ドラマ

モナリザ・スマイル

1950年代の名門女子大学を舞台に、伝統を重視する環境の中で“自分の頭で考えることの大切さ”を教えようとする一人の新任教師の姿を描いた作品

ストーリー:名門ウェルズリー大学に、新任教師がやってきた。彼女の名はキャサリン(ジュリア・ロバーツ)。夢は米国一保守的な生徒に、自立する力と進歩的な教育を与えること。しかし、彼女たちの憧れは“良き妻”になることだった。伝統を重視する人々の反発を受けながらも、キャサリンは毅然と、“自分の頭で考えることの大切さ”を教える。そんな彼女と生徒たちに、人生の選択の時が迫っていた・・・。

出演:ジュリア・ロバーツ、キルスティン・ダンスト、ジュリア・スタイルズ、マギー・ギレンホール、マーシャ・ゲイ・ハーデン、ジニファー・グッドウィン、ドミニク・ウェスト、トファー・グレース、リリー・レーブ

視聴者の声【Amazonレビューより】

★★★★★ 今も昔も歴史は繰り返す

アメリカでほんの50年ほど前の話ですが、今の日本でも通じるものがあるように感じました。家庭に入る妻、母である女の役割の前に、一人の個性的な人間として可能性をおおいに開花させて欲しいといった大人のメッセージはいつも、なかなかストレートには子どもには届かないもの。先輩の世代には反発するのが後輩世代というか、人間の性っていうものかもしれません。それゆえ歴史は繰り返す。映画自体は、ジュリアロバーツの美しさ、若手女優たちの個性の輝き、流れるようなストーリー、秋模様や冬景色の美しさを楽しめました。ジュリア演ずるワトソンが「未来のリーダーを育てるのではなく、良妻賢母を育てる所だったなんて、私は騙された!」と怒鳴る気持ち、正直、わからないでもないです。演じた役者たち(キルスティン・ダンストなど)は昔の女性たちの気持ちに感情移入できなかったとインタビューで答えていました。ジュリア演ずる、美術教師の意図は、彼女の当時先進的な考えを押し付けるのではなく、経済的に恵まれ、学校へ行ける限られた未来ある若い女性たちだからこそ、頑張って欲しいという、純粋な素朴な願いだったと思います。けっして「専業主婦」や「母性」を否定することではなかった。「両立できるのよ、選択できるのよ」と何度かセリフで言っていましたが・・・女子学生はそのセリフの深い意味を理解してなかったですね。日本の若者たちにはまだ早いかなあ・・・。大人の女性はわかる映画だと思いますよ。

★★★★★ 自分の人生への責任

女性が型にはまった生き方を選択することが幸せだと信じられていて、実際にそれが幸せになるための手段だった時代。
それが当たり前だと信じていた、信じていなくてもそれに沿って生きていくしか手段がないと思われていた一種あきらめの世界に射した光。自分が自分らしく生きるとは何か。生きるということは、どのような人生を選んだとしても自分の人生を悔いなく生きること。さまざまな選択肢の中からそれしか選べなかったとしても。

★★★★☆ 美しい画面の中で互いに苛立つ人々

美しい色彩と陰影に満ちた画面の中で、互いに相手に苛立つ人たちが織り成すこの作品を観て、色々なことを考えさせられました。結婚して家庭に入ることこそが女性の幸福だという価値観に囚われた保守的な人々が、女性の自立という新しいテーマに拒絶反応を示して高飛車に弾圧しようとするのは、臆病の裏返しなのでしょう。とはいえ「保守的な価値観を決して否定しているわけではない」と言いつつ挑発的な言動を繰り返して、対立を先鋭化させてしまうキャサリンにも共感できませんでした。結局、法学部進学の道を捨てて家庭に入ることを決意した女学生が、一番勇敢で大人だったように思います。家庭に入るのであれ、自立するのであれ、大切なのは自分の価値観に拘泥して相手を否定することではなく、人を尊重して相手のありのままを受け入れられる強さではないでしょうか。

★★★★☆ 考えさせられる映画

ストーリー、衣装、美術、どれをとっても映画として一級とは言い難いのだが、見終わった後にとても考えさせられる。
自分が生きている間に、女性の合衆国大統領は見られても日本国首相は無理だと思っていた。しかし日本と比べて格段に先進的で性差によるハンデが少ないアメリカでさえ、たった50年前は女は大学を出てまでも良き妻・母であることを押しつけられていたのかと思うと、不可能と思いこむこと自体が道を閉ざすことに他ならないと感じられた。自分たちが如何に抑圧された性であるかということ、そしてそれをうち破る努力は自身の手でしなければいけないということに気付かされる。全ての女性たちに見てもらいたい一本。

作品の詳細

作品名:モナリザ・スマイル
原作名:Mona Lisa Smile
監督:マイク・ニューウェル
脚本:ローレンス・コナー、マーク・ローゼンタール
公開:アメリカ 2003年12月19日、2004年8月7日
上映時間:120分
制作国:アメリカ
製作費:6500万ドル
興行収入:1億4100万ドル
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