停戦直後のバルカン半島、それは紛争地帯のありふれた一日。国際援助活動家たちは、そこで何を見たのか!
ストーリー:1995年、停戦直後のバルカン半島。ある村で井戸に死体が投げ込まれ生活用水が汚染されてしまう。それは水の密売ビジネスを企む犯罪組織の仕業だった。国籍も年齢もバラバラの5人で構成される国際援助活動家“国境なき水と衛生管理団”は、死体の引き上げを試みるが、運悪くロープが切れてしまう。やむなく、武装集団が徘徊し、あちこちに地雷が埋まる危険地帯を、1本のロープを求めてさまようが、村の売店でも、国境警備の兵士にもことごとく断られ、なかなかロープを手に入れることができない。そんな中、一人の少年との出会いがきっかけで、衝撃の真実と向き合うことになる・・・。
出演:ベニチオ・デル・トロ、ティム・ロビンス、オルガ・キュリレンコ、メラニー・ティエリー、フェジャ・ストゥカン、セルジ・ロペス
★★★★★ 映画で表現できる戦争状況の傑作。
人それぞれの考え方の違いや面倒なシステムや悲惨な状況を俳優の表情やウィットな会話で表現していく傑作です。久しぶりにの大ホームラン映画を観た。
★★★★★ 裏腹な現実と徒労感をおもしろく描いている
英語圏の人は心身ともに打ちのめされるような出来事に直面したとき、皮肉を込めて「ビューティフル」とか「パーフェクト」と言うことがある。だがそのような皮肉は、不都合な現実を冷静に受け止めたうえで、気持ちを新たにしてまた現実に向かっていく力を生み出す面があると思う。「A PERFECT DAY」という原題の本作は残忍で危険な現実のなか、また苦労が何にもならずに終わってしまうことがある現実のなかでも、それでも他者のために地道な国際協力を続けていく人たちの人間的な魅力を感じさせる。
★★★★☆ NGOにもっと光を!
戦争が停戦になれば、住民の生活を支援するNGOの出番となります。この映画はそんなNGOメンバーの象徴的な一日を描くことで、危険な仕事環境、国連軍の融通の無さ、地元住民との微妙な関係、戦争の醜さを浮き彫りにしています。地元住民は彼らNGOの支援が必要な筈ですし、彼ら無くして戦後の復興は無いとも言えるので、国連のバックアップや地元住民の理解がもっと広がるといいなと思いました。ただ、困難な状況に置かれていても、彼らが支援活動を生き甲斐にしていることを知るにつけ、本当に頭の下がる思いがしました。原題は「Perfect Day」で邦題は「ロープ」。確かにロープは重要なキーワードではありますが、きっかけに過ぎません。この映画はNGOメンバーの散々や一日に焦点を置いているので、邦題も「パーフェクト・デイ」で良かったのでは、と思いました。彼らにとって散々な一日でしたが、大雨のおかげで当初の目的が果たせてエンディングを迎えるので、晴れやかな気分になりました。
作品の詳細
作品名:ロープ 戦場の生命線 |
原作名:A Perfect Day |
監督:フェルナンド・レオン・デ・アラノア |
脚本:フェルナンド・レオン・デ・アラノア |
公開:スペイン 2015年8月26日、日本 2018年2月10日 |
上映時間:106分 |
制作国:スペイン |
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