ドラマ

敬愛なるベートーヴェン

孤高の天才音楽家ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンと、彼のコピスト(写譜師)となった作曲家志望の女性アンナの師弟愛を描いた感動ドラマ

ストーリー:1824年ウィーン。うら若き女性がベートーヴェン(エド・ハリス)のアトリエにやってくる。彼女の名はアンナ(ダイアン・クルーガー)。作曲家を志す彼女は、ベートーヴェンの新曲のコピイストとして雇われたのだ。期待に反し、女性のコピイストが来た事に憤るベートーヴェンだったが、やがて彼女の才能を認め、アンナは彼の作曲を支える存在となる。初演を間近に控え、昼夜を問わない創作活動を通して、二人の間には師弟愛以上の感情が芽生えていく。そして、遂に「交響曲第九番ニ短調」初演の日、耳の聞こえぬ恐怖を抱えながらも、オーケストラを指揮するために、ベートーヴェンはケルントナートーア劇場の舞台に立つ・・・。

出演:エド・ハリス、ダイアン・クルーガー、マシュー・グード、ラルフ・ライアック、ジョー・アンダーソン、ビル・スチュワート、フィリダ・ロー


視聴者の声【Amazonレビューより】

★★★★★ ベートーヴェンの曲を楽しむにはうってつけ。

ベートーヴェンの曲を楽しむにはうってつけ。話の筋は、仮説に基づいて構成されており、歴史的な物語としてではなく、小説として楽しむとよい。写譜師という仕事があることが、面白かった。しかも、それが女性という設定は、実験としては成功したと思う。

★★★★★ 映画の理解にはパンプレットが有用

2006年の映画「敬愛なるベートーベン」の視聴後に、映画のパンフレットを手に取ったが、映画の更なる理解には有用であった。映画ではベートーヴェンの音楽が随所に使われているが、パンフレットでは、どの楽曲がどの場面で効果的に使われているかが解説されており、作品の理解に有用。監督アニエスカ・ホランドのインタビューでは、アンナ・ホルツは架空の人物だが、第九の初演後にベートーヴェンを聴衆に振り向かせたアルト歌手カロリーネ・ウンガ―、フランス人の女性作曲家ルイーズ・ファランク、更にはホランド自身の師匠アンジェイ・ワイダ監督との関係などが反映されているとのこと。ベートーヴェン役のエド・ハリスは役作りに入念な準備をし、自ら第九の指揮もおこなった。映画では、アンナの指示に従ってベートーヴェンが指揮を行った形に見えるが、アンナ役のダイアン・クルーガーが撮影に加わると、エド・ハリスは楽譜と首っ引きで彼女に指揮法を指南し始め、ありあまるほどのオーラを指揮台から放っていたとのことである。この部分が、映画の名シーンとなったのは、自ずとこうした裏の努力が反映された結果であろう。

★★★★☆ タイトルは悪いが中身はいい

第九の初演シーンが素晴らしい。このシーンだけでも、この映画は観る価値がある。「第九誕生の陰に、女性写譜師あり」というフィクションだが、描かれているベートーヴェンはおおよそ史実にのっとっているそうだ。ベートーヴェンが使っている補聴器や集音器などもそのひとつ。もっとも、第九を書いているころはもっと難聴が進んでいて、特製の補聴器(ラッパですね)も役に立たなかったという。危篤状態のベートーヴェンのもとへ向かうヒロインが、ウィーンの自然と弦楽四重奏曲(大フーガ)の交感を経験するシーンや、ベートーヴェンの楽譜を「訂正する」出会いのシーンなど「音楽の本質」をついていて共鳴するが、第九の初演シーン以降は尻すぼみになっていく。描かれているベートーヴェン像も、モーツァルトを思い切り下品に描いた『アマデウス』を見ていなければ驚かされたかもしれないし、新鮮に受け止めたかもしれないが、幸か不幸か我々はもうこれくらいのことでは動じない(ベートーヴェン役のエド・ハリスの熱演には大きな拍手を送りたい)。ちなみに、ベートーヴェンが用いている鍵盤楽器類は当時のものを再現しているが、流れる音楽は現代の演奏なので、注意が必要(昨今、当時の演奏を再現している指揮者や演奏家が珍しくない)。ただ、そんなことを言いはじめると、ベートーヴェンが英語をしゃべっているのも気持ちが悪い。でも、くどいようだが、第九の初演シーンはフィクションに飾られているとはいえ、圧巻だし、感動的だ。監督はここだけ撮りたかったのではないか、と思うほど本当に素晴らしい。それにしても、ヒドい邦題だ(原題は『COPING BEETHOVEN』)。こんなタイトルでお客に来てもらえると思っているのだろうか。

作品の詳細

作品名:敬愛なるベートーヴェン
原作名:Copying Beethoven
監督:アニエスカ・ホランド
脚本:クリストファー・ウィルキンソン
公開:アメリカ 2006年10月13日、日本 2006年12月9日
上映時間:104分
制作国:アメリカ
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