ドラマ

ビッグヒート 復讐は俺に任せろ

復讐を誓い、巨大組織に立ち向かう男

ストーリー:警官が自殺した。ダンカンというその警官はギャングと内通していたのだ。ところがダンカンの妻は警察に嘘の報告をし、遺書を利用してギャングをゆすっていたのだった。殺人課のバニオン(グレン・フォード)は疑惑を捜査し始めるが、警察上層部にもギャングの勢力が及び、圧力がかかり捜査から外された上、妻を殺されてしまう。復讐を誓ったバニオンは、たった一人で巨大組織に立ち向かう・・・。

出演:グレン・フォード、リー・マーヴィン、グロリア・グレアム、ジョサリン・ブランド、キャロリン・ジョーンズ、ジャネット・ノーラン

視聴者の声【Amazonレビューより】

★★★★☆ グレン・フォードががっこいいダーティ・ハリーの前身

フィルムノワールの分野で圧倒的功績をあげたフリッツ・ラング監督の評判作。この世の不正を正そうと仲間に疎まれながら苦悩する熱血刑事がギャング団に立ち向かう姿は見ていて小気味いい。構成や編集、そして演出もストレートなのでとてもわかりやすく多くの人が魅了されるのも納得です。それと、ショッキングなシーンはあえて映像にせず、音や雰囲気だけで処理することによって逆にインパクトが増しています。ノワール・ヒーローとしてはいささか薄味のグレン・フォードもここでは水を得た魚のように格好いい。この人は、やはりさらりとした立ち振る舞いが魅力の俳優さんなのでしょう。時おりみせる眼光の鋭さは忘れがたい。フォード演じる刑事になぜかなつくグロリア・グラハム扮するチンピラの情婦もかわいらしいセクシーさを振りまいて味があります。彼女が最初から物語の核心にからんできたならばさらに面白かったのではと思います。無名時代のリー・マービンもチンピラを楽しそうに演じていていいですね。たしかに面白いフィルムなのですが、もっと暗くストイックな雰囲気に終始すればいっそう完成度が上がったかも。後半、フォード扮するはぐれ刑事に同情する人々が増えてくるあたり、いささか作品の持つストイックなトーンが色褪せてしまいます。フォードがダーティー・ハリーばりの一匹狼的キャラクターを熱演しているだけにそこが少し残念でもあります。また、先ほども触れましたがグラハムがいい味をせっかく出しているのですから、彼女のキャラクターをもっと掘り下げて欲しかったというのもあります。フリッツ・ラング監督のフィルムノワールは男女関係をとりあげた作品群が面白いし質が高いですね。『飾り窓の女』、『ブルーガーデニア』、『熱い夜の疼き』などの演出も冴えていると思います。ただ娯楽性という意味においてはやはり『復讐は俺に任せろ』はなかなかの出来栄え。

作品の詳細

作品名:ビッグヒート 復讐は俺に任せろ
原作名:The Big Heat
監督:フリッツ・ラング
脚本:シドニー・ボーム
公開:アメリカ 1953年10月14日、日本 1953年12月6日
上映時間:90分
制作国:アメリカ
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