全世界、失明
恐怖の伝染病。地獄と化した街。人類を震撼させるサバイバル・パニック・サスペンス!
ストーリー:始まりは一人の日本人男性だった。突然目の前が真っ白になり完全に失明する謎の伝染病は、彼の発症を皮切りに爆発的な勢いで拡がっていく。有効な治療法のない中、政府がとった政策は感染者の強制隔離だった。次々と収容所に集められていく人々。最初に失明した日本人とその妻、彼を診察した医者や売春婦、黒い眼帯の老人、幼い少年・・・。そしてその中にただ一人”見えている”女がいた。なぜか発症を免れたが、夫の身を案じて紛れ込んだ医者の妻だった。収容所は軍によって厳しく監視され、食料や薬品の要求もままならず、衛生状態も日増しに悪化していった。感染者の不安はやがて苛立ちへと変わり、所内の秩序は崩壊してゆく。生き残るのは果たして誰なのか?
キャスト:ジュリアン・ムーア、マーク・ラファロ、アリシー・ブラガ、ドン・マッケラー、モーリー・チェイキン、ダニー・グローヴァー、ガエル・ガルシア・ベルナル、サンドラ・オー、伊勢谷友介、木村佳乃
★★★★★ 謎の伝染病による失明
劇場で見ました。目が見えない恐怖に陥った人間たちが集団生活をすると、どうなっていくのか?秩序がなくなり、支配する者が現れたり、弱者は踏みつけられたり・・・。人間の本性が垣間見える。 争いや、残酷なシーンもありましたが、目が見えない人同士が絆を結託し、生き抜いていこうとするシーンには見応えがありました。鬼才メイレレス監督は、原作のイメージを崩さず、むしろ映像化のメリットを最大限に引き出し見事に映像化に成功したと思う。色を落とした映像など、視覚を工夫するあたりは、メイレレスらしい力強さを感じさせる演出だ。映像特典も、約90分と悪くもないし買って損はないと思います。
★★★★★ 精神的にキツイが、これこそが、メイレレス監督の見せ所
かなり、精神的にキツイ映画です。『ブラインドネス』タイトルが示すように、世界中で人々が失明してゆく。その原因も、ただ一人、視力を失わないヒロインも、理由は述べられません。ただ、その視力の失われた世界を描写するにあたり、ステレオタイプに暴力や秩序の乱れを描くのではなく、日本人や黒人といった、様々な人種を取り入れているのは
メイレレス監督ならでは、と思いました。過去の作品からも、貧困や差別といったテーマを取り上げているだけに、細かい点まで観客を意識しているな、と感じます。ただし、本当にこの2時間はキツイ。そしてラストも絶望感しか感じられない。彼女の役割と責務は、一体なんだったのか・・・それこそが、この映画の本当のテーマなのかもしれません。『ナイロビの蜂』でも一見すると、主人公の妻の行動に理解できないような描き方をしていましたが、この『ブラインドネス』でもやはりそうきたか・・・と思いました。単なるパニック映画ではない、人間の深層心理をグサリ、と突き刺すような稀有な作品です。
★★★★☆ 日本人でよかった。
現状のコロナ需要でこういった感染物を見ています。どのサイトを見ても非常に評価が悪いのですが、私自身は今世界が現実に感染症に悩まされている事で以前観た時と捉え方が変わりました。他の感染物映画もそうですが、こういう非常時に人間の本質が見えますよね。まさに今もそうです。海外の人は特に感情がストレートだったりするので、本能的になるのでしょう。日本ではもちろん、誹謗中傷や差別的な現象は多少ありますが、いたって大人しいです。少なくても表面的にはそうです。この日本人らしさは、とても大切です。ジュリアン・ムーアが素敵!
★★☆☆☆ 俺は試されているのか・・・?
はっきり言って観る人に評価がすべて委ねられている映画。眼が見えなくなったとき、あなたは奪うのか、奪われるのか。どちら側の人間になりますか?と投げかけられているようだ。劇中では人間の陰鬱とした「負」の部分にピントが合わせられているので不快に思う人間は多いはず。例を言うと、支配、略奪、暴力、陵辱、不倫、汚物など。 主人公の女性は全世界が失明する中でただひとりだけ視覚が正常な人間なのだが、非常に効率が悪いというか、つっこみどころが多い行動をするので観ているとあまりよろしくない。疲れる(笑)残念ながら自分はこの作品に感情を移入できるような人物はいなかった。製作者と視聴者が、何か切り離され孤立してしまった心細さが感じられた映画だった。映画の「バベル」を観たときもこんな気持ちになったものだ。映画のラストは主人公にそれまでとは違う試練が襲う。だが、彼女には支えがあるのだ。そういった意味で救いのあるラストだったんだろうなとぼんやりと思った。
作品の詳細
作品名:ブラインドネス |
原作名:Blindness |
監督:フェルナンド・メイレレス |
脚本:ドン・マッケラー |
原作:ジョゼ・サラマーゴ『白の闇』 |
公開:アメリカ 2008年10月3日、日本 2008年11月22日 |
上映時間:121分 |
制作国:日本、ブラジル、カナダ |
製作費:2500万ドル |
興行収入:1900万ドル |
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