ドラマ

十字砲火

第2次大戦終結後の混乱期を舞台にひとりのユダヤ人殺害事件解明を描く

ストーリー:第2次大戦も終り、復員兵たちが社会へ復帰しつつあった。そんなある夜、ユダヤ人の復員兵のジョセフ・サミュエル(サム・レヴィーン)が殺された。担当警部フィンレイ(ロバート・ヤング)は、その夜、サミュエルが、3人の復員兵とホテルのバーで一緒だったことを、サミュエルの女友だちルイス(マリオ・ドワイアー)から聞く。フィンレイ警部は、その3人の1人、モンゴメリー(ロバート・ライアン)と彼の上官、キーリー軍曹(ロバート・ミッチャム)をオフィスに呼び、その夜のいきさつを聞いた・・・。

出演:ロバート・ヤング、ロバート・ライアン、ロバート・ミッチャム、マリオ・ドワイアー、グロリア・グレアム、ポール・ケリー、ジャクリーン・ホワイト、スティーヴ・ブロディ

視聴者の声【Amazonレビューより】

★★★★★ 米国における人種偏見

ナチスとの戦いから2年後の作品で、ユダヤ人に対する蛮行が世に知れていたことを考えると、内容はショッキングですね。捜査に非協力的であった兵士に対し、刑事がその祖父もアイルランド人であることを理由に殺害されたことを明かします。史実、米国はナチスの迫害から逃れる移民の自国への入国も厳しい制限を設け、入国できない人々もいました。この映画の中でも米国内では、ユダヤ人に対しては、アパートを貸さない、仕事を与えない、等の迫害を加えていたことがわかります。「相手のことを知らないから、それが憎悪になるんだ」という刑事の言葉は、日本をとりまく隣国の人々も考えると本質をとらえているようです。

★★★★☆ 会話で展開する映画

原題のCrossfireには「はげしいやりとり」という意味があるようです。その名のとおり、この映画は殺人事件と捜査を扱っていながら、全編ほとんどが、事件を見せるのではなく会話で展開しています。まるで室内劇を見ているような印象です。圧巻は犯人の同僚であり、面倒なことに巻き込まれたくない逃げ腰のルロイを、ロバート・ヤング扮する刑事が「囮捜査」に協力させるところ。被害者はユダヤ人であるという理由で殺された、アイルランドから移住してきた自分の祖父の話を出して、ルロイにうんと言わせる、このシーンは感動的です。そしてラスト・・・、ここの切れ味がもっとよければ、星5つでした。

作品の詳細

作品名:十字砲火
原作名:Crossfire
監督:エドワード・ドミトリク
脚本:ジョン・パクストン
公開:1947年7月22日
上映時間:86分
制作国:アメリカ
製作費:67万ドル
興行収入:250万ドル
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