ドラマ

脳内ニューヨーク

失敗続きで開き直っちゃったケイデンは、自分の頭の中にあるニューヨークを本物のニューヨークの中に、もうひとつ作りはじめる。

ストーリー:ケイデン・コタード(フィリップ・シーモア・ホフマン)はニューヨークに住む劇作家。平凡だった彼の日常は、ある日を境に変わっていく。額を切って病院へ行けば、原因不明の病気と診断され、家族からは、自分が演出した自信満々の舞台をけなされる。夫婦仲も上手くいかず、遂には愛する妻と娘に捨てられてしまう。新しい恋人を作ろうとするも、優柔不断で逃げられて・・・。そんな失敗続きで、人生に嫌気がさしていた彼の元に、マッカーサー・フェロー賞(別名“天才賞”)を受賞した知らせが届く。大金と名誉を手に入れた彼は、人生をやり直そうとそのすべてを注ぎ込んだ、一世一代のプロジェクトを実行する。それは、自分の頭の中に思い描いた理想のニューヨークを本物のニューヨークの中にもう一つ作り、誰も見たことのない舞台を上演する事だった。

出演:フィリップ・シーモア・ホフマン、サマンサ・モートン、ミシェル・ウィリアムズ、キャサリン・キーナー、エミリー・ワトソン、ダイアン・ウィースト、ジェニファー・ジェイソン・リー、ホープ・デイヴィス

視聴者の声【Amazonレビューより】

★★★★★ 傑作オナニー映画。

難解な映画と言われるが、わからなかったら単純に何度でも観ればいいじゃないか。ラストには親切に話を冒頭に繋げる様な演出があるし。この映画は謎が多いのではなく、説明不足。長尺なのも合わせて、とても独りよがりな作品なんだと思う。パーソナルでオタクな作品と言ってもいい。というのも、この映画を体現するフィリップシーモアホフスマンという男が美醜併せ持った素晴らしいオナニーを披露させたら右に出るものはいない。素晴らしい俳優でした。どうしてこんなにも恋い焦がれてしまうのか、夢を膨らませてしまうのか。そしてどうして報われないのか、何もかもうまくいかないのかという他人には誇れない「もどかしさ」を。自虐たっぷりに、ユーモアを潤滑油にして描ききっていること自体が、何よりも人間愛を感じさせるのだ。劇中、失意のどん底にある主人公に対してある女性が「もう若くもないし、有り難がられる身分でもないから、構わないわ」と体を許すシーンがあるが、醜く変わり果てた肉の塊の様なふたりの、本当に美しく誇り高いシーンだった。ラストに流れる主題歌が好きで、劇中の同曲が流れるシーンがすごく心地よくて好きだ。
私は、孤独とかラブストーリーを描いた作品を観る際には、常にこの作品と比較してしまう映画だ。

★★★★★ Synecdoche

東京国際映画祭でかかった本作を見ました。上映前にチャーリー・カウフマン監督からのショートメッセージビデオが流れ「日本の皆さんこんにちは。見終わったら、“Synecdoche”という単語を調べてみてください。」と言っていました。最高に豊かな感覚を体験しました。素晴らしいモチーフと手法。それを巧みに構成するカウフマンのスキルの高さに度肝を抜かれました。2008年に初見してから4年経ちDVDでもう一度見ました。この感覚を超える映画にはこの映画以外では味わったことがありません。素晴らしい現代美術作品を見たときの感覚に近いです。ポップな邦題やジャケットに惑わされず、“Synecdoche”を調べてから見てみると感動もひとしおだと思います。

★★★★★ 涙が止まらない。

コメディだと思い込んでいました。見たら、涙が止まらなくなって…ちょうど今日、私は死についてふと考えていたところ、この作品に出会った。人生は本当に1度きりで、人には必ず死が訪れる。悲しいだけじゃなく、その奇跡を真摯に享受して毎日を大切に生きたいと思った。鬱の人や、死を意識せざるをえない患者さんには辛い内容かもしれない。だけど、生きているうちに私はこの作品に出会えた。ありがとう。死んでも忘れないといいな。

★★★★☆ なんかいい。

細かいことはよくわからない。難しい世界。でも見終わって良かったと感じた。よくはわからなかったけどなんか良かった。この曖昧な、感覚だけで感じた気持ちはつまり正しい。理由はさだかじゃないけれど好きって思う。恋をした時のように。ひとはみな孤独だ。と思ったことがあるひとや、ロマンティックな繊細なひとにはオススメします。

★★★☆☆ 人生と深く向きあう作品ではあるが

チャーリー・カウフマン作品は、奇想天外な設定ではあるが、その扱うテーマは人との関わりだったり、本質的なテーマが多い。むしろ、奇想天外な設定を借りて本質が描き出そうとしているのかもしれない。ただ、良くも悪くも、その奇想天外な設定が度が過ぎて、混乱してしまうこともある。そこを、一見ではわからなくて何度も観たくなると思うのか、
ようわからんと言って終わるのか。本作品は、描きたいテーマとしては伝わってくるのだが、後者になってしまった印象である。後半は主人公が苛まれる心と相まって重くなる一方だし、結果的に疲れて、ようわからんというところだろうか。もうちょっとストレートな作品を作ってもよいのではないだろうか?

作品の詳細

作品名:脳内ニューヨーク
原作名:Synecdoche, New York
監督:チャーリー・カウフマン
脚本:チャーリー・カウフマン
公開:アメリカ 2008年10月24日、日本 2009年11月14日
上映時間:124分
制作国:アメリカ
製作費:2000万ドル
興行収入:400万ドル
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