男同士の友情を描く、70年代を代表するロードムービーの傑作!
ストーリー:刑期を終えて出所したマックス(ジーン・ハックマン)には、故郷のピッツバーグで洗車業を始める夢がある。一方、元船員のライオン(アル・パチーノ)は 5年前に妊娠中の妻を残して出たデトロイトに戻る途中であった。二人はカリフォルニアの乾いたハイウェイで出会い、奇妙な旅が始まった。だがそれはまた、社会から落ちこぼれた男たちの友情の始まりでもあっ・・・。
出演:ジーン・ハックマン、アル・パチーノ、ドロシー・トリスタン、アン・ウェッジワース、リチャード・リンチ、アイリーン・ブレナン、ペネロープ・アレン、リチャード・ハックマン、フランク・シャルティエ
★★★★★ アメリカン・ニューシネマのロードムービー
アメリカ映画が自由に目覚め、タブーも扱うようになった時代のロードムービー。刑期を終えた元囚人が、船乗りを辞めた若者と出会って、洗車ビジネスを立ち上げる夢を見ながら旅する。人生の出会いと刹那さと、当時のアメリカ社会の雰囲気がプンプン伝わるアメリカ映画ファン必見の名作。
★★★★★ 究極の演技力
何回見たことか。計算された絶妙な構図取りの、洗練されたカメラワークがまず素晴らしい。そして、それ以上に俳優の演技力。私は役者をしているわけではないが、「演技とはどうあるべきか?」を確認したいとき、この映画を見る。そしてその完璧さにいつも驚嘆する。
★★★★☆ 男はこんなキッカケで充分なのだ
どんな映画を観てもひとつやふたつは強く印象に残るシーンがある。『スケアクロウ』では絶対に二人の出会いの場面だ。くわえた煙草につける火を持たないジーン・ハックマンは、人と交わることを好まない。一方、人恋しさで何とか話かけようとして、道路の向かい側でマッチを見せるアル・パチーノ。最後の一本のマッチをする時、コートで風を防ぐために寄り添う二人の男・・・フワリと煙草の煙が流れる。これが男の友情の始まり。ヘビーデュウティーがもてはやされ始め、誰も彼もZIPPOのライターを使っていた頃、僕はこの映画を観てからポケットにマッチをしのばすようになった。
★★☆☆☆ 暗いエンディング
個人的感想になってしまうのですが、微妙でした。マックスとライオン、二人の友情は本物でした。であれば、だからこそ、もう少しラストを明るくして欲しかった。終盤、マックスの元から去ろうとするライオンは、マックスが「案山子になる」事で思い止まりましたが、それを冷めた表情で見守るシーンが挿入されている事から、自分が人を笑わせる事を教えたのに、今の自分にはそれが出来ない、そして教えられた方はそれが出来ているという事に対しひがみ、嫉妬しているような印象を感じました。それまでのマックスとライオンの友情に亀裂が入り、双方向だった友情が、マックスからライオンへの一方的な友情に変わってしまったように思わせられるストーリーです。後味は良くありませんでした。全てがハッピーエンドではつまりませんが、いたずらにバッドエンドを強調するのもどうか。ニューシネマが現在の主流足り得なかった理由も、この辺にあると思います。
作品の詳細
作品名:スケアクロウ |
原作名:Scarecrow |
監督:ジェリー・シャッツバーグ |
脚本:ギャリー・マイケル・ホワイト |
公開:アメリカ 1973年4月11日、日本 1973年9月22日 |
上映時間:113分 |
制作国:アメリカ |
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