ドラマ

ウィンターズ・ボーン

愛する家族を守るために、自分の未来を切り開くために、1人の少女が希望を持って力強く生きる姿に、誰もが心揺さぶられる感動作

ストーリー:ミズーリ州南部オザーク山脈の村に住む少女リー(ジェニファー・ローレンス)は17歳にして一家の大黒柱として、心の病んだ母親の代わりに幼い弟と妹の世話をし、その日暮らしの生活を何とか切り盛りしていた。ある日、地元の保安官から衝撃的な事実を突きつけられる。とうの昔に家を出て逮捕されていた父親が、自宅と土地を保釈金の担保にして失踪。もしこのまま裁判に出廷しなかったら、リーたちの家は没収されるのだという。やむなくリーは、たった一人で父親探しに乗り出すが、ならず者だらけの親族は全く協力してくれず、露骨な妨害工作さえ仕掛けてくる。“非情な掟”に縛られた村で真実を探り当てることは不可能に近い。果たしてリーは父親を見つけ出し、家族を守ることができるのだろうか・・・。

出演:ジェニファー・ローレンス、 ジョン・ホークス、ケヴィン・ブレズナーン、デイル・ディッキー、ギャレット・ディラハント、シェリル・リー、テイト・テイラー

視聴者の声【Amazonレビューより】

★★★★★ ひたすら暗い映画/ジェニファー・ローレンスの出世作

ミズーリ州南部のオザーク地方に「ヒルビリー」と呼ばれる白人貧困層の話。アイルランドやスコットランドからの移民の末裔で、(映画の設定では)村自体が麻薬製造で成り立っている感じ。この辺の事情がわかってないとこの映画は理解しにくいと思う。非合法なことを生業しているので(警察と話しただけで殺されたりするので)、警察にも非協力的だし一種の無法地帯。だからか、ひたすら暗くてリアルで救いのない映画。傑出しているのは、ジェニファー・ローレンスの演技力。もちろん『ハンガーゲーム』でブレークしたんだけど、『ハンガーゲーム』なんかに出すのは惜しいような演技力。演劇学校にも行ってないし、ただ小さい頃はよく嘘をついていた(まあ、これも一種の演技だけど)というだけの天才。ジェニファー・ローレンスの演技を見るだけでも、一見の価値がある作品。

★★★★★  17才の少女が主人公のハードボイルド映画

アメリカ中西部の貧しい山村。そこで暮らす人々の、生活を守るための厳しい掟。などなど物語の背景は奥が深いのですが、主人公のリー(ジェニファー・ローレンス)が家族と家を守ろうと過酷な状況の中を真っ直ぐに突き進んでいく姿が最も印象に残ります。脅されても、リンチを受けても、くじけることなく黙々と立ち上がり前を向いて歩んでいく。さりとて男勝りに腕っぷしが強いわけじゃないし、銃をぶっ放したりもしない(猟はするようですが話の大筋とは関係ありません)。そればかりか、解決の鍵となる人物について最初は「怖くて近寄ることもできない」と言ったりします。いわば、あたりまえの17才。しかしその人物と会って話をしなければ家を失ってしまう。家を失ったら、彼女が養っている幼い弟と妹、病気の母親は生きていけない。覚悟を決めたリーは、敢然と面会を求めに行きます。そのような少女の行動を淡々と描くこの作品は、ともすると「つまらない」という評価に結びついてしまうことでしょう。娯楽的要素は皆無ですし、謎もあってないようなもの。派手な山場もなく、カメラは静かに少女の姿を追い続ける。ですがその静けさと、策を弄したりしない少女の真っ直ぐさが「何としても家族を守る」という決意を際立たせもします。金も力もない17才の少女リーにあるのは、恐怖を乗り越えて困難に立ち向かう勇気だけ。その姿勢はまさにハードボイルドです。アメリカのひとつの暗部を描いており、いろいろ考えさせられる映画である一方、難しいことを考えず凛々しい少女の姿を見ているだけで生きる力をもらえる作品でもあります。

