無実の男を襲う、都市生活の悪夢! 実話を元にヒッチコックが描く、警察への警鐘をこめた傑作サスペンス!
ストーリー:妻ローズ(ヴェラ・マイルズ)の歯の治療代を工面すべく、保険会社へと借金に来たバンドのベーシスト、マニー(ヘンリー・フォンダ)を見て、窓口係は非常に驚いた。以前保険会社を襲った強盗に瓜二つだったのだ。警察に連行されたマニーは、筆跡鑑定でも無実を証明できず、事態は彼にとって不利な方へと進んで行く。なんとか保釈にこぎつけ、証人を求めて奔走するマニーとローズだったが、証人2人はすでに死亡していた。打ちひしがれたローズの心は、恐怖と絶望で壊れて行くのだった・・・。
出演:ヘンリー・フォンダ、ヴェラ・マイルズ、アンソニー・クエイル、ハロルド・J・ストーン、チャールズ・クーパー、チューズデイ・ウェルド、エスター・ミンチオッティ
★★★★★ 地味ですが、名作です。
実話に基づくシリアスな悲劇を、ヒッチコックは淡々と描く。華麗なテクニックで魅せるカラー作品『知りすぎていた男』と『めまい』に挟まれた本作。「巻き込まれ型」「警察嫌い」というヒッチ映画の基本を踏襲しながらも、名優ヘンリー・フォンダの好演を得て、ヒッチ作品としては稀な社会派作品として輝いている。
★★★★★ 怖い作品!
私が鑑賞したヒッチコック作品では最も怖い映画だった。怖さの質が異なるが、『サイコ』や『鳥』よりも怖い。観ている内にフィクションであることが意識から遠ざかり、恐怖を感じるのだ。(事実かどうか不明な)『実話を基にしている』云々とは関係なく、主役のミュージシャンの家族に襲い掛かる不幸が鑑賞者の心理に怖さを呼び起こす。物語の最後に述べられる説明は、絶望的な結末が鑑賞者に与える心理的ショックを和らげるための付け足しでしかなく、その前のミュージシャンと看護師の背を映すショットがこの物語のやりきれないラストシーンとなっている。ヒッチコックの演出・フォンダとマイルズの演技・ハーマンの音楽…撮影・美術その他、いずれも一流の仕事である。監督は社会派の映画を作ろうとしたわけでもないのであろうが、ミュージシャンの妻の壊れていく心を描き加えたことによって社会派映画を飛び越えて恐怖映画になってしまった。名作というか問題作。多くの人に鑑賞を薦めたい。
作品の詳細
作品名:間違えられた男 |
原作名:The Wrong Man |
監督:アルフレッド・ヒッチコック |
脚本:マクスウェル・アンダーソン |
公開:アメリカ 1956年12月23日、日本 1957年6月19日 |
上映時間:105分 |
制作国:アメリカ |
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