イギリスの冒険家ジョン・スミスとネイティブ・アメリカンの少女ポカホンタスの実話をもとにしたラブストーリー
ストーリー:1607年、新天地を目指して英国を出航した船は北米に到着。乗員たちは“新大陸”の開拓に着手するが、先んじてこの地には、長い歴史を持つ先住民の共同体があった。船長のニューポートは反乱罪で裁かれる運命にあったスミス(コリン・ファレル)を解放すると、先住民との交渉役に任命。先住民との交渉に赴いたスミスは彼らに捕らえられ、危うく処刑される運命に立たされるが、先住民の王の末娘ポカホンタス(クオリアンカ・キルヒャー)の命乞いのおかげでことなきを得るが・・・。
出演:コリン・ファレル、クオリアンカ・キルヒャー、クリスチャン・ベール、クリストファー・プラマー、オーガスト・シェレンバーグ、ウェス・ステューディ、デヴィッド・シューリス、ノア・テイラー、ジョナサン・プライス、ベン・チャップリン
★★★★★ 美しい映像
テレンス・マリック監督の名作。アメリカ建国神話以前、イギリス王の入植者がヴァージニア州ジェームスタウンに植民地を建設した史実を描いた映画である。白人の入植者とネイティブインディアンとの争い、スミスとポカホンタスとの愛なども描かれているが、主役はあくまでも当時のアメリカの自然、インディアンの人々の素朴で平和な暮らし、それを破壊していった入植者に対するマリック監督の思い入れではないか。コリン・ファレルは監督の意向を汲み取り、自然に映像の中に溶け込んでいる。もっと高く評価されて良い俳優である。この映画は評価が分かれているが、映像も美しく、素晴らしい抒情詩のような作品だと思う。
★★★★☆ ポカホンタスの流浪 ニュー・ワールド
ディズニー映画で有名ですが、こちらは全体的に詩的で抽象的な表現が多く、若い割に感情の抑揚のないポカホンタスが気だるい雰囲気を醸してます。でも好きな映画です。映像美と自然音、音楽との融合、そしてクオリアンカ・キルヒャーの新人ならではの透明感。何処にいても何を着てもポカホンタスでしかない。彼女のイメージにピッタリでした。でも異種族・異宗教・異文明の上、年齢差や男女という最大の違いが行く手を阻み、ディズニーよりずっと深刻に話が進みます。そもそもポカホンタスを描く限り、このタイトルは微妙です。彼女が初めて知る愛の世界や異国をニューワールドと表現するのは無理がある。文字のないネイティブ側の資料がないのを幸いに、白人世界で好き勝手に脚色され美化された物語であり、この映画も確実な部分以外は理想と創作、改ざんです。ですが、ポカホンタスの流浪や心情を細部まで描き、台詞に頼らなかった所が逆に効果的。史実に正確ではなくても他に描きようがないのも確かなので。
作品の詳細
作品名:ニュー・ワールド |
原作名:The New World |
監督:テレンス・マリック |
脚本:テレンス・マリック |
公開:アメリカ 2005年12月25日、日本 2006年4月22日 |
上映時間:135分 |
制作国:アメリカ、イギリス |
製作費:3000万ドル |
興行収入:4900万ドル |
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