ハンクの魂が宿る、トム・ヒドルストンの奇跡の歌声!
ボブ・ディランが初めて憧れたシンガー、ハンク・ウィリアムスの絶望と希望を描く
ストーリー:1944年、アメリカ・アラバマ州。ハンク・ウィリアムス(トム・ヒドルストン)は、愛する女性オードリー(エリザベス・オルセン)と結婚し、幸せな生活を送っていた。ハンクはシンガーとして成功するが、音楽活動が順調に進むにつれ家族との溝が深まり、寂しさを紛らわせるために他の女性やアルコールに逃げてしまう。レコード会社には品行方正な歌手であることを求められ、家族には父親としての役割を期待される。プレッシャーからますます自暴自棄になってしまうが、歌にだけはありのまま自分を込めようとした。
出演:トム・ヒドルストン、エリザベス・オルセン、チェリー・ジョーンズ、ブラッドリー・ウィットフォード、マディー・ハッソン、レン・シュミット
★★★★★ 完璧ではない人生、しかし人間的で愛すべき悲劇の天才を描いた、印象的な伝記映画。
2010年代も後半の今、ハンク・ウィリアムズという名前にどれぐらいの人がピンと来るだろうか、と考えると、レヴューを書くことに躊躇する部分もあるが、洋楽ファンであれば、やはり、観る価値のある映画ではないかと思う。流行りものだけを追いかけていればわからないかもしれないが、ちょっと踏み込んで洋楽を聴いていけば、必ずどこかにハンクの影響がある、といってもよいぐらい、ハンクの影響は大きい。20世紀の洋楽ファンであれば、カーペンターズのカヴァーでハンクの曲を耳にしているはずだし、今世紀すなわち21世紀の洋楽ファンでも、グラミー賞を総なめにしたノラ・ジョーンズのデビュー・アルバムにハンク・ウィリアムズのカヴァー曲があったのを覚えている人もいるかもしれない。そんなハンク・ウィリアムズはこの世界に30年もいなかった。短い生涯の間に、鮮烈な名曲や名演を残して、あっという間に人生を駆け抜けていった。ハンクの伝記映画は大昔にも作られたことがあるらしいが、今世紀に作られたこの伝記映画も、ハンクの人生をよく紹介している。細かい部分は脚色もあるかもしれないが、ハンクの人生のターニング・ポイントであるような出来事(と、いくつかの名曲)はちゃんと押さえられている。ある意味ドキュメンタリー的な雰囲気もある、再現ドラマ風の音楽映画になっている。最初の結婚は、やがて破綻。二番目の妻は本当にそんな台詞でハンクを送り出したのかは知らないが、この映画では「ムカつく男だけど、愛しているの」と運転を引き受けた青年に安全運転を促し、ツアーへと送り出すが、その車内でハンクは急逝する。何かの参考になる映画とかではないかもしれないけれど(怪しげな民間療法なんかに頼るもんじゃないな、とかそういう感想もなくはないけれど)、観て心に残るものはあるし、こんな天才アーティストがいて、その後のポピュラー・ミュージックの発展がある、ということに想いを馳せる、そんな映画。
★★★★☆ ライティングが見もの
知人の紹介でしたが、とても気に入りました。トム・ヒルドソンのハンク・ウィリアムスはたぶん実像とはかなり違うと思われますが、(29歳で亡くなった年齢が出ていない)それでも女と薬と背中の奇病とが彼をむしばんでいるのはよく描かれているし、トムの歌もうまい。全編を通して計算つくしているようなライティングは、それだけ気にして見ていても見る価値があります。
作品の詳細
作品名:アイ・ソー・ザ・ライト |
原作名:I Saw the Light |
監督:マーク・エイブラハム |
脚本:マーク・エイブラハム |
公開:アメリカ 2016年3月25日、日本 2016年10月1日 |
上映時間:123分 |
制作国:アメリカ |
製作費:1300万ドル |
興行収入:180万ドル |
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