日中戦争時の中国で、国民党軍を支援したアメリカ義勇軍「フライング・タイガース」の活躍を描く戦争映画
ストーリー:中国の蒋介石でさえもその名を称えた、中国軍外人戦闘機部隊「フライング・タイガース」。隊長のジム(ジョン・ウェイン)の指揮のもと、隊員たちは日本軍航空機部隊と果敢に戦っていたが、物量の差ゆえ、やむなく犠牲者を抱えることもあった。ジムはラングーンで、ある事件で隊を追われた鼻つまみ者、ウディ(ジョン・キャロル)の複隊を懇願される。彼は基地就任の直後、ジムの恋人である従軍看護婦のブルック(アンナ・リー)に手を出し、あっさりと振られてしまうが、懲りないことに命令を無視し、故障した戦闘機に乗って戦場の真っただ中に出撃してゆくのだった・・・。
出演:ジョン・ウェイン、ジョン・キャロル、アンナ・リー、ポール・ケリー、ゴードン・ジョーンズ、メエ・クラーク、アディソン・リチャーズ
★★★★★ いかにもハリウッド的な戦争映画
西部劇でおなじみのジョン・ウェインが中国戦線で日本軍を相手にP-40戦闘機を駆る義勇軍部隊長を演じる戦争映画。日本軍が敵役なのだが、それほどプロパガンダ臭はなく、普通に観られる娯楽作品である。作中の日本兵は明らかに中国人のキャストで、セリフが中国訛りの日本語なので、これはちょっと違和感を感じるが、あとは普通のハリウッド映画という感じで、今日見ても十分に楽しめる。現地の整備兵は中国人だし、レストラン(っと言えるのかどうか、怪しいくらいのみすぼらしさ)のマスターも中国人。もちろんバンド等なく、BGMはレコードで、係の老人が居眠りしてレコードが終わってもカタカタとターンテーブルが回っているくらいののどかな風景である。空中戦で撃ち落とした戦闘機の数だけ褒賞が出るのだが、そこに賞金稼ぎの戦闘機乗りが入隊してきてひと悶着あったり、従軍看護婦とのロマンスがあったりと、ジョン・ウェインの西部劇に親しんだものにはお決まりの展開であるが、当時の中国戦線の雰囲気を味わえるのが本作の魅力である。機影判別のレッスンで、『これは川西製の戦闘機だが、注意すべきは中島製の戦闘機で……』などと、ジョン・ウェインがレクチャーしているのも面白いシーンだ。戦時中にこのような作品をしかもカラーで製作しているのがいかにもハリウッド的である。日本兵を悪意的に描くことよりも、義勇軍の人間ドラマに重きをおいているので、観ていても不快感はない。プロペラ機の戦闘機に興味のある人にはオススメである。空中戦も特撮を交えた迫力のあるもので、これも本作の魅力だ。
★★★★☆ P-40
1942年作品。既に太平洋戦争は始まっている。あってもおかしくないが、私はプロパガンダを感じることは無かった。ストーリー仕立てが しっかりしており、とても戦時下の作品と思えない。大統領の開戦演説をそのまま流す余裕である。アメリカの余裕を見せつけられる。この映画の見せどころは、何といっても あのワニの口 様のイラストで有名な カーチスP-40。それに、中国語で書かれた「救援」フライトジャケット。このジャケットについては、昔 某商店からレプリカが出ており、買おうとしたが、これを着用して歩けば 如何なる事態を生じせしめるか との社会的影響を考慮し、購入については これを放棄するに及んだ。一言でいうなら、日本は このような国を相手に戦争をしたのだ、という現実を見せつけられる作品。
★★☆☆☆ 吹替での鑑賞をお勧めします。
ジョン・ウェイン主演で数多く作られたのプロバガンダ映画のうちの一作です。正直、戦闘機好きでも無い限り、日本人が見て面白いと感じるような映画ではないでしょう。蒋介石の顔写真のアップをバックに、「日本軍を追い払ってくれたアメリカ軍に感謝します」などというナレーションとともに始まるこの映画ですが、本編に入ってからは、米軍の勇敢なパイロットや、ビジネスの為に戦闘機に乗っているパイロットらが日本の戦闘機をどんどん撃ち落していくのですが、おまけに日本の戦闘機が撃ち落される場面では毎回、撃たれた日本兵が痛そうに顔を歪めたり口から血を吐いて死ぬ表情がいちいちアップになって挿入されます。日本兵を演じている俳優達は日本人ではないので日本語の台詞は全てカタコトです。「敵ガ、来マーシタ」「センソーノ、ジュンビヲシロ」ひどいのだと何を言ってるのか意味不明な部分もあります。せめて吹替での視聴をお勧めします。
作品の詳細
作品名:フライング・タイガー |
原作名:Flying Tigers |
監督:デヴィッド・ミラー |
脚本:ケネス・ガメット、バリー・トリヴァース |
公開:1942年10月8日 |
上映時間:102分 |
制作国:アメリカ |
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