2003年カンヌ映画祭を震撼させた、無冠にして最大の話題作!
廃墟の工場の床に家や道を表す線が引かれただけの極限のセットで全編を撮影することにより、無限の世界観を見事に創出。
ストーリー:ロッキー山脈の平和な村ドッグウィル、謎の女グレース(ニコール・キッドマン)がギャングに追われ村に逃げ込んでくる。議会の許可を得て、村に滞在することになったグレースは、献身的に村人の仕事を手伝い彼らの信頼を得ていく。しかし、ある出来事をきっかけに、村人たちの善意は徐々にエゴと欲望に変貌していき、物語は一気に破滅的結末へと突き進み『審判の日』を迎える・・・。
出演:ニコール・キッドマン、ポール・ベタニー、クロエ・セヴィニー、ローレン・バコール、ステラン・スカルスガルド、ジェームズ・カーン、パトリシア・クラークソン、ジェレミー・デイヴィス、フィリップ・ベイカー・ホール
★★★★★ 凄い映画だ!!
内閣官房参与の藤井聡氏の「強靭化の思想」という本の中に心を強靭にする映画ガイドというのがあって、その中で、この映画の紹介がされていて観る気になった。何の知識も無くこの映画を観たら、撮影方法が普通の映画と比べて異質であるので序章で投げ出したかもしれない。しかし、ストーリーが進むにつれ徐々に惹きこまれてゆく。人間の醜さが汚さ嫌らしさを散々みせられたうえで、ラストとなる。かなり衝撃的ではあるがその主人公の想いはよくわかる。とにかく凄く良くできた人間というものの内面を追求した異常さがあるおもしろい作品であると思う。一度観ただけではこの作品の奥深さはなかなかたどりつけないと言えるかもしれない。
★★★★★ 考えさせる作品
まず、ニコール・キッドマンがとても美しい。本当にびっくりした。人間の本質がみることができる、そんな映画。グレースが街にやってきて、村の人々と交流し仲良くなっていく。一定の条件のものに置かれた状況の中で、その関係は常軌を逸脱し始める。グレース自身がその行為に対し、理性をもって、赦しを体現しようとする。しかし、いつもの日々の中で、ふいに出た言葉が、彼女自身も本音に気づいてしまう。最後は感情と自身の信条、理性と話し合った末、衝撃の結末を迎える。観ている人にとっては、所々、グレースや村人に共感する部分もあると思う。自分ならどうするか? そういう問いをずっと問いかけてくれる映画。見ている途中で、恋人に対する無償の愛について考えました。本当に無償だったか? 見返りを少しでも求めていなかったか?と考えたとき、ぞくっとしました。良い悪いを示す映画ではないと思う。登場する人々のとった行動に対して、考えさせる機会を与えてくれる作品と思う。
★★★★★ 映画について考え直す
この映画は、今までにない舞台装置を使用している。舞台のような印象を持つセット、パントマイムのような俳優の演技、壁や天井を取り去ったオープンなセット、このセットには、隠し事が存在しない。そんな一見、映画が成り立ちそうな感じのしないセットで物語は進んで行く・・・物語が進むにつれ、隠し事があるのは、人間の心の中に存在することに気付かされ~~る、人間ってなんて酷い生き物なのかに気付かされる・・・ただ、舞台のような場所をカメラで撮影したのではなく、かなりのデジタル技術が使われている。大変、面白い作品です。
★★★★☆ 人間というものにつて
人のあり方を考えさせられます。映画は独特な作りになっていて、舞台劇を見ているようです。(舞台劇を見たことはありませんが・・・)。ニコール・キッドマンは、どんな役柄をしても・・・疲れ切った顔さえ美しいの一言です。
★★★★☆ 醜悪かつ不愉快なレイプ描写、覚悟して観てください
物語は何者かに追われているニコール・キッドマン演じるヒロイン、グレースが小さな村に辿り着く場面から始まります。閉鎖的なその村によそ者であるグレースを受け入れるかどうか、村人たちは協議し、その結果グレースは村に温かく受け入れられる、とここまでは普通の映画によくある話です。しかしそこから先は非常に醜悪かつ不愉快な描写が連続します。何者かに追われているグレース、村人たちは言いなりにならなければその何者かに引き渡す、という状況をつくりあげ、従わざるをえないグレースに対し、自らの欲望の限りを尽くします。そう、まさにタイトルのドッグヴィル(犬の村)の通り、犬畜生のように。この描写はかなり強烈で、これから観る人には覚悟して観てくださいと忠告したいです。まあはっきり言ってしまえばレイプなのですが、このレイプは暴力的な男が女性を無理矢理、という種類のレイプではなく、もっと醜く不愉快なものです。抵抗できない女性を自らの欲望のはけ口にする情けない男達…。同じ男として見ていて非常に不快感を覚えました。しかし、それこそがこの監督の狙いなのです。男の性欲、女の嫉妬心、子供の残酷さ…、この作品は人間の醜い部分をこれでもかと我々に見せつけてくれます。集団心理にかられた村人たちによって、グレースが奴隷以下の存在になったとき、グレースを追っていた何者かが現れ、物語は衝撃の結末を迎えます。このラストシーンこそ、トリアー監督の我々の胸に生まれた不快感に対する回答。この映画は非常に醜悪で不愉快な作品ですが、しかし、見る価値のある作品だと感じました。
★★★☆☆ 素晴らしいが・・・
確かにいい映画。これだけはわかる。人間が生み出すエゴと欲望をリアルに映しだす映画で、すごく胸をうたれたし、今までに観たことのない世界観なので雰囲気としては星5です。しかし、観ていていいものではなかった。不愉快すぎてヘドがでる。これほど不愉快になった映画は『ミスト』や『アトランティスのこころ』以来である。村人全員がクソ野郎で、あのトムの野郎も何もしようとしない最低のクソ野郎だった。映画の世界観とニコール・キッドマンは素晴らしい。不愉快になりさえしなければ、星5なのですが。
作品の詳細
作品名:ドッグヴィル |
原作名:Dogville |
監督:ラース・フォン・トリアー |
脚本:ラース・フォン・トリアー |
公開:デンマーク 2003年6月4日、日本 2004年2月21日 |
上映時間:177分 |
制作国:デンマーク、スゥエーデン、ノルウェー、フィンランド |
製作費:1000万ドル |
興行収入:1600万ドル |
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