過去を覆いかくすかのように降りつもる雪の中で永遠に取り戻せない切ない愛の記録。
1954年、ワシントン州北西部のピュージェット湾に浮かぶ小さな島、サン・ピエドロ島。ある朝、漁師のカール・ハイン(エリック・サル)の溺死体が発見される。彼の頭には打撲の傷があり、殺人容疑者として、日系アメリカ人の漁師、ミヤモト(リック・ユーン)が逮捕される。その裁判の行方を熱心に見守る新聞記者のイシュマエル(イーサン・ホーク)。彼は、激しく愛し合いながらも、戦争中に自分のもとから去っていったミヤモトの妻、ハツエ(工藤夕貴)のことを忘れられずにいたのだった。弁護士のネルス(マックス・フォン・シドー)の努力も空しく、ミヤモトにとって不利な状況証拠と証言が次々と示されていくなか、独自に事件を調査したイシュマエルは、ハインの死が事故だったことを示唆するある証拠を発見する。しかし、この証拠さえあればミヤモトの無実を証明できると知りながら、彼の心は揺らぐのだった・・・。
出演:イーサン・ホーク、工藤夕貴、リック・ユーン、サム・シェパード、マックス・フォン・シドー、ジェームズ・クロムウェル、ジェームズ・レブホーン、リチャード・ジェンキンス、 鈴木杏
★★★★★ 切ないラブストーリー
第二次世界大戦、日本人迫害、その中で起こる殺人事件?など激動の時代、それぞれの感情渦巻くなかストーリーが展開されていくのですが、この映画から受ける印象はあくまでも「静寂」です。静かに物語は淡々と進んでいきます。偏見と世論に翻弄される人々。その中で真実と正義を貫く困難さ。重いテーマをあつかっていながらも、重苦しさを感じさせない映像です。霧のたちこめる湖、船をうつ水音、ヒマラヤ杉に降る雪・・・夜、静かに1人で部屋の明かりを消して見てください。霧と雪の白、そして影の暗青色がとても印象的です。ラストシーンが大好きで何度も繰り返し見ました。そしてイーサン・ホークの切ない演技に涙しました。見終わってからも、いろいろな事を考えさせられる映画です。
★★★☆☆ 美しい景色
全体的に暗く静かな雰囲気がただよっています。それは、寒い地方の冬で、雪が覆いかぶさっているからでしょうか。音楽もそれに追い討ちをかけるように沈んでいます。それは暗い歴史をイメージするのにぴったりなのかもしれません。映画を鑑賞する上では、ちょっとしんどい気もしますが。ただ画面は暗めですが、美しい景色が映されていることは確かです。イーサン・ホーク、工藤夕貴、リック・ユーンの3人はそれぞれ独特の存在感があり、なかなか良かったと思いました。3人に限らず、他の脇役もはまっていたと思います。
作品の詳細
作品名:ヒマラヤスギに降る雪 |
原作名:Snow Falling on Cedars |
監督:スコット・ヒックス |
脚本:スコット・ヒックス |
公開:アメリカ 1999年12月9日、日本 2000年4月1日 |
上映時間:127分 |
制作国:アメリカ |
製作費:3600万ドル |
興行収入:2300万ドル |
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