見てはいけないものを見た・・・アルジェントが仕掛けた深紅の迷宮!
ストーリー:盲目の元新聞記者アルノ(カール・マルデン)はある晩、姪のロリーを連れて散歩中、街路に停められた車の中で言い争う2人の人間を“目撃”した。その夜、彼の自宅近くの染色体研究所に強盗が入り、続いて同じ研究所の所員が駅のホームから線路に突き落とされて殺される。被害者が車中で口論していた男だと知ったアルノは、青年記者ジョルダーニ(ジェームズ・フランシスカス)と共に事件を推理。染色体研究所の関係者が怪しいと睨むが、狂える殺人者は幼いロリーを誘拐し、アルノを脅迫し始める・・・。
出演:ジェームズ・フランシスカス、カール・マルデン、カトリーヌ・スパーク、ホルスト・フランク、ピエル・パオロ・カポーニ、チンジア・デ・カロリス、カルロ・アリゲイロ
★★★★★ 魅力的な人物設定
『歓びの毒牙』の世界的なヒットの後、製作資金を集めるのが容易になったアルジェントは次の作品に取り掛かった。『わたしは目撃者』である。原案はダリオ・アルジェント、ルイジ・コロ、ダルダーノ・サセッティの3人。この映画のメーンアイデアであるXYY染色体のアイデアは英国のサイコ・スリラー『密室の恐怖実験』にヒントを得たといわれている。そしてロバート・シオドマク監督の『らせん階段』も参考にされた。元ベテラン新聞記者の盲人と若い記者とのコンビという人物設定。作品中にちりばめられた殺人の凝り方。モリコーネの音楽。どれをとっても魅力的だ。北イタリアのトリノの町も美しい。アルジェントの初期3部作のなかではもっとも特徴のない映画だが、独特の美学はここでもうかがえる。
★★★★☆ 初期作品は原点の宝庫!
この作品では、その後に公開されるジャーロ(推理)系アルジェント作品の原点を垣間見る事が出来る。独特の冷たい映像美、効果的に挿入される短い回想シーン、登場人物全てを疑いたくなるような人物描写など、後に「サスペリア」や「シャドー」といった作品群でも充分に生かされている手法だ。全体的なストーリー展開はややパンチ不足も否めないが、上っ面だけの恐怖映画とは常に一線を画すアルジェントの美学は堪能できる。最近では、ここ数作品では見られなかったジャーロへの回帰を「スリープレス」で果たしてくれた。それもこれも、やはりこの「わたしは目撃者」や、デビュー作「歓びの毒牙」が原点であることを認識させてくれる。個人的にはやはり、ジャーロを追求するアルジェント映画が好きだ。
作品の詳細
| 作品名:わたしは目撃者 |
| 原作名:The Cat o’ Nine Tails |
| 監督:ダリオ・アルジェント |
| 脚本:ダリオ・アルジェント |
| 公開:1971年2月11日 |
| 上映時間:112分 |
| 制作国:イタリア、フランス、西ドイツ |
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