人生は、海だ。広く、深く、そしてショッパイ
ウェス・アンダーソン監督がビル・マーレイほか、豪華キャストを配して贈る、海洋冒険家・ズィスーを巡る人間ドラマ
ストーリー:世界的に有名な海洋学者にして海洋ドキュメンタリー監督のスティ-ヴ・ズィスー(ビル・マーレイ)は、ある意味、人生の危機を迎えていた。ここ数年ヒット作に恵まれず、資金繰りがきつい。おまけに、撮影中に長年のパートナーが幻の怪魚“ジャガーザメ”に喰われてしまった。なんとしても仲間のリベンジを果たし、自身の名声をも取り戻すため、ズィスーは新たな航海に出ることを決める。突然名乗り出てきた昔の恋人の息子ネッド(オーウェン・ウィルソン)―たぶん自分の息子?―や、取材に押しかけた女性記者ジェーン(ケイト・ブランシェット)も加わって、探査船ベラフォンテ号は運命を賭けた航海に乗り出した。しかし、そこには思わぬ“悲劇”が待ち受けていた・・・。
出演:ビル・マーレイ、オーウェン・ウィルソン、ケイト・ブランシェット、アンジェリカ・ヒューストン、ウィレム・デフォー、ジェフ・ゴールドブラム、マイケル・ガンボン、ノア・テイラー、セウ・ジョルジ、シーモア・カッセル
★★★★★ 何度見ても飽きの来ない作品
これは傑作だと思う。全編にわたってユーモアと哀愁、心地よい面白さが溢れる、何度見ても飽きの来ない作品だ。この作品に偶然出会えた幸運は大きい。レンタルで観たが買うことに決めました。
★★★★★ このうえない
これほど美しく感動的な映画を見た記憶はほとんどないと思えるくらい、すばらしく思った。個人的にはウェス・アンダーソン監督はこの一作をもってもはや巨匠といって差し支えない位置に立ったというか、古今の名作のリストに一つ新たなタイトルを加えたとすら思えた。この映画自体が、作中映画のようなある意味胡散臭い映画なのだが、この映画におけるさまざまな“怪しい”意匠をウソと否定しまうと、観客はこの映画の冒頭の作中映画を批判した小賢しい観客と同じ位置に自分を落としてしまうことになる。主人公があえてネッドを信じたように観客は映画のできごとをまるごとそのまま信じることで、すばらしい世界に出合うことができる。撮影も音楽も何もかもが美しく、ワンカットごとに息を呑む思いがした。音楽がデヴィッド・ボウイなのだが、ボウイ独特の胡散臭くてあざといようでナイーブで美しい世界観がこれまたとても合っていた。劇場で見たかった・・・。
★★★★★ 日本における本作の不当な扱いについて
昨今の世界の映画を見て、次世代を担う若手映画監督の中でウェスアンダーソンほど進んでいる人物はいないと思います。しかし、哀しいことに、日本では本当に不当な扱いをしている。映画の評論が追いついていないのです。虚構を虚構「として」描くことが、ただの虚構をリアルに描くこりより、人間だとか、そういった類の真実に近づけるように思えます。今作は今までの作品の中でも最もそのことをうまく表現できていると思う。パッと見、コメディにしか見えないと思います。それはそれで面白い。ここが重要だと思います。そして、尚且つ、世界的に見て、最前線の深遠さを含んでもいる。はっきり言って五つ星をつけざるを得ない、完璧な作品です。危惧すべきは、馬鹿なコメディだと言って捨てやるひとびとです。そういった人に限って、やたらとこんな作品意味が無い、軽薄だなどと、わざと小難しいことを言います。が、そういう人が大抵、良いとする作品は、あえて自ら読まないといけない部分を「今までどおり」の手法で提起している場合のみです。それは一時代昔の鑑賞法です。本作はその一歩先を行っています。すべてのことに意味がある作品です。しかも、見ていて楽しい!
★★★★☆ 鑑賞後に素敵な余韻を残してくれる佳作
自己中心的かつ自意識過剰な欠点だらけの人格で、私生活でも妻に見限られドキュメンタリー映画製作も失敗続きの海洋冒険家が「幻のサメ」の実在を信じ、サメへの復讐の為に冒険へと乗り出す話。子供の心を忘れられない大人達を暖かく見守ってる様な作品で、ビル・マーレイの常に憂いているような表情が良いかった。少し趣は違うものの、心の内で自身のダメさを痛感しながらも意地を貫き通す壮年男性の姿が、ジェフ・ブリッジス主演の『クレイジー・ハート』を彷彿とさせる。また、ポップで印象的な色使いが素晴らしい美術と、手作り感を大事にしたダイナメーション(ストップモーションアニメ)で描かれた海洋生物達の描写も温かみに溢れていて、飛び出す絵本の様な味わいが心地良い。個性的なキャラ設定を演じている出演陣も皆素晴らしくて、中でもウィレム・デフォーの拗ねっぷりが可愛いくて笑ってしまう。鑑賞後に素敵な余韻を残してくれる佳作で、のんびりあっさりとした演出でじんわりと感動させてくれる様な作品が好きな方にはおススメ。
★★★☆☆ 言い表しがたいよさ
『ダージリン急行』、『ザ・ロイヤル・テネンバウムス』ですっかり“ウェス・アンダーソンの世界”にはまってしまった私。この『ライフ・アクアティック』も面白かった!!設定的にはなんかディズニーシーにいるみたいな感じ(笑)ビル・マーレーをはじめ、キャラ設定がまたなんともいえない感じでいい。見ればきっとこのメンバーに加わりたくなるはず!
★★★☆☆ 俳優は素晴らしいけど、物足りない。
有名俳優による演技は素晴らしいですが、全体的にはコメディ、人間ドラマ、冒険物としても弱く盛り上りの無い作品でした。もっとコメディ仕立なのかと思ったら、少し緊迫した場面もあります。終盤の特撮がカレル・ゼマン監督作品風なのはご愛嬌でしょうか?大人にはともかく子供にとっては良くわからない作品だと思いますので、子供には薦められません。
作品の詳細
作品名:ライフ・アクアティック |
原作名:The Life Aquatic with Steve Zissou |
監督:ウェス・アンダーソン |
脚本:ウェス・アンダーソン |
公開:アメリカ 2004年12月25日、日本 2005年5月7日 |
上映時間:118分 |
制作国:アメリカ |
製作費:5000万ドル |
興行収入:3400万ドル |
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