スリラー

アド・アストラ

宇宙に消えた父の<謎>を解かなければ、人類は滅びる

地球から遥か43億キロ。太陽系の彼方で消息を絶った父を探す危険なミッション! 壮大な宇宙を舞台にスリリングに描くスペース・アクション超大作!

ストーリー:近い未来。ロイ(ブラッド・ピット)は地球外知的生命体の探求に人生を捧げた父を見て育ち、自身も同じ道を選ぶ。しかし、その父は探索に旅立ってから16年後、地球から43億キロ離れた太陽系の彼方で行方不明となってしまう。その後、エリート宇宙飛行士として活躍するロイに、軍上層部から「君の父親は生きている」という驚くべき事実がもたらされる。さらに、父が太陽系を滅ぼしかねない通称“リマ計画”に関わっているという。父の謎を追いかけて、ロイも宇宙へと旅立つが・・・。

出演:ブラッド・ピット、トミー・リー・ジョーンズ、ルース・ネッガ、リヴ・タイラー、ドナルド・サザーランド、キンバリー・エリス、ローレン・ディーン、リサ・ゲイ・ハミルトン、ナターシャ・リオン

視聴者の声【Amazonレビューより】

★★★★★ SFとしては星4だけどオマージュ映画としては5

アルマゲドンとスペースカウボーイとインターステラーと2001年……まあ、とにかくいろんな宇宙モノの要素が散りばめられてる映画ですね。わたくしは楽しめました。SFとしては雑な部分も多々ありますが、新しい表現もあるので4くらい。

★★★★★ 『インターステラー』よりも孤独感が強い

英語圏の映画というのは英語ができない自分にとって、役者の芝居が100%理解できない(セリフ回しの細かいニュアンスなど)、かといって吹き替えは嫌だ、役者の生の声で観たい…という感じなので、どうしても物語や見た目の派手さなどの演出で、面白いか否かを決めることになってしまうのですが、本作は主に、ブラッド・ピットの表情にピントがあてられ、その上で彼が淡々と行方不明になった父や、別れた奥さんへの思いを独白、その際の乾いた口調からして、始まってわりとスグに、テーマが「孤独」であると理解できました。そういう意味では、わかりやすい映画かと。テンポも良く、2時間超という時間もあっという間でしたし。また「孤独」という、地味なテーマを扱っておきながら、VFXはおそらく現時点で最高の技術と思うんですが、SFなんてCGだらけでどうしてもそこに目がいくと思いきや、そうと意識させないようにした使い方には、好感が持てました。ネタバレになるので書きませんが、本作のラストに判明する、ある事実(やけにリアル)は、行方不明の父親の安否以上に衝撃的で、非常に虚しいと思いました。ですがそれによって、ブラッド・ピットが孤独から解放される(死ではないです)、というのが実に良かったです。私にとってブラッド・ピットのベスト・バウトは『12モンキーズ』のジェフリーでしたが、本作の役はその真逆。しかし負けず劣らず!共同プロデューサーに、ブラッド・ピットが名を連ねている映画なので、多少「俺も口を出すからな」って部分が見え隠れしてますが、
お猿さんに関しては明らかな『12モンキーズ』オマージュ。SFなんだからいいじゃないですか。

★★★★☆ 悩みを抱えた人の精神空間を旅してみよう

SFもブラビも好きだけれど、論評が芳しくなくて映画館で観ませんでした。とうとう我が世のSFも火星を超えて冥王星まで到達したのかと思うのだけれど、いやいや心の一番深いところの象徴が冥王星なんだと思う。自分は平然だと思いつつも心に詰まった何かを持つ人なら、この旅の奥深さ、どこまでも深いゴールのなさそうな暗い遠い旅をイメージできるのではないだろうか。SFでないという論評や感想も多々みるのだけれども、私は、いやこれはSFの映画が連れて行ってくれる静かで深い無重力の宇宙の話だと思う。それを心で感じてみれば、これは大いなる旅の話だとわかる。そしてこれはネタバレではない。この映画の本当のネタは、見る人の心の中にある旅のはずだ。プラネタリウムの暗い空間に天頂をみるかのようなリラックスできる椅子に座り、ゆったりとこの映画を眺めたらよいと思う。

