愛をためらう大人たちへ
冬のニューヨークを舞台に、切ないほど愛に不器用で、心のまま正直に生きる三人の男女を描いた等身大のラブ・ストーリー
ストーリー:冬のニューヨーク。愛していた婚約者に棄てられ、自殺未遂を繰り返すレナード(ホアキン・フェニックス )は、鬱屈した気持ちを抱えながらも、両親が営むクリーニング店を手伝っていた。そんな息子を心配する両親は、知り合いの娘であるサンドラ(ヴィネッサ・ショウ )をレナードに紹介する。まじめで純粋な彼女にレナードは心の安らぎを覚えていくが、その一方で、偶然知り合った魅力的な女性・ミシェル(グウィネス・パルトロー)に心奪われていく。
出演:ホアキン・フェニックス、グウィネス・パルトロー、ヴィネッサ・ショウ、イザベラ・ロッセリーニ、モニ・モシュノフ、イライアス・コティーズ
★★★★★ 愛でも恋でも哀でも故意でもなく
あらすじだけ見るとくだらなさそうですが逸品です。オトコの情けなさとオンナのバカさが出てていい映画です。人生とは人を食った喜劇の云いだ。
★★★★☆ 恋愛の滑稽な残酷さ
甘く切ない恋の物語であるはずが、遠慮会釈なく臓腑をえぐる辛辣赤裸々な物語へと何時しか変貌してしまうのがこの映画の魅力でしょう。います、います、こういう軟弱な草食系的男子レナード君と、高度消費社会の落とし子、自己愛中毒、今でいえばBPD、昔でいえば重症のヒステリー性格、ミッシェルちゃん。こういう女性、末路は悲惨なんです。自分しか愛せないというか、男を自己愛の充足のためにとことん利用する、見捨てられ恐怖からの防衛としての独得の対人パターン、愛想は良くって人懐っこく如才ない。ルックス整備、お手入れも抜かりなし。これはと思った金持ち男とは妊娠までしちゃって、なんとかゲットを目指す蜘蛛女。未熟なレナード君をさんざんもてあそび振り回します。弁護士事務所の金持ちおじさんも金と権力持っているから執着する、ただそれだけ。このおじさんも馬鹿じゃないから、しゃぶられたふりして、最後はこの疫病神女をなんのかんので、上手く口実つけてポイ捨てするのが世の定め。そういうかわいそうな女の子を、バルトローは実に悲しくリアルに好演。利用されるだけ利用されあっさり振られたレナード君、結果オーライで良かった、良かった、いい勉強になりました。身の破滅からは逃れられました。今度の奥さんと、まあ、あまりうまくいかない。
作品の詳細
作品名:トゥー・ラバーズ |
原作名:Two Lovers |
監督:ジェームズ・グレイ |
脚本:ジェームズ・グレイ |
公開:アメリカ 2009年2月13日 |
上映時間:110分 |
制作国:アメリカ |
製作費:1200万ドル |
興行収入:1600万ドル |
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