ドラマ

未来を花束にして

百年後のあなたへ・・・

思想も教養も富もない一人の母親がすべてを捨てでも参政権運動に身を投じたのは、未来に希望をつなぐため。今を生きる私たちに、そしてこれからの百年も語り継がれるべき“名もなき花”たちの物語。

ストーリー:1912年、ロンドン。劣悪な環境の洗濯工場で働くモード(キャリー・マリガン)は、同じ職場の夫サニー(ベン・ウィショー)と幼い息子ジョージの3人で暮らしている。ある日、洗濯物を届ける途中でモードが洋品店のショーウィンドウをのぞき込んでいると、いきなりガラスに石が投げ込まれる。女性参政権運動を展開するWSPU(女性社会政治同盟)の“行動”の現場にぶつかったのだ。それが彼女と“サフラジェット”との出会いだった。やがてモードに大きな転機が訪れる。下院の公聴会で証言をすることになったのだ。工場での待遇や身の上を語る経験を通して、初めて彼女は“違う生き方を望んでいる自分”を発見する。それをきっかけに、モードはWSPUの活動に加わって行くが・・・。

出演:キャリー・マリガン、ヘレナ・ボナム=カーター、ベン・ウィショー、ブレンダン・グリーソン、アンヌ=マリー・ダフ、メリル・ストリープ、ロモーラ・ガライ、ナタリー・プレス

視聴者の声【Amazonレビューより】

★★★★★ 女性参政権について考えさせられる作品

題では『未来を花束にして』となっているが、原題は『Suffragette(サフラジェット)』実話を元に、英国の女性参政権運動について描いた作品。日本国内ではあまり話題にならなかったのが残念だが、海外での評価は高く、見応えがあり心に深く刻まれた。ハンガー・ストライキや爆破などを行い論争を巻き起こしたことから、保守的な政治家は当時彼女たちを「テロリスト」とまで呼んだと謂う。「女性参政権」は昔も今も当たり前の権利ではないことを気づかせてくれた作品だった。

★★★★☆ 『サフラジェット』(女性参政権を求める活動家)

1912年のイギリス、ロンドン。実在の人物であるエメリン・パンクハーストがリーダーをしていたWSPU(女性社会政治同盟)の女性参政権獲得運動を軸にしている。ただ、主人公のモードは架空の人物である。「7才でパート、12才から社員」として働くモードは、今でいうセクハラ・パワハラが当たり前の職場でもそこで働く以外の道はなかったのだろう。同僚と家庭を持ち小さな男の子がいる。参政権運動に関わることにより、それこそ自分の身以外は失うことになるのだが、途中で引き戻すことが出来なかったのは未来が変わるかもしれないという思いだ。自分の将来だけではなく、その後の世代にも関わることである。男尊女卑の世界で貧しい労働者階級の生活の中で、女性が参政権を得ることさえにわかには信じ難かったかもしれない。が、一度外に向かって目が開かれてしまってはもう後戻り出来ない。けれど夫に離縁されたのはともかく、母親である女性には親権さえないのである。妻に子供を渡さない夫はしかし自分で養育も出来ず、子供を養子にやってしまう。全て夫の一存で決められるのだ。子供との別れの場面は余りに切な過ぎた。物事を大きく変えようとする時、穏健なだけでは実現しないか、或いは時間がかかり過ぎてしまうのだろうか。良い悪いではなく結局過激な行動で世間の目を向けさせることに成功する。エンドロールで世界中の国の女性参政権が認められた年が流される。イギリスは1918年30歳以上の女性に、男女平等の普通選挙権が実現するのは1928年エメリンが亡くなった直後で、日本は終戦直後の1945年。21世紀になってから認められた国も、未だ認められていない国もある。このエンドロールも結構衝撃的だった。誤解を招くポスターは意図しているのか(?)、残念ながらメリル・ストリープはカメオ出演。そして明るく軽やかな邦題は、それだけでは何の映画か皆目検討がつかない。原題通りでも、キャストと内容で十分興味を持たれるだろうに。その実力派揃いの豪華なキャストの中でも、モード役キャリー・マリガンの表情は素晴らしい。少しでいいから参政権を得た瞬間と、モードのその後を描いて欲しかったと思う。

作品の詳細

作品名:未来を花束にして
原作名:Suffragette
監督:サラ・ガヴロン
脚本:アビ・モーガン
公開:イギリス 2015年10月12日、日本 2017年1月27日
上映時間:106分
制作国:イギリス
製作費:1400万ドル
興行収入:3400万ドル
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