★★★★☆ リアルな映像と、わかりやすい内容

映像がリアル。内容が、太陽系の怪電波を止めることであるが、父親を探して連れ帰るという個人的な事情が、主人公を苦しめる。人間以外の知的生命体が他にいるのかという課題に、主人公が自分たち以外に知的生命体はいないという回答をする。あんまりヒットしなかったみたいだけど、面白かった。

★★★★☆ こういう作品が興行できる有難さ

日本でこの作品を劇場公開したとき、配給会社は「アクション大作」と謳ったそうだ。もちろん嘘である。小説で言ったら、純文学に無理やり本筋と関係のない、見栄えのするアクション場面を数カ所、無理やり挿入したような作りで、これはアクション映画でもなんでもない。ブラッドピッドが主演である以上、お客を劇場へ呼ぶには、そう謳うしかないのが日本の映画興行なのでしょう。反対に言えば、こんな地味なSFのお話に、予算がつき、一流の俳優が出てくれて、おまけのアクション場面を入れなくてはいけなかったにしろ、曲がりなりにも制作が実現して興行が成立するという、アメリカの映画界はなんと懐が深く、羨ましい世界なのだろう。日本の映画界では、まずこのお話では企画すら成立しないのではないでしょうか。こういう作品まで作ってしまえるという、アメリカの映画界がただただ羨ましい。で、お話の方は、眠くはなりませんでしたが、難しいSFをちゃんとエンターテインメントにまで磨き上げて感動もさせてくれた名作インターステラを、見習いましょう。

★★★☆☆ 目指すは内なる心の世界で、宇宙ではない。

暗黒と静寂、そして孤独が支配する宇宙空間に長期に渡って滞在すると人間はどうしても自分との戦いになる。『インターステラー『、『ファーストマン』に続く広大な宇宙空間を舞台にしながら人間の内面を綴る物語だ。殆ど主人公の独白で経過する物語はハラハラドキドキの展開もなく、上映終了までに一体何パーセントの観客が覚醒していられただろうと心配になるくらいなのだが、アメリカ映画にはよくある父と子の男としての関係性の物語ともいえる。ピット扮する主人公が、ジョーンズ扮する父に「地球(=家)に帰ろう」と言うと、父は宇宙船を軽くたたいて「ここが家だ」と言い切る。そのくだりはピットが製作にかかわった『フューリー』と同じ。その独善的判断ために苦楽を共にした仲間が死んでいかなければならかったし、今回は地球自体が危機にさらされた。監督はピットに演じさせることで「英雄的判断」とやらに対する皮肉を込めているのかもしれない。派手な宇宙SFを期待した方々にはまさに「裏切られた、時間と金の無駄遣い」と言われるような作品ではあるが、『2001年宇宙の旅』以来、この手の宇宙SF映画は脈々と生きているわけで、これはそういう作品だとプロモーションすべきだ。変に期待させるようなCMを流すべきではない。

★★☆☆☆ ブラピの熱演だけに支えられた2時間

SF映画というものは、一定水準の科学考証により、どこまでハッタリを利かせるかが重要だと自分は思っています。絵空事をどこまで本物っぽく見せるか。それができている場合とそうでない場合とでは、感情移入の度合いがまるで違ってくるんです。その点において、本作は肝心の「映画的ウソ」があまりにもヘタクソで、小学生レベルの科学知識で観ても極めてお粗末だと言わざるを得ません。ブラピの熱演と雑な宇宙描写のギャップが、観ていて本当にしんどいんです。しかも、映画としての見せ場もほとんどないため、退屈過ぎて睡魔との闘いばかりが印象に残ってしまっています。そもそも、「地球外生命体」を探すんだったら、同じ太陽系だけでは探索範囲が狭すぎでしょう。イマジネーションに限界がある脚本家が、壮大なテーマを持て余して描き切れなかった典型例。深淵なる宇宙の神秘を描きたいのならば、もっとしっかり勉強してから手をつけるべき。

作品の詳細

作品名:アド・アストラ
原作名:Ad Astra
監督:ジェームズ・グレイ
脚本:ジェームズ・グレイ
公開:アメリカ・日本 2019年9月20日
上映時間:123分
制作国:アメリカ
製作費:9000万ドル
興行収入:1億2700万ドル
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