ラブ・ロマンス

ジェイン・オースティン 秘められた恋

『プライドと偏見』の原作者として知られるイギリスの女流作家、ジェイン・オースティンの若き日の秘められた恋を、アン・ハサウェイとジェームズ・マカヴォイ共演で描く

ストーリー:財産があり家柄の良い男との結婚が、唯一の女性の幸せな生き方とされていた18世紀のイギリス。地方の貧しい牧師館の娘ジェイン(アン・ハサウェイ)は、両親や周囲の娘たちとは違い、愛のための結婚をしたいと考えていた。ジェインの両親は地元の名士・グレシャム夫人の甥・ウィスリー氏との縁談をまとめようと躍起になっていたが、小説を書くことに情熱を注ぎ、知性と独立心を持った女性であるジェインは、この結婚に同意しようとはしなかった。ある日ジェインは、友人である兄・ヘンリーに伴われてジェインの暮らすハンプシャーに休暇でやってきたトム・ルフロイ(ジェームズ・マカヴォイ)と出会う。大叔父・ラングロイス判事の庇護の下、ロンドンで法律を学びながらも享楽的な生活を送っていたトムは、貧しく洗練されていないハンプシャーの人々を蔑視する。自分の才能を密かに自負していたジェインとも、初めは反発し合っていた。それでも2人はさまざまな場所で顔を合わせることになる。森の中で、舞踏会の踊りの輪で、友人たちとのクリケット遊びの場で、切りつけ合うような言葉を交わしながらも、2人は互いの中に周りの人々には見出しえなかった知性の閃きを認め、いつしか惹かれあうようになる。しかしこの恋は、周囲の人々に認められるはずもなかった・・・。

出演:アン・ハサウェイ、ジェームズ・マカヴォイ、ジュリー・ウォルターズ、ジェームズ・クロムウェル、マギー・スミス、ローレンス・フォックス、アンナ・マックスウェル・マーティン、ジョー・アンダーソン

視聴者の声【Amazonレビューより】

★★★★★ 主人公二人が美しい

高慢と偏見を書いたジェーン・オースティンの秘められた人生の物語という映画です。当時のイギリスの結婚をめぐる状況や、その中で自分をつら抜いて生きるアン・ハサウェイ演じる主人公(ジェーン・オースティン)が魅力的です。アン・ハサウェイは古典の方が魅力的なように思います。それに相手方のジェームズ・マカヴォイは最初は印象悪いけれど、徐々にアンに惹かれ、かつアンからも慕われる主人公を魅力たっぷりに演じていて(役の上では純粋には違うのですが)その貴公子ぶりはなかなか良かったです。最後の終わり方は様々な事情からこう終わるしかないというものではありますが、それなりに胸に迫るものもありますし、良い映画といえる映画だと思います。

★★★★★ ウィットとユーモア

財産があり家柄の良い男との結婚が、女性の唯一の幸せな生き方とされていた18世紀のイギリス。ここに後世名を残すことになる女流作家ジェーン・オースティンがいた。これは彼女が作家になる前の恋の話である。この当時の女性たちは相続権も与えられず、独立の道も険しかった。牧師の言葉からもそれが伝わってくる。「女性は柔らかな物腰と純潔の愛を守りなさい。もし女性が何かに秀でていたら、ユーモアは好まれるが、機知はいけない。それは最も危険な才能だ。」と。さてジェーンはどうか、ユーモアのセンスもあり、機知に富んだ女性であることは作品を読めば分かる。そんな彼女であるが都会からやって来た弁護士のトム・ルフロイと恋に落ち、そして破れる。アン・ハサウェイは、溌剌とした田舎娘ジェーンを演じている。トム・ルフロイにはジェームズ・マカヴォイ、この役は彼しかいないと思わせるほど目が離せない。それぞれの人間関係と感情のもつれが二人を追い込んでいくわけだが、とても痛々しい。それぞれの道で二人は大成し晩年和解する事になる。短い生涯の中でジェーンが最後に去来したものは何だったのか、それを思うと、切ない。

★★★★☆ 一度見て損はない!

ジェーン・オースティンの『高慢と偏見』『エマ』などが好きな方にはお薦めです。一度見て損はない美しくてせつない恋愛映画です。イギリスで絶大な人気を誇る女性作家ジェーン・オースティン自身の若い頃がこの映画の物語です。トム・ルフロイ役のジェームズ・マカヴォイはWantedを見て注目していた俳優ですが、演技と共演女優との間合いのとり方が上手く、感情移入出来るハンサムなトム・ルフロイ役を上手く演じています。せつない恋愛映画ですが、トム・ルフロイとの経験があったからこそ後世に残る素晴らしい作品をかけたのだろうな、と納得できます。ただ最後のシーンはとてもせつないので好き嫌いが分かれるかもしれません。一度見ておいて損はなし、お薦めします。

★★★☆☆ マカヴォイがイイ!!

ハサウェイがこの時代の人物の雰囲気に似合ってない。悲しいぐらいなんか変。でもそれを補うかのようにオールマイティーなマカヴォイがイイ味を出してくれてる。このストーリーの原作は小説ではなくジェイン・オースティンの半生を描いたものなので、展開的にはオースティン作品の映画よりもより現実的で切ない。この映画をみてオースティンの作品が何故ああいうロマンティックなストーリー展開なのかを心底理解できた。そしてより一層彼女の作品を愛する事が出来ました。『こういうことがあったから自分の想いを自分の作品にぶつけたんだなぁ』と感じました。一度は観る価値アリだと思います。いや、コレをみてこそオースティンの作品により一層愛着がわくはず。が、オースティン役がハサウェイだった事が個人的にカナリ残念極まりないです。顔が濃すぎる。あの時代のイギリス人を描いているのに・・・これはミスキャストでしょ。そして、彼女の雰囲気が現代的過ぎる。彼女は今売れっ子なんだけれど、どうしても時代劇をやれるほどの役作りが出来るような女優でもない。現代を舞台にした作品であれば何の問題もないのだけれど。アン・ハサウェイのおかげで現代的な映像になってしまってる。世界が壊れている事がとても勿体無いと思わざる得ない。

★★☆☆☆ ラブストーリーとしてはよく出来ています

オースティンの作品は原書・伝記も読むくらいのファンですが、予想通り、かなりな脚色がされているように思いました。ラブストーリーとしてはなかなかよく出来ていますが、ジェイン・オースティンの実際の人生とは、かなり違うんだろうなあという印象でした。この時代、駆け落ちは一大事ですし、母親は「自負と偏見」のミセス・ベネットを意識しすぎ、一家の貧困ぶりも強調しすぎだし、ジェインの性格はエリザベス・ベネットをイメージしているのでしょうか、かなりお転婆です……まあ、人の人生なんて詳細には分からないもので、オースティンのプライベートな手紙は焼かれてしまったそうですから、事実は分かりませんが。オースティンの伝記としてではなく、彼女の人生を元に脚色したラブストーリーと思えば、楽しめる作品だと思います。

作品の詳細

作品名:ジェイン・オースティン 秘められた恋
原作名:Becoming Jane
監督:ジュリアン・ジャロルド
脚本:ケヴィン・フッド
公開:イギリス 2007年3月9日、日本 2009年10月31日
上映時間:112分
制作国:イギリス、アイルランド
製作費:1600万ドル
興行収入:3900万ドル
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