大恐慌時代のアメリカ、一人の女性の歌声が奇跡を呼び起こす!実話を基にした胸を熱くする物語
ストーリー:大恐慌の真っ只中のアメリカ。貧しい生活を送りながら女優を夢見るオリーヴ(エミリー・ワトソン)は、天才オーソン・ウェルズ(アンガス・マクファーデン)が演出する舞台『クレイドル・ウィル・ロック』の噂を耳にする。それは、横暴な政府や大資本家たちを批判する過激なものだった。「私の芝居だ!」そう確信したオリーヴはオーディションを受け、見事に主役の座を射止める。ところが開幕前夜になって政府から上映禁止を言渡されてしまう。会場もセットもマイクすら奪われ、窮地に陥った人々。彼らに立ち上がる勇気を与えたのは、オリーヴの力強い歌声だった。そして今、奇跡の一夜が始ろうとしていた!
出演:ハンク・アザリア、ルーベン・ブラデス、ジョーン・キューザック、ジョン・キューザック、ケイリー・エルウィス、フィリップ・ベイカー・ホール、チェリー・ジョーンズ、アンガス・マクファーデン、ビル・マーレイ、ヴァネッサ・レッドグレイヴ、スーザン・サランドン、ジェイミー・シェリダン、ジョン・タトゥーロ、エミリー・ワトソン、ジャック・ブラック、ポール・ジアマッティ
★★★★★ ゆりかがを揺らしたもの
大恐慌の傷跡を引きずりながら、世界が戦争への道を辿りつつあった1930年代のアメリカ。女優を夢見ながらも貧しい生活を強いられていた一人の女性が裏方として演劇の世界に足を踏み入れ、やがて女優の職を得る。彼女の初舞台は、しかし、権力という名のの抑圧を受けることになる。夢と実生活の狭間で、彼女は本物の芸術とは何かを知る。混乱の時代だけに、背景にある程度明るくなければ理解しがたい点があるのではないだろうか。市民が語る政治の話題に些かの矛盾点が見られるのも混沌とした世相を反映しているように思える(評者の知識不足かもしれないが)。ただ枝葉にこだわらなくても大筋は十分掴めるので、それ程気にしなくとも本作の主題は十分堪能できるであろう。劇の出演者に子沢山のイタリア系の男がいる。その男の子供の一人が言う。「(劇の上演が禁止されているが)それでもやりたいならやるべきだよ。」無垢な子供の一言に、もっと多くの意味が集約されているように感じた。ミュージカルを扱っているだけにテンポがいい。心の中でこそ生まれる本物の芸術。一見カタそうだが実はとても素朴なものを、コミカルなタッチでありありと描いている。何度でも繰り返し見たくなる、そんな作品である。
★★★★☆ そして権力のゆりかごは揺れる。
タイトルは、労働争議によって、資本家の不正を支える権力のゆりかごが揺れ動くこととなる、という意味。労働者の自由と平等とをユートピア的社会主義にもとめつつ、メイン・ストーリーが流れていきます。 舞台は、大恐慌後の1930年代後半のニューヨーク。ロックフェラーなど、一部の富裕階級が肥え太るアメリカでは、連邦政府が劇場経営をし、失業した演劇人を雇って安価な娯楽を庶民に提供していた。同じ頃、ヨーロッパでムッソリーニやヒトラーが台頭し、ロシアでは共産主義が強大なものとなっていました。 共産主義的な芸術がこのような演劇人達に大きな影響を与える一方で、オーソン・ウェルズ作の『クレードル・ウィル・ロック』は表現の自由を求める社会批判演劇であるゆえに「非米的」という理由のもとで上演が禁じられる。その上演に多くの若手演劇人達が、人生や職、そして、自らの自由をかけていきます。
作品の詳細
作品名:クレイドル・ウィル・ロック |
原作名:Cradle Will Rock |
監督:ティム・ロビンス |
脚本:ティム・ロビンス |
公開:アメリカ 1999年12月6日、日本 2000年10月7日 |
上映時間:132分 |
制作国:アメリカ |
製作費:3600万ドル |
興行収入:290万ドル |
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