ドラマ

リチャード・ニクソン暗殺を企てた男

74年に起きたニクソン米大統領暗殺未遂事件を描いたサスペンスドラマ

ストーリー:サム・ビック(ショーン・ペン)は平凡なセールスマン。別居中の妻マリー(ナオミ・ワッツ)との関係を修復するため、懸命に仕事に打ち込むが、思うように業績は上げられない。何事もうまくいかない日々が続き精神的に追い込まれていく。そして唯一の希望の光だった家族再生の夢も消え去ってしまった時、サムの目には、ウォーターゲート事件で国民を裏切ったニクソン大統領が、純粋なアメリカンドリームを踏みにじった男に映る。そしていつしかニクソン暗殺の決意へと変貌する。1974年2月、サムはワシントンのバルチモア空港に降り立った。民間機をハイジャックし、ホワイトハウスめがけ墜落するために・・・。

出演:ショーン・ペン、ナオミ・ワッツ、ドン・チードル、ジャック・トンプソン、ブラッド・ウィリアム・ヘンケ、ニック・サーシー、マイケル・ウィンコット、ミケルティ・ウィリアムソン

視聴者の声【Amazonレビューより】

★★★★★ 「一粒の砂」を生きた男

この作品は、苦悩にもだえ苦しみながら、ひたすら正直に純粋に生きる男を中心に据えて語ってくる。ショーン・ペンの表情一つ台詞一つが観る者の心に突き刺さる。彼なればこそ伝わってきた主人公の思い。この作品で絶対に忘れられない一番の見所がショーン・ペンそのもの。いつの間にか彼が正しく、彼を認めない社会が間違っている感覚に陥りそうになる。しかしどんなに歪んだ不条理な社会であっても、その中で生きる以上、妻マリーのように、友人ボニーのように、歪みを前提に一生懸命に働き、生きていくしかないことを忘れてはいけない。そんな思いを強く持った。何時の時代も社会は「矛盾だらけ」。清濁併せ呑めずに社会の中で生きていくことは不可能であることは、当時も現代も変わらぬ事実。彼の苦悩は大いに理解可能ながら、社会への順応の悪さ、強い被害者意識、ひらめいた問題解決方法は明らかに常軌を逸していると言わざるを得ない。「賢く生きる」事が必ずしも悪ではないのと同様、「ひたすら正直に純粋に生きる」ことも時として善ではない。要はバランス感覚の問題。当然のこととして受け入れていた「社会の不条理」を、チョット立ち止まって考えさせてくれた。ウオーターゲイト事件で身を滅ぼした当時の大統領ニクソンを「ウソを言いつつ国民に二度も自分を売りつけた男であり、セールスマンの鑑」という表現は正に云い得て妙。

★★★★★ とてつもなく悲しい映画。

この映画を見終わった後に、主演のショーン・ペンがアイ・アム・サムで障害のある父親役を演じていた人物だったと知って驚きました。随分と痩せてしまったような気がします。それも役に入り込む為なのかもしれませんが。映画の中の話が進むにつれ、ドンドン主人公の居場所が無くなり、疲れていくんですが、とてつもなく悲しいというか、なんともいえない悲しみみたいな物が溢れてきます。仕事で嘘を付くのにもウンザリ、新しい事業は開始前から失敗、別居していた妻からは離婚を伝えられ、どん底に。そんなシーンが長時間続くので、ネガティブな映画が向かない人はもの凄く退屈に感じるんじゃないでしょうか。彼の言い分は正しいのか。それとも正しくは無いのか。社会がおかしいのか。大統領がおかしいのか。見ていてそれさえもわからなくなります。映画のラストシーンではなんともいえない絶望感というか、悲しいものがありました。人間は良い事をしながら悪い事を、悪い事をしながら良い事をする。彼はそれを受け入れられなかったんでしょうね。

★★★★☆ ショーン・ペンが凄い

彼が偉大な俳優だという事は分っている。それでも、こんな作品を見ると改めて(ショーン・ペンってほんっとに凄いな!)と思わずにはいられません。社会に馴染めず孤独を背負った男、家族に背を向けられ誰からも理解されず孤立する中で芽生える被害者意識。崩壊へ向けて徐々に崩れていく精神のバランスを見事に演じるショーン・ペンに圧倒されます。あまりに絶望感が強く、見ている方も真っ暗な闇に堕ちていきそうになりますので、あまり落ち込んでいるときには見ない方がよさそう。

★★★☆☆ ショーン・ペンが凄い!

劣等感、孤独感、疎外感あふれるショーン・ペンがリアルでいい。被害者意識が強く、口ばかり。セルフィッシュで幼稚なダメ男。偏見や差別に執拗にこだわり、世の中に信じられるものは金ばかり。飛行機で遊ぶシーンが心に残る。彼は大人になりきれなかった。精神的に、まだ子供なのだと、匂わせているように感じられた。共感できないが、役者は素晴らしい。真面目な作りに飽きない映画だった。

作品の詳細

作品名:リチャード・ニクソン暗殺を企てた男
原作名:The Assassination of Richard Nixon
監督:ニルス・ミュラー
脚本:ケヴィン・ケネディ
公開:アメリカ 2004年12月29日、日本 2005年6月11日
上映時間:95分
制作国:アメリカ
製作費:460万ドル
興行収入:440万ドル
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