★★★★☆ 淡々と話は進む

この映画はエンターテインメントではありません。血沸き肉躍るアクションも無ければ、恋愛沙汰もありません。すべて現代アメリカのホワイトトラッシュ(白人貧困層)の現実を描いています。ニューヨークやロサンゼルス、ビバリーヒルズやラスベガスの街並みは、アメリカを象徴していますが現実にはこの映画のように、保守的で停滞しきってどんよりとした地方の田舎こそがアメリカなのです。周囲も含めて、救いようのない現実が支配している映画ですが、ラストは感慨深いものがあります。

★★★★☆ リアルさを増したアメリカ社会派成長映画

見ていて、ちょっと前に見た『フローズンリバー』を思い出していた。描かれるのは厳しい現代のアメリカ。そして題材はアメリカ映画の紋章ともいえる「家族」の問題で、いわばその崩壊と再生とが扱われる。ひとつの成長物語でもあるわけだが、その種の物語にありがちな甘さやご都合主義は感じられない。一頃、アメリカ映画といえば、必ずしも根拠のない楽天主義がやたら表に出て、悲惨な現実を扱う内容の場合ですら、だいたいは何らかの希望や救いが必ず用意されていて、それに感動することも少なくない一方で、ときに鼻白むこともあったように思う。この映画はしかし、現実の厳しさを正面から描いているし、17歳というヒロインもけっこうギリギリのところでそれと向き合っていると感じられた。そうした描き方が、細かく丁寧で、同時に引き締まった揺るぎのない映像を作り出している。最終的には、ギリギリの切ないところに賭ける想いへの共感があり、それがまたややこしい人々をもついには動かしていくわけで、そうしたところにはアメリカ伝統の価値観なり美学なりはしっかり生きていると思うのだが、題どおりに地味めで渋く、いかにも真剣な映像には好感がもてた。困難をどう乗り越えるかだけでなく、失踪した父親に何が起こったをめぐって一種ミステリー的な興味もあって、多少展開が理解しにくい部分もあるとはいえ、興味を惹きつけられたまま見られる。インディペンデント映画、要するに自主制作映画だそうで、それでいてアカデミー賞作品賞ノミネートというのは快挙だろう。低予算でもいい映画が作れる見本のような作品だと思う。さらに特筆すべきはヒロインの演技。アカデミー賞で4部門、作品賞、主演女優賞、助演男優賞、脚色賞にノミネートされたそうだが、とくに主演女優賞は納得できる。

★★★☆☆  アメリカの病巣を、田舎に置き換えて描写。

アメリカの尚も解決できない深い病巣を、深くえぐった作品だと思う。ややもすると人間の因業三昧が表立っている。無垢な子供たちとそれを必死で守ろうと、もがきあえぐ、J・ローレンスの演技は秀逸でした。脇を固める俳優のキャストも凄いと思います。ただ、観た後、何ともやりきれない思いが残る。入り込むと、この後の、J・ローレンスとその弟妹たちの行く末が開けていきますようにと考えてしまします。

★★★☆☆ どんより

画は終始、どんよりムードで進む。失踪した父親を見つけないと担保にされていた家を取られる設定。しかし話はヤバい方向へどんどん進むも、結局父親がどんな悪い事をしでかしたかはなかなか明かされず。人間関係も複雑で、誰が親戚で誰が仕事仲間なのかよくわからん。まぁ話はわかりずらいわな。主演のジェニファー・ローレンスが地味な役どころ、どこかジュリエット・ルイスの若い頃に似てて笑った(笑)

作品の詳細

作品名:ウィンターズ・ボーン
原作名:Winter’s Bone
監督:デブラ・グラニク
脚本:デブラ・グラニク
公開:アメリカ 2010年6月11日、日本 2011年10月29日
上映時間:100分
制作国:アメリカ
製作費:200万ドル
興行収入:1300万ドル
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