最愛の家族を突然の事故で奪われた時、人はどんな思いを抱くだろうか、そしてその悲しみに終わりがあるのだろうか・・・。今を生きる私たちに突きつける愛と復讐の物語
ストーリー:9月の暖かいある夜、大学教授のイーサン(ホアキン・フェニックス)一家は最愛の息子を突然の事故で失ってしまう。妻のグレース(ジェニファー・コネリー)、1人残された娘のエマ(エル・ファニング)それぞれが、事故は自分の責任だと思い込み、哀しさのあまり家族の心は離れ離れになっていく。遅々として進まぬ警察の捜査に業を煮やしたイーサンは弁護士に調査を依頼することを決意する。小さな町の弁護士事務所を訪ねると、事件を担当することになったのは、ひき逃げ犯人のドワイト・アルノー(マーク・ラファロ)その人だった。事故をきっかけに崩壊していく2つの家族、2人の父親。互いの運命が交錯するとき、思いもよらない結末が彼らを待ち受けていたのだった・・・。
出演:ホアキン・フェニックス、マーク・ラファロ、ジェニファー・コネリー、ミラ・ソルヴィノ、エル・ファニング、エディ・アルダーソン、ショーン・カーリー
★★★★★ 勇敢さについて
子を失った父親。子を失うまいとする父親。被害者と加害者、依頼人と弁護人。二組の父子の関係を描く本作は、決して犯罪遺族の復讐劇ではない。どちらの父親も、息子のために自分が何ができるのか悩みながら、自分のエゴとの葛藤に苦しみ続ける。加害者も、仕事と子供の教育と贖罪との間に悩み、被害者も復習心と残された家族との新しい生活との間に苦しむ。遺族も加害者もその点で相似形を描いており、父親にとっての倫理の居場所の不安定さが実力派の俳優によって余韻の深い映像になって表されている。ポール・ハギスの「告発のとき」と同時期に見たのだが、アメリカの父親達は、かつては区別する必要が無かった、勇敢であることと良い父親であることとの間に、911以降、絶望に近い断絶を感じているのではないだろうか。良い作品です。
★★★★☆ リアルで見ごたえある映画だった
ひき逃げをした加害者、息子を殺された被害者と、両者の心情がリアルで見ごたえあるドラマだった。病死なら最期を受け入れる時間が少しはあるけれど、突然、訪れる悲劇は、どう受け止めたらいいんだろう。あの一瞬の事故は、実際に自分の身に起こりそうで、息子を失った夫婦の悲しみが見ていてとても辛かった。証拠隠ぺいして嘘をつく加害者は、事情もあったが、なんだかんだいってヒドイ。私は同情できなかった。家族にとっては辛い事件も、犯人探しをする警察に
してみたらどうでもいいってところも心に残ってる。大学教授を演じたホアキン・フェニックスが良かった。役者を引退して歌手になるそうですが、こういう味のある人には、老いるまで役者人生を歩んで欲しいです。
作品の詳細
作品名:帰らない日々 |
原作名:Reservation Road |
監督:テリー・ジョージ |
脚本:テリー・ジョージ |
公開:アメリカ 2007年10月19日、日本 2008年7月26日 |
上映時間:102分 |
制作国:アメリカ |
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