ラブ・ロマンス

ヘヴン

犯罪者と刑務官の運命の出会い。どこまでも深い、禁断の愛

ストーリー:美人教師フィリッパ(ケイト・ブランシェット)は、夫や生徒を殺した麻薬売人に復讐を決行するが失敗し、罪なき人々を死なせてしまう。誰もが彼女を残酷な犯罪者とみなす中、刑務官フィリッポ(ジョヴァンニ・リビシ)は彼女に運命の出会いを感じ、恋におちる。彼女もまた、彼の一途さにひかれていく。犯罪者と刑務官。彼女の復讐を果たすため、愛を貫くため、決して愛してはいけない立場のふたりの逃避行がはじまる。ただ一度、結ばれるために・・・。

キャスト:ケイト・ブランシェット、ジョヴァンニ・リビシ、レモ・ジローネ、ステファニア・ロッカ、アレッサンドロ・スペルドゥーティ、マッティア・スブラジア、ステファノ・サントスパーゴ、アルベルト・ディ・スタシオ

視聴者の声【Amazonレビューより】

★★★★★ HEAVENを求めて-美しき逃避行

生涯をかけて「人間愛」という荘厳なテーマに挑みつづけたポーランドの巨匠、クシシュトフ・キェシロフスキの遺した脚本が、ドイツの実力派トム・ティクヴァ監督によって映像化されたのが本作。タイトルはその名も「HEAVEN」である。監督のトム・ティクヴァは、最新鋭の撮影技術を駆使し息を飲むほど美しい数々のシーンを作り上げ、しかし全編を通して途切れる事の無い緊迫感とつめたい孤独感を作品に持たせていて、素晴らしい。フィリッパ役のケイト・ブランシェットは、巧みに情感を表す優れた演技はいつものことながら、この作品ではそれまで見せたことも無いほどの美しさをたたえている。そして、何よりもこの作品を成功に導いたのは、フィリッポ役、ジョバンニ・リビジの静かなる熱演であろう。まさに名演である。どこか孤独を感じさせる表情と、愛する女性を信じて見守る男の強さを、少ない言葉数の中見事に表現した。『プライベート・ライアン』以降に目立った活躍の無かった彼だが、これほどまでの実力者だとは・・・。感激。余韻を残し全てを語らないラストも心地よい。彼ら二人のその後については、見るものにゆだねられる。だが、その行く先は決まっている。

★★★★☆ 映像で感情に訴える、詩のような映画

ジョヴァンニ・リビシの演じる新人刑務官が、ケイト・ブランシェットの演じる女性爆破犯人に恋していまい、脱走と復讐を助けて二人で逃亡するドラマ。この種の映画で予期される、アクションシーンやエロチックなシーンはほとんどありせん。むしろ、計算されつくした暗示的な映像が印象的で、俳優もセリフと同等以上に表情が重要な感じです。この頃のケイト・ブランシェット出演作品で、文学的で、単なる娯楽映画でないものとして『耳に残るは君の歌声』や『シッピング・ニュース』がありますが、それらが小説的な映画とすれば、この作品は詩に近いという印象です。制作者の自己満足、独りよがりになりがちな手法ですが、主演俳優の力量と映像の素晴らしさで、まずまず成功した作品に仕上がっているのではないでしょうか。娯楽性を期待すると失望するでしょうし、言葉でなく表情、映像でメッセージを伝える映画ですので、好き嫌いは分かれると思います。

★★★☆☆ とてもいい映画なんですが・・・

クシシュトフ・キェシロフスキ監督の遺稿を映画化したもので、トム・ティクヴァ監督は相当クシシュトフ・キェシロフスキ監督の事を意識した感じの造りとなっていると感じました。最近キェシロフスキコレクションを見ましたが、ケイト・ブランシェットとジョバンニ・リビージの配役が、なんとなくコレクションの流れを汲んでいるような納得できる物だったと思います。特にケイト・ブランシェットの眼差しは相変わらず美しく彼女の映画の中でも3本の指に入る出来栄えだと思います。また、映像もすごいシャープな仕上がりで、イタリアなのにポーランドの情景のようなある種の冷たささえ漂っています。

作品の詳細

作品名:ヘヴン
原作名:Heaven
監督:トム・ティクヴァ
脚本:クシシュトフ・キェシロフスキ
公開:ドイツ 2002年2月21日、日本 2003年3月8日
上映時間:97分
制作国:アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ
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