ジェラティ、ジム・パーソンズ、ハーレイ・ジョエル・オスメント、テリー・キニー、ジェームズ・ヘットフィールド
★★★★☆ 最初のシリアル・キラー
何度か映画化されているシリアル・キラーの語源ともなったテッド・バンディだが、本作は犯行シーンがラストまで全く映されることなく進行するため、バンディは本当に無実なのではと思わせる演出が見事であった。リズがなぜあんなにも追い詰められてしまったのか、なぜバンディを忘れることが出来なかったのか、その辺りの心理描写も含め、ラストのバンディの告白は衝撃的であった。しかしなぜバンディはシリアル・キラーとなってしまったのか、また本編では描かれることはなかったが殺した遺体が腐敗し始めてからも何度も暴行を繰り返したり、切断した首を自身のアパートに保管していたり、なぜそんな人間になってしまったのか、心情の変化を少しでも描いて欲しかったと思う。
★★★☆☆ ちょっと残念
ザック・エフロンの役作りが、テッド・バンディ本人の雰囲気をよく出していて、とても期待を込めて観た。史実では、バンディ自身が語る殺人の詳細はどこまで事実か判断がつかず(相手によって言っていることが異なるため)、状況証拠のみで死刑が執行された。本作では、バンディと肉体関係を持ったにも関わらず、殺されなかったエリザベスとアンのうち、エリザベスの視点から物語が進む。劇中のエフロン演じるバンディの振る舞いが、エンドクレジットとともに映し出される当時の本人映像に忠実なことが確認できることからも、内容としてはノンフィクションに近いのではないか。しかしながら、ノンフィクションに寄ったが故に、証明されていないことは描かなかったようだ。その為、警察がバンディを殺人犯と特定した理由がよく分からないし、描かれていない。犯人の似顔絵に似ている、という通報のみを逮捕根拠にしている(実際のバンディは、外見の雰囲気がコロコロと変わり写真ごとに印象が違ったらしい)。また、女性を騙し犯行に及ぶ状況をどう作ったかや、殺人の手口についても詳細には描いていない。結局、本作ではバンディの内面には迫っておらず、テッド・バンディ、と言いながら彼は重要な脇役に置かれ、主体はエリザベスになっている。ひっそりと身を隠して生きてきた「殺されなかった数少ない女性」の独白を、どこまで真実だと思えるか?死してなお、テッド・バンディと名のつく事柄は、事実を白日のもとに晒さない。
作品の詳細
作品名:テッド・バンディ |
原作名:Extremely Wicked, Shockingly Evil and Vile |
監督:ジョー・バーリンジャー |
脚本:マイケル・ワーウィー |
公開:アメリカ 2019年5月3日、日本 2019年12月20日 |
上映時間:109分 |
制作国:アメリカ |